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【ヒットの法則278】BMW 550iツーリングの底なしのトルク感はかつてのM5ツーリングを思い出させた

掲載 更新 3
【ヒットの法則278】BMW 550iツーリングの底なしのトルク感はかつてのM5ツーリングを思い出させた

2006年秋、BMWは積極的なニューモデル攻勢を行っているが、5シリーズツーリングに550iが設定されたことも大きな話題となった。750iにも搭載される4.8L V8エンジンを採用、その走りはどんな味わいを持っていたのか。その試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年2月号より)

追いかけられるのではなく「自ら進む」加速力
E34と呼ばれた2代前の5シリーズのときに、ドイツ本国ではM5ツーリングなるモデルがあったことを、この550iツーリングに乗って思い出した。そのころのM5はビッグシックスと呼ばれる直列6気筒の、たった3.8Lエンジンだったから、この550iツーリングがパフォーマンスで負けるはずがない。そう考えると550iツーリングの価格は安いと思えるほどだ。

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走り出してみると確かに大きな余裕が感じられる。巨人に抱かれているようなゆとりだ。その気になればいつでもやっつけるぞ! という雰囲気を、アクセルペダルから感じる。

しかし、そのアクセルペダルは過敏でない。踏み込み始めからギュンと行ってしまうのではなく、比較的穏やかな反応だ。だから普通に走るときにはごく普通に走らせることができる。しかしもう少し踏み込むと、底なしのようにトルクが湧き上がってくる感じが踏み込む前にわかるのだ。

そして実際にアクセルペダルをグインと踏んでみた。予想通り強烈なトルクでリアタイヤを駆動させ、ゼロ発進ではDSCの警告ランプを点滅させながら鋭く加速していく。DTCスイッチを押してホイールスピンを許すプログラムを選んでも、ドライ路面なら過大なホイールスピンは起きずグイグイ加速していく。

6200rpmからがゼブラゾーン、6500rpmからがレッドゾーンだが、レッドゾーンぎりぎりまで引っ張りシフトアップしていく。大きな排気量のV8だが、バランスは良く高回転でも気持ちよく回る。

スピードが上がっていっても加速力が衰えないのは離陸寸前のジャンボジェットのようだ。335iはツインターボではあるが、さほどターボを意識させられるシーンはなかった。550iツーリングは排気量の大きなノーマルアスピレーションだから、追いかけられるような加速でなく、自分から進んでいくような加速力なのだ。つまりこれはアクセルペダルと加速力がダイレクトな感じというやつだ。

タイヤは245/40R18 93Yのブリヂストンのランフラットタイヤ、RE050A☆である。しっかりしたサスペンションとこのファットなタイヤとでしっかりとコーナリングの姿勢も作ってくれる。

しかしターンインのところの軽快感は絶対重量の軽い335iツーリングの方がライントレースしやすかった。550iがフロントに4.8LのV8エンジンを搭載していることを実感する瞬間だ。(文:こもだきよし/Motor Magazine 2007年2月号より)



BMW 550i ツーリング 主要諸元
●全長×全幅×全高:4855×1845×1490mm
●ホイールベース:2890mm
●車両重量:1920kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:4798cc
●最高出力:367ps/6300rpm
●最大トルク:490Nm/3400rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:1004万円(2006年)

[ アルバム : BMW 550i ツーリング はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • これはスゴかった。
    でもねメンテ怠ると痛い目に遭うよw
  • 田中角栄さんが思い付きで決めた自動車税と重量税と車検を廃止しなければ国内自動車市場は衰退の一途。

    首都圏在住35歳以下の自動車免許保有率がヤバい。
    あと15年もすると今の二輪市場の二の舞は確実。
    中免で新車で買える4スト(400cc)がホンダCBの1台だけと言う現実。
    極論ではなくトヨタのクラウンだけと言う時代が来ている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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