9月22日に決勝が行なわれるMotoGPエミリア・ロマーニャGPの後はアジア・パシフィックラウンドが開始される。転戦はライダーにとっても厳しいものだが、緒戦のインドネシアGPに向けては物流上のチャレンジにも直面している。
エミリア・ロマーニャGPからインドネシアGPは間に休みを挟むことなく連戦で行なわれる。本来ならばカザフスタンGPが行なわれるはずだった週末の代替戦がこのエミリア・ロマーニャGPだが、これ以上の選択肢は存在しなかっただろう。
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しかしミサノ・サーキットからわずか1週間後に、約1万2000km先のインドネシア、マンダリカ・サーキットでレースが行なわれるというのは、物流的にかなり厳しい計画にもなってしまった。
MotoGPを運営するドルナ・スポーツの物流部門は、このチャレンジを達成するために分刻みのスケジュールを計画している。なお今週末はF1シンガポールGPとの時間被りを避けるためスケジュールが1時間前倒しされている点は幸運だったと言えそうだ。
ドルナの立案した計画では、サーキットでMotoGPのレースが終了後すぐの現地時間14時に動き出すこととなっている。
レース終了から約45分後の14時半には本当の意味で輸送に向けた作業がスタート。この時間が、レース後にコースへ入ってきたファンたちの撤収が完了する時間となっている。
ドルナのカルレス・ジョルバは、この種の輸送面のエキスパートであり、インドネシアGPに向けた物流についてmotorsport.comに次のように語った。
「観客の人達の楽しみは邪魔したくなかったんだ」とジョルバは言う。
「トラックへの荷物の積み込みには1時間かかる。そしてミラノのマルペンサ空港まではさらに6時間の道のりだ」
「我々は何週間も空港側との話し合いを既に行なってきていて、空港側は貨物の箱を受け取る順番を決めている。全ての荷物を飛行機に乗せる前に、検査しなくてはならないんだ」
ただそれでも、新しい要素が加わったことで、今年からMotoGPの輸送はいくぶんか楽になったという。
「2023年に我々は使用している飛行機の外形に合わせた輸送ボックスの装備製造に着手したんだ」
「我々は今のところ、飛行機に荷物を乗せるのに6時間かかっている。しかし昨年まではその倍(12時間)かかっていた。おかげで遥かに効率化されているんだ。輸送ボックスが手配できていれば、あとはパズルの問題だ」
「たとえば、Moto2とMoto3のチームが飛行機に収まることは、既に分かっている」
「今まで我々はボーイング747を4機使用してきたが、カタール航空との合意によって、5機のボーイング777を使用していくことになる。これによって汚染物質は30%低減が可能になるだろう。4発エンジンの飛行機から、2発エンジンの飛行機へと変わることで、エンジンも16基から10基へと減ることによるものだ」
ただそういったMotoGPやドルナ側の努力がいかにあろうとも、最終的にはサーキットのスタッフや積み下ろしのオペレーター、ドライバーといった外部の働きぶりに依存していることは明らかで、ジョルバもそれは承知している。さらに2022年に起きた輸送上の問題のことも彼は指摘している。
「飛行機に発生した技術的な問題によって、我々は2022年のアルゼンチンで金曜走行をキャンセルしなくてはならなかったからね」
インドネシアGPに向けた輸送は、全てがスケジュール通りに進んだ場合、1機目の飛行機がレース翌日の月曜13時に飛び立ち、ドーハを経由して火曜11時15分にインドネシアへ到着する予定だ。
最後の5機目は火曜17時にイタリアを発ち、水曜15時にインドネシアへ着く予定だ。
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