現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 次世代を見据え350億ドルもの巨額投資を行うGM。その未来戦略は鉄道や宇宙にも及ぶ

ここから本文です

次世代を見据え350億ドルもの巨額投資を行うGM。その未来戦略は鉄道や宇宙にも及ぶ

掲載 更新
次世代を見据え350億ドルもの巨額投資を行うGM。その未来戦略は鉄道や宇宙にも及ぶ

順調に開発が進んでいる次世代アルティウムバッテリー

すでにゼネラルモーターズ(以下GM)は、2025年までにEVと自動運転への投資を350億ドルに拡大することを公表しているが、その巨額の資金が投入される分野において大きな注目を集めているのが、「アルティウム(Ultium)」バッテリーと、電動自律走行車(AV)事業への投資だ。

ディフェンダー2022年モデルの受注開始。90系にも人気グレード「X-DYNAMIC」を追加

GMが自社開発を進めるアルティウムバッテリーは、大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内で垂直にも水平にも積み重ねることが可能で、搭載車両のレイアウトに合わせて、自由度の高いバッテリーパック設計を可能としていることが特徴。

製造工場をさらに2拠点追加することで生産能力向上も狙う

バッテリー容量は50~200kWhに設定でき、航続可能距離はフル充電時で最大400マイル以上、0-60mph加速は3秒以内とされている。自社で開発するモーターシステムと組み合わせることで、ベーシックモデルからパフォーマンスモデルまで、幅広いユーザーニーズに応えることができるという。さらにLG化学との合弁事業により、バッテリーセルのコストを1kWhあたり100ドル以下に抑えることが見込まれるなど、性能のみならずコスト面で優れていることも評価が高い理由だ。

GMはオハイオ州とテネシー州に最新設備を投入するアルティウムバッテリー工場を建設しているが、さらに2つのアルティウムバッテリー工場を2020年代半ばまでに前倒しで建設することを発表。これもアルティウムバッテリーの将来性を見据えた動きのひとつといえるだろう。

EVに関してGMは、2025年までに世界市場に30車種の新型EVを投入し、そのうち3分の2を北米で販売することを発表しているが、電動自律走行車(AV)に関しても自動運転部門の子会社であるクルーズを通して積極的に開発を進めている。クルーズは、運転手の居ないAV旅客サービスを一般向けに提供する許可をカリフォルニア州当局から最初に取得した企業でもあり、日本でもAVテストプログラムの開発をホンダと共同で開始している。

他社とのパートナーシップはさらに発展させる意向

これらの新技術を中核においた事業展開やパートナーシップを、同業及び異業種を含んだ複数の企業と進めており、そのいくつかはすでに公表されている。

例えば、ホンダとはアルティウム技術を用いたEV2車種(Hondaブランド向けSUVとAcuraブランド向け)に加え、より高い出力密度と低コストを実現する第3世代のHYDROTEC水素燃料電池システムを、ホンダとの合弁事業で製造する。この次世代システムは世界初の100%バッテリー駆動機関車を開発した米国・鉄道車両製造大手のワブテックに向けて供給されることが決定している。

電動自律走行車を担当するクルーズにも、GMはGMファイナンシャルを通じて複数年にわたる50億ドルの融資枠を提供することを発表しており、GMとホンダ、クルーズのパートナーシップを通じて開発された「クルーズ オリジン」は、GMの“ファクトリー・ゼロ”(Factory ZERO)デトロイト・ハムトラミック組立センターで2023年初頭に生産が開始される予定だ。

次世代技術を通じて広がる、他社との協業体制

ワブテックとは、アルティウムバッテリーテクノロジーとHYDROTEC水素燃料電池システムを用いた車両開発を進めているほか、ドイツ・リープヘルの航空宇宙機器製造部門であるリープヘル・エアロスペースとは航空機向け水素燃料電池実証システムを共同で開発することを発表している。

GMは、自動車のみならず鉄道機関、宇宙産業など様々な分野に対し追加投資と新たな協業の動きを進めている。今後のカーボンニュートラル時代を見据えた企業競争力を、さらに高めていくことは間違いなさそうだ。

こんな記事も読まれています

NLS耐久シリーズ・NLS3クラスでトーヨータイヤ『プロクセス』装着車両が優勝
NLS耐久シリーズ・NLS3クラスでトーヨータイヤ『プロクセス』装着車両が優勝
レスポンス
これ最高じゃん! 車を守る「ソーラーカーシールド」はこの夏に導入したい期待のアイテム
これ最高じゃん! 車を守る「ソーラーカーシールド」はこの夏に導入したい期待のアイテム
月刊自家用車WEB
「これで、売れなくなったらどうしよう……」 新型フリード登場で困っているのは、実はホンダの……【ディーラー生情報】
「これで、売れなくなったらどうしよう……」 新型フリード登場で困っているのは、実はホンダの……【ディーラー生情報】
月刊自家用車WEB
まるで本物のクルマ? 超カッコイイ! リバティウォークとコラボした世界中で大人気のレースゲーム「レーシングマスター」とは
まるで本物のクルマ? 超カッコイイ! リバティウォークとコラボした世界中で大人気のレースゲーム「レーシングマスター」とは
くるまのニュース
米国の熱狂的日産「パルサーGTI-R」ファンと遭遇! 3台所有するライアンさんは33年前の「パイクスピーク」で走った憧れの選手との再会でした
米国の熱狂的日産「パルサーGTI-R」ファンと遭遇! 3台所有するライアンさんは33年前の「パイクスピーク」で走った憧れの選手との再会でした
Auto Messe Web
新型ラングラー詳報&今買えるジープ全車まとめ
新型ラングラー詳報&今買えるジープ全車まとめ
グーネット
新型フリード、笑顔をもたらす価格を発表!FF最廉価は250万円台から。注目の4WD×2モーターハイブリッドは308万円ちょっと、お買い得感あり
新型フリード、笑顔をもたらす価格を発表!FF最廉価は250万円台から。注目の4WD×2モーターハイブリッドは308万円ちょっと、お買い得感あり
Webモーターマガジン
インフィニティの最上位SUV『QX80』新型、450馬力ツインターボ搭載 7月発売
インフィニティの最上位SUV『QX80』新型、450馬力ツインターボ搭載 7月発売
レスポンス
日産「“次期型”エルグランド」いつ登場? 「今後3年間」で全面刷新か!? デビュー14年で「元祖キングオブミニバン」デビューの可能性はあるのか
日産「“次期型”エルグランド」いつ登場? 「今後3年間」で全面刷新か!? デビュー14年で「元祖キングオブミニバン」デビューの可能性はあるのか
くるまのニュース
ホンダ フリードがフルモデルチェンジ、同時に福祉車両も設定
ホンダ フリードがフルモデルチェンジ、同時に福祉車両も設定
Believe Japan
「えっ…!」クルマやバイクが通れない“道”あるの? 日本で唯一の「階段国道」何がある? なぜ出来たのか
「えっ…!」クルマやバイクが通れない“道”あるの? 日本で唯一の「階段国道」何がある? なぜ出来たのか
くるまのニュース
車にベストな冷蔵庫はこれだ! 最小を追求したコンパクト冷温庫が登場
車にベストな冷蔵庫はこれだ! 最小を追求したコンパクト冷温庫が登場
月刊自家用車WEB
ネクサスから BMW R1300GS(24-)用「DENALI CANsmart Controller GEN 2/補助ライトマウントキット」が発売!
ネクサスから BMW R1300GS(24-)用「DENALI CANsmart Controller GEN 2/補助ライトマウントキット」が発売!
バイクブロス
トヨタ自動車東日本の出荷額は約8000億円!! [レクサスLBX]生産に込められた想いとは?
トヨタ自動車東日本の出荷額は約8000億円!! [レクサスLBX]生産に込められた想いとは?
ベストカーWeb
初代NSXはアルミボディだから永遠にヤレない……ワケじゃない! アルミはあくまで「錆びにくい」だけだった
初代NSXはアルミボディだから永遠にヤレない……ワケじゃない! アルミはあくまで「錆びにくい」だけだった
WEB CARTOP
新型ヴェゼル/フリードに対応。専用コネクター採用で短時間で装着可能な新ドラレコがホンダアクセスから登場
新型ヴェゼル/フリードに対応。専用コネクター採用で短時間で装着可能な新ドラレコがホンダアクセスから登場
月刊自家用車WEB
「チャイルドシート」実は3人に1人が正しく取り付けられていない!? ミスが多い原因は
「チャイルドシート」実は3人に1人が正しく取り付けられていない!? ミスが多い原因は
乗りものニュース
ハスクバーナ、モトクロス競技車両4機種の2025年モデルを発表
ハスクバーナ、モトクロス競技車両4機種の2025年モデルを発表
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村