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STOの640ps+公道との親和性 ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 試作車へ試乗

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STOの640ps+公道との親和性 ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 試作車へ試乗

エンジンはSTOの640ps仕様でRWD

まだ、これが最後ではない。ウラカンには、もう1つ特別なモデルが控えている。とはいえ、今回試乗したウラカン・テクニカのプロトタイプは、ジュニア・ランボルギーニのベストといえる印象を残してくれた。

【画像】ウラカン・テクニカ エボ RWDとSTOも 競合するスポーツモデルと写真で比較 全133枚

ウラカン・エボ RWDよりパワフルで、ハンドリングはシャープ。それでいて、サーキット・フォーカスのウラカン STOより実力を引き出しやすい。価格も、比べれば手頃だ。

ウラカン・テクニカに関しては、既にAUTOCARで一報をお伝えしている。今回は、イタリアのナルド・サーキットで実際にステアリングホイールを握らせていただいた。

まず先に、このテクニカの概要を確認しておこう。エンジンはSTOが搭載する、640ps仕様の5.2L自然吸気V型10気筒。トランスミッションは7速デュアルクラッチ・オートマティックで、後輪のみを駆動する。

ステアリングラックは、可変レシオではなく固定レシオ。アダプティブダンパーや可変トルクのリアデフ、トラクション・コントロールなどは、すべてテクニカ専用のチューニングを受けている。

LDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)と呼ばれる先進的なダイナミクス電子制御システムと、可変リア・ステアリングも搭載する。走行時の安定性を高めるとともに、ハード・ドライビング時のマナーを向上させている。

ランボルギーニも、サーキット向きの構成だと認めている。公道用モデルではあるが。

NA V10は静かになっても、勢いは変わらず

スタイリングは、STOほどアグレッシブではない。それでも、フロントバンパーに開けられたエアインテークは、エボ RWDより遥かに大きい。

リアのエンジンカバーは、軽量なカーボンファイバー製。両端が切り立ったフライング・バットレス・デザインへ改められ、リアガラスはコクピット後方へ垂直に付いている。ボディ後端には、リアウイングが立ち上がる。

テクニカのボディへ加えられた変更によって、エボ RWDより35%も多くのダウンフォースが得られるという。最大で、約180kgの下向きの力が発生する計算だ。

ブレーキディスクは、カーボンセラミック。冷却性能も高められている。

そんな最新のランボルギーニを試乗したのは、ポルシェが有するイタリア・ナルドの高速ハンドリングコース。スーパーカーの試乗には最適といえる。テクニカの開発自体も、この場所を中心に進められたという。

コース長は約6.1km。長いストレートの先に高速の左コーナーが続き、その奥にはタイトな第2コーナーが待ち受けている。2020年には、プロトタイプのウラカン STOも試乗した場所だ。

テクニカのドライバーズシートへ座り、コースイン。STOを穏やかにしたというより、エボ RWDを激しくした感じ、というのが第一印象だった。あくまでもSTOとの比較だが、V10エンジンのサウンドは、低回転域で明らかに静かになった。

欧州の騒音規制に合致させるためだろう。それでも、エンジンは変わらずパワフル。最高出力は8000rpmで生み出され、そのまま8500rpmのレブリミットまで勢いが良い。

慣れが必要なLDVIシステム

アクセルレスポンスは、例外的に鋭いSTOほどではない。一般道では扱いやすいはず。それでも、ターボ付きのエンジンでは不可能なほどに鋭敏だ。

ステアリングは、フロントタイヤからの情報量が豊か。パワーステアリングのアシスト量は、筆者の好みより少し強めに感じた。ただし、これはウラカンで共通するものではある。

ターンインはSTO級に息を呑むシャープさではないが、プロトタイプが履いていたオプションのレース仕様ブリヂストン・ポテンザが生成するグリップ力は甚大。シャシーバランスに優れ、姿勢制御もしやすい。

ドライブモードを最も優しいストラダーレにすれば、荷重移動を利用してコーナリングラインの調整が可能。スポーツ・モードを選ぶと、トラクション・コントロールが介入するまでの自由度が明確に広がる。

速度が増すほど操縦が難しくなるものの、低速域では思い切りオーバーステアで振り回すこともできる。ステアリングの反応は速度に関係なく、終始一貫しているのも美点だ。

1番過激なコルサ・モードへ切り替えると、逆にスライド量は制限される。可能な限りラップタイムを削ることが狙われている。

LDVIシステムには、慣れが必要だと感じた。旋回性を高める可変リア・ステアリングの反応に、初め若干の違和感があったのだ。

システムの動きに応じて、筆者がアクセルペダルやステアリングへ入力を加えてしまい、さらに反応が増幅される印象もあった。お互いが歩み寄るように。

動的能力やドライビング体験はトップ級

しかし、最高技術責任者を務めるマウリツィオ・レッジャーニ氏の説明を聞くと、印象が変わった。電子的な魔法を信じて良いらしい。

ブレーキングしながらコーナーの頂点へ接近。徐々にステアリングを直進状態へ戻し、アクセルペダルの踏み込み量を保つのが、最も痛快なようだ。

ブレーキは好感触。サーキットで試乗した過去のウラカンより重めで、感覚も掴みやすい。約1kmのストレートを一気に加速し減速、というラップを繰り返しても、フェードの兆候も見られなかった。

ヘッドルーム不足はウラカンで共通。コースの丘を高速で通過するとタイヤが一瞬浮き、ヘルメットがルーフライナーに当たっていた。

最新のジュニア・ランボルギーニは、サーキット走行が間違いなく得意分野だろう。だが、実際のドライバーにとっては、一般道でのマナーも重要なはず。STOは、公道で明らかに乗り心地が悪く騒がしい。

その反面、テクニカは一般道との親和性が高いようだ。シャシーは、路面の起伏などを上手に処理していた。

このテクニカは、最後のウラカンではない。それでも、ベスト・モデルの1つとして記憶に刻まれることになりそうだ。今回はプロトタイプだったものの、動的能力でもドライビング体験の濃密さでも、エボ RWDを凌駕している。

近い将来、ランボルギーニはハイブリッドになる。ウラカン・テクニカのようなクルマに仕上げることは、恐らく難しいだろう。数年後には、深く懐かしむ存在になりそうだ。

ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ・プロトタイプのスペック

英国価格:未定
全長:4520mm(ウラカン・エボ)
全幅:1933mm(ウラカン・エボ)
全高:1165mm(ウラカン・エボ)
最高速度:325km/h
0-97km/h加速:3.2秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1379kg
パワートレイン:V型10気筒5204cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:640ps/8000rpm
最大トルク:57.5kg-m/6500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

3件
  • ウラカン、いいクルマだからね。
    それのファイルバージョン。ダメな訳ないよな。
  • まさに地を這うステルス戦闘機ですね。

    発売が噂されている1億円オーバーのGRスーパースポーツも変に未来っぽくせずに、これぐらいカッコ良くして世界を驚かしてほしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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