日常的に使えるスポーツカー
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】新型アウディRS3【兄弟車のRS Q3や先代モデルと写真で比較】 全113枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
アウディは、ハードコアなハッチバック「RS3」の第3世代となる新型車のデザイン、技術、パワートレインを大幅にアップグレードした。
RS3は、ハッチバックとセダンの2タイプが欧州で発表され、それぞれ5万900ポンド(約770万円)と5万1900ポンド(約790万円)の価格で8月に発売される。年末には納車が始まる予定だ。
パワートレイン
9年連続でインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞しているアウディの伝統的な2.5Lターボチャージャー付き5気筒エンジンが、今回の新型車にも搭載されている。
兄弟車であるRS Q3と同様に、最高出力400psを7速DCTを介して両軸アクスルに供給する。ハッチバック、セダンともに、停止状態から100km/hまでわずか3.8秒、最高速度280km/hに達し、メルセデスAMGの422psのA45 S 4マチックに匹敵する速さだ。
新型RS3は、先代モデルよりも3kg-m多い51kg-mのトルクを2250~5600rpmで発生させることで、「低回転域からの加速がさらに速くなった」と謳われている。
さらにアウディは、1-2-4-5-3というユニークなシリンダー点火順序がもたらす「比類なきサウンド」を強調している。また、走行モードに応じて回転域の異なるポイントで開く、新しいノイズ・コントロール・フラップをエグゾーストに装備し、オプションのRSスポーツ・エグゾーストを装着することで、エンジン音を「強化」している。
シャシー
第3世代のRS3では、従来のリアディファレンシャルに代わり、電子制御式多板クラッチで構成されるトルクスプリッターを新たに採用し、リアアクスルへのパワー配分を改善した。
この新技術は、ハードなコーナリング時のアンダーステアを軽減するだけでなく、RSトルク・リアモードでは、必要に応じて最大18kg-mのトルクをリアホイールに送ることで、「制御されたドリフト」を可能にする。
シャシーは、RS3専用のバルブシステム、よりレスポンスの良いショックアブソーバー、正確なステアリングを実現するホイールキャンバーの増加、ドライブトレインとサスペンション・コンポーネントの横方向の動きを監視してトルク出力をより適切に調整するモジュラー・ビークル・ダイナミクス・コントローラー(mVDC)など、先代モデルよりもアップグレードされている。
ブレーキキャリパーを6ピストン化し、前後ともにベンチレーテッド・ドリルド・ディスクを採用。フロントのディスクはセラミック製で、エンジンの性能向上に合わせてチューニングされている。キャリパーはグレー、レッド、ブルー、ブラックの4色から選択できる。
一部の市場では、RS3にセミスリックタイヤを装着し、サーキットでのパフォーマンスを向上させることができる。
デザイン
RSモデルの伝統に則り、エアインテークの追加、専用のパフォーマンス・ホイール、大型エグゾースト、そしてアグレッシブなスタイリングによってその存在をアピールしている。
特に新型では、RS3と通常のA3との差別化を図るために、フロントエンドに専用デザインを採用した。ブラックのグリルサラウンド(マットまたはグロス)からヘッドライトとつながるように形作られており、ヘッドライトはインナーブラックのマトリクスLEDをオプションで選択できる。サイドスカート、ミラー、リアディフューザー、そしてルーフ(オプション)もブラックで仕上げられている。
フロントホイールアーチの後ろには、ボディサイドに沿って空気を流す新しいアウトレットが設けられている。また、トレッド幅をフロントで33mm、リアで10mm拡大することで、ハンドリングの向上とワイドなスタンスを実現した。
欧州仕様には2つの新色(キャラミグリーンとケモラグレイ)が用意されている。
室内も同様で、A3の基本レイアウトを踏襲しつつ、パフォーマンスをアピールするためにさまざまなデザインが施されている。例えば、インストゥルメントパネルにはカーボンファイバーが使用され、スポーツシートにはブラック、レッド、グリーンのステッチが施されたナッパレザーがオプションで用意されている。
12.3インチのデジタルディスプレイは標準装備で、RS専用のタコメーターやパワー使用量のグラフィックが表示される。メーターは「飛行機の滑走路をイメージ」した「RSランウェイ」デザインとなっている。
また、10.1インチのインフォテインメント・タッチスクリーンには、クーラント、エンジン、トランスミッションのオイル温度、タイヤの空気圧などを表示する「RSモニター」が搭載されている。
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みんなのコメント
日本車だけでないのだと実感しました。