美しい自然で「映え」る
Audi Q8
「退屈」を「高揚」に変えてしまう魔法の軽スポーツ──Vol. 1
アウディQ8は、同社の旗艦SUVであるQ7のおしゃれクーペ版だ。Q7の屋根を低くして、ボディの前後をキュキュッと詰めて、でも幅は広くして、スタイリッシュでよく走りそうな雰囲気を醸している。こう書くと、チャラい感じがする。でもQ8に軽薄な印象は受けない。それは、きちんとした理由があるデザインになっているからだ。
後方に向けてなだらかに落ちていく屋根は、それでも後席に座る人が窮屈な思いをしないように絶妙の塩梅となっている。前後のフェンダー(タイヤを収めるふくらみの部分)がくっきりとしているのは4つのタイヤで地面を蹴る、4駆であることの象徴だ。そして後席の窓とリアウィンドウの間の柱(Cピラー)は、オフロード専用だった4駆システムを乗用車に広めた立役者、1980年代の初代アウディ クワトロがモチーフだ。
Audi Q8 フロントのシングルフレームグリルを力強いフレームで囲うなど、アウディのSUVのデザインが次のステージに入ったことを示唆するモデル。まず3lのV6ターボと8速ATの組み合わせを導入、バリエーションを増やす予定。 SPEC:全長×全幅×全高:4995×1995×1705mm ホイールベース:2995mm 車両重量:2140kg 乗車定員:5名 ¥9,920,000~(税込)といったわけで、Q8はデカいけれど抑制の効いた、理知的なSUVになっている。インスタに「グランピングなう」と投稿してもイヤミにならない。エアサスペンションのしっとりとした乗り心地もあいまって、自然に馴染むやさしいSUVに仕上がった。都会派SUVクーペは、森の中でも「映え」るのだった。
Photos エリック・ミコット Eric Micotto
Words サトータケシ Takeshi Sato
Styling 福山慎吾 Shingo Fukuyama
Hair&Make-up 磯 莉奈世 Rinase Iso、トモエ Tomoe@artifata
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