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新アフリカツインをめぐる冒険 vol.3 「数値上の4kgを上回る軽さ。新アフリカ真の武器は車体にあり」

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新アフリカツインをめぐる冒険 vol.3 「数値上の4kgを上回る軽さ。新アフリカ真の武器は車体にあり」

開発責任者の森田氏は、このアフリカツインに関して説明し始める際に、まず前置きをした。「正直に申し上げまして、当初私は排気量アップには否定的でした。出力は上がりますが、同時に重量が増えてしまうことを懸念したためです。私にとって軽さはバイクの最も重要な要素であり、それを失ってまでの出力アップは必要ないと考えておりました。しかし、検討を進めていく中で、各部の最適化をおこなうことにより、排気量アップをしながらも軽量化ができる見通しが立ったのです」と。

テスターは、Off1.jpでおなじみ和泉拓。初期型のCRF1000L発表時もメディア試乗会に参加しており、その時からアドベンチャーバイクに傾倒。以来、ホンダ、KTM、BMWなど様々な車種を乗り換えてアドベンチャーバイクへの造詣を深めてきた。エクストリームバイクの日本の第一人者であり、重量級バイクを扱う手腕に優れる

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「ステップの踏み込みが軽い」
新アフリカツインを降りて、和泉の第一声は「すぐわかるレベルで軽い」だった。「直前に、2019年モデルのアフリカツインに乗る機会があったので、ちゃんと比較できているはずです。前モデルと比べて、軽さをしっかり感じ取れる。あくまでフィーリングだけど、ロード性能を高めたアドベンチャースポーツが、スタンダードモデルと同じくらいの軽さになりました。

19年モデルは、スタンダードモデルでもアドベンチャースポーツらしい、ツアラー感があったけど、この新型はスタンダードモデルのオフロードへの割り切り感がめだちます。それは、軽さから来るモノかもしれない」と和泉は言う。

旧モデル比で、4kgの軽量化を達成しているアフリカツインだが、そのカラクリは徹底した構成の見つめ直しにあった。サブフレームのアルミ化、アルミスレーブの採用、ギヤまわりの見直し。だが、おそらくその和泉が感じた軽さは、その4kg分だけではなかったのではないか。

「特に、ステップを踏み込んだときの軽さが、際立っていました」と和泉は言う。「ビッグオフは、ミドルクラスのバイクよりも、細かく操作の修正をする必要があります。たとえばですが、スタンディングスティルをする時を考えてみてください。軽いバイクなら、ちょっとした力で崩れたバランスを取り戻せますが、重さのあるビッグオフは、当たり前ですがその操作も重い。スタンディングスティルは、ステップを踏み直しながらバランスをとるわけで、バランスが右に崩れればかなり強めに左を踏まなければいけない。そういうのって、普通は無意識下でやっていることなので、軽さを得たアフリカツインでは、ごく普通にライディングしていても、疲れにくくなっていると思います。

そのあたりのことは、車体からも影響があると思います。旧アフリカツインよりも、新アフリカツインのほうがエルゴノミクスに優れています。マシンに対して、ボディがフィットするんですね。おそらく、シートからステップにかけてのスリムさや、フレームの剛性感も大きく影響しているはず」と。

加えて、車体の開発陣からは「フレームのツインチューブをつなぐ1本を、旧型から取り払いました」と話があった。

森田氏も「そのチューブをとったことで、社内テストで革新的なハンドリングを手に入れた、と評価を受けたのです」と言う。「新フレームの狙いは、より車体の下でねじれる特性を持たせることです。これは、昨今のオートバイではセオリーですが」と。このセリフには、和泉のインプレにも「日本のシートが低くなっているバージョンは、余計に軽さを感じました」という通じる言葉があった。

サブフレームを、アルミ化し別体式に。

ピボットプレートは、旧アフリカツインの鉄製のプレスプレートを2枚重ね合わせるモナカ仕様を踏襲。だが、内板には600MPa級の高強度鋼をもちいることで内外両方の板厚を薄くし軽量化を促進した。その車体頭文字につく「CRF」、つまり競技車両のCRF-Rシリーズのように、隅々まで煮詰めなおしたフルモデルチェンジが、今回の2020MYではおこなわれている。なお、こちらフレームのピボットまわりをふくめた、アフリカツインの製造現場をすでにOff1.jpでは取材済。別文脈で、後日紹介したい。

これらの対策でフレームでは1.8kgの軽量化を達成している。和泉は、実際の「軽量」さそして車体の剛性チューニングなど様々な要素から、軽さを感じたのだ。

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