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2桁ナンバー物語 Vol.3 練馬34の日産 ステージア (前編)

掲載 更新 6
2桁ナンバー物語 Vol.3 練馬34の日産 ステージア (前編)

「芳我(はが)さん、まだステージアに乗っているんだ……」

紺の初代日産「ステージア」を(漕艇場がある)戸田公園(埼玉県)で見るたび、芳我さんがいつまでステージアに乗り続けるのか気になっていた。

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芳我さん、つまり芳我孝雄(はがたかお)さん(71歳)は東京都ボート協会の副会長を務めている。筆者もまた、同協会の理事をしている。芳我さんも筆者も学生時代、ボート部に所属していた縁で、協会の役員を務めている。

初代ステージアは1996年に登場。当時の「スカイライン」「ローレル」のシャシーをもとに開発された。知り合ってから10年以上経つが、そのあいだ、芳我さんはずっと初代ステージアに乗っている。普段ボートの話ばかりで、クルマの話などしたことがなかった。連載をスタートするにあたり、ぜひ、話をお聞きしたく連絡した。

「そんな話すようなエピソードもないけど……」と、芳我さんは笑う。ステージアは新車で購入し、すでに20年以上所有している。20年以上乗り続ける理由とは?

【2桁ナンバー物語】

Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編

Vol.2 品川35のアルピナB8 4.6 リムジン 前編/後編

ステージアを運転するオウナーの芳我孝雄さん。現在、東京都ボート協会の副会長を務めており、ボート競技の普及活動に力を入れている。ステージア購入のきっかけ待ち合わせ場所に到着した芳我さんのステージアは、20年以上前のクルマとしては比較的綺麗である。普段は屋根付きの自宅車庫に停めているそうだ。

「撮影があるって聞いたから、久しぶりに洗車したよ!」と、芳我さん。普段、洗車は年3回ぐらいしかしないそうだ。「(ステージアは)実用車だからね」と、述べる。

初代ステージアの駆動方式はRWD(後輪駆動)ないしは4WD。ライバルは、スバル「レガシィ」や三菱「レグナム」など。芳我さんは1998(平成9年)9月に、ステージアを購入した。きっかけは、ご家族を介護する必要からだったという。

「私の母が病気になって、車椅子が必要になったんです。そこで、車椅子を容易に積み込めるステージアにしました。自宅の車庫が低いため、ミニバンは選択肢にありませんでした」

ステージアの前は「スカイライン」に乗っていたという。勝手に、1985年登場のR31型か、それとも1989年登場のR32型に乗っていたのかな? と、思いきや、なんと、1977年登場のC210型(通称、ジャパン)に乗っていたそうだ。

C210型スカイライン(通称:ジャパン)は1977年登場。スカイライン初のターボモデルも設定された。「父が5~6年乗ったあとに、譲ってもらい、乗っていました。父の代からあわせると、トータル約18年間所有していました」

芳我さんが乗っていたC210型スカイラインは2000cc直列6気筒搭載モデル。トランスミッションはオートマチックだった。

芳我さんが実際に所有していたC210型スカイライン。「C210型スカイライン以前に乗っていたC110型スカイライン、いすゞ『フローリアン』もオートマチックでした。免許取得から48年、所有したクルマはすべてオートマチックでしたね」

たった4台のみの愛車遍歴ほかにどんなクルマを所有されてきたのか? 訊ねると、「ステージア含め、この4台だけです」と、驚きの答が。

C210型スカイラインの前に乗っていたC110型スカイラインは1972年の登場。セダンモデルの通称は「ヨンメリ」。芳我さんが所有していたC110型スカイラインはGLグレードだった。「運転は好きですが、クルマに強いこだわりがないので、(1台を)長く乗り続けているのかもしれません」

ステージア、そしてスカイラインを2台乗り継いできたぐらいだから、大の日産党かと思いきや、「たまたま日産が続いただけです」と、話す。

ちなみに、2台のスカイラインとフローリアンは、お父様が新車で購入されたクルマを、後年、譲り受けたものという。

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かつて所有していたいすゞ「フローリアン」。1967年から1983年まで販売された長寿モデルだった。「父は医者で、勤務先と自宅の往復にクルマを使っていました。たしか、父が購入したはじめてのクルマは、いすゞの『ヒルマン ミンクス』。1960年前後の話です。このクルマだけマニュアル・トランスミッションで、以降はオートマチック・トランスミッションでした。毎日の通勤で使うから、楽をしたかったんでしょう」

お父様のクルマを譲り受け続けた結果、長年オートマチック車しか所有してこなかったのである。

ステージア以外、興味なし!数あるステーションワゴンのなかでも、ステージアに決めた経緯は?

「スカイラインに乗っていたとき、ちょくちょく日産の営業マンが自宅に来ました。ちょうど、日産の経営状況が芳しくなかった時期だったため、営業マンの熱意がすごくて……」

ステージアのロゴは馬をモチーフにしたデザイン。芳我さんがステージアを購入した1998年は、日産の経営危機が騒がれていた頃。郵便受けに日産ディーラーの社員の名刺とカタログがよく入っていたという。営業マンも必死だったのだろう。

当時所有していたC210型スカイラインは、一時、海岸沿いの駐車場に駐車していたため、サビによる穴だらけになったという。営業マンも、芳我さんの自宅前を通るたび「このスカイラインはそろそろ買い替えどきでは?」と、思うほど、状態は芳しくなかったそうだ。

初代ステージアはC34型ローレル(1993~1997年)とおなじプラットフォームだった。「車椅子を積み込むことや車庫のサイズの問題もあったので、ステージアにしました」と、芳我さん。当時、日産には「アベニール」などのステーションワゴン・モデルもあったが、眼中になかったという。ちなみに、C210型スカイラインは廃車になったそうだ。

では、芳我さんが21年所有し続けているステージアのいまは? それについては後編で。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

【2桁ナンバー物語】

Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編

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みんなのコメント

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  • 私も二桁ナンバーのテラノを所有しています。此の車のナンバープレートには、チョットしたエピソードが有り、当時はまだ、希望ナンバーでは有りませんでしたが、数字は1並び、あいうえをは、テラノの「て」です。既に24年を超えましたが、現役で活躍しています。
  • この筆者さ、「やっぱり〇〇だ」「よく見れば本来の〇〇ではなく~」など、発信点は知りもしないのに、知った風、分かった風の前置きで答えを述べる稲垣邦康なんだコレ。
    戸田ボー、大学時代ボート、協会役員など、元ネコの佐橋健太郎だとピンと来たけど。意外な!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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