3月29~30日に東京都江東区有明の東京ビッグサイト周辺で開催されているABB FIAフォーミュラE世界選手権2023/2024年シーズン10第5戦『東京E-Prix』。予選・決勝が行われる30日には、編集部員がプロドライバーのドライブでサーキットを1周する“エレクトリック・ラップ”を体験する機会に恵まれたので、コースの印象や感想をお伝えしたい。
2024年フォーミュラE東京E-Prixのコースは、東京ビッグサイトの敷地および周辺の公道を封鎖して設営された、1周2.585kmの特設サーキットだ。コーナー数は20となり、途中にはクルマが跳ねてしまうバンプも数か所存在する。
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今回、編集部員はそんな特設サーキットをプロドライバーの助手席に同乗して1周できる“エレクトリック・ラップ”を体験した。まずスタート&フィニッシュラインに連れられた参加者はバラクラバとヘルメットを装着して待機していると、2台のポルシェ・タイカンが登場した。
白いタイカンに乗車した編集部員のドライバーを務めてくれたのはプロレーシングドライバーの田中哲也選手だ。コックピットで写真を撮らせてもらっているのも束の間、田中選手はアクセル全開でホームストレートを駆け抜ける。
セクター1は、ターン1からターン8まで左右に90度コーナーが連続するレイアウト。また、ターン2とターン3のあいだは下り坂ということに加え、かなりのバンプがあり、市販車のタイカンでもサスペンションが伸びていることを感じた。
実際、GEN3マシンの最大出力が発揮される予選では、多くの車両がこのターン2とターン3間のバンプでマシンが跳ねており、サッシャ・フェネストラズ(ニッサン・フォーミュラEチーム)はバランスを崩してウォールに接触している。そのため。このバンプをいかにスムーズにクリアするかがレースのカギを握りそうだ。
走行していると、コース幅が予想している以上に狭いことを改めて感じた。これはドライバーの田中選手も述べており、特に高速ターン9後に待ち受けるターン10~11の右左シケインが想像以上の圧迫感がある。
また、コースの縁石が国内の常設サーキットと比べると少し高い印象があり、乗り上げると振動を感じる。そして最終区間に追加された“2連続シケイン”もかなりの狭さで、その手前の下り坂の勾配が大きく、ひとつめのシケイン進入手前にはバンプがあることから、ブレーキングが難しそうだ。
10時20分から行われた予選では、各マシンが壁ぎりぎりの走りをみせ、数台はウォールに接触するほどの攻めを披露していた。フォーミュラEでのバトルによる接触はまれに見られるが、東京E-Prixではコース幅の狭さとバンピーさで面白いレースがみられるかもしれないと感じた“エレクトリック・ラップ”だった。
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