■事故の瞬間、ADASカメラの画像を記憶するメモリを開発。欧州メーカーに納入実績あり
自動運転技術の広がりなどクルマの電脳化が進んでいます。そこで重要なのは自動車という過酷な状況で確実に作動するマイコンやメモリ(ストレージ)となります。そうした車載用のNORフラッシュメモリ、タッチコントローラー、インスツルメンツクラスター向けマイコンなどにおいてナンバーワンのシェアを誇るサイプレス セミコンダクタ社が、日本のメディア向けに製品デモンストレーションを行なう「サイプレス オートモーティブ メディアディ」を開催しました。
同社は、あくまでもティア1などと呼ばれる大手サプライヤーにメモリやマイコンを収めているのでエンドユーザーの認知度は高くありませんが、現代の自動車においてはなくてはならない企業のひとつです。今回のイベントでは、様々な製品群を紹介していましたが、その中でも気になったのは新しく開発された不揮発性メモリの「Excelon™ F-RAM」です。容量は2MB~16MBと小さいものですが、それでも従来のものよりは容量が増えています。
さて、このF-RAMの特徴は超低消費電力で、書き込みかかる時間がほぼゼロであり、なおかつ10兆回の書き込みが可能となっている点。もちろん不揮発性メモリですから電源から遮断されてもデータを保持することができます。こうした特徴を使って、ある用途においてすでに欧州メーカーに採用されているといいます。
その用途とはEDR(イベント データ レコーダー)です。これはアクシデント時の状態を保存しておくもので、車速やペダルの踏み込み量などを記憶しておき、事故を起こしたクルマからデータを吸い上げて分析できるものですが、新しいF-RAMの容量を活かして画像まで保存できるようになったというのです。
現代のクルマに欠かせない機能としてADAS(先進運転支援システム)があり、そのセンサーとしてはカメラが使われています。事故の瞬間のカメラ映像を、サイプレスのF-RAMに保存しておくことで、ドライブレコーダーとしての役割も持たせることが可能になったというわけです。事故の際にバッテリーからの電力供給が断たれることもありますが、このF-RAMは書き込み速度が速いため、まさに事故の瞬間を記録することができるのです。
あくまでEDRの機能ということですから、エンドユーザーがそのデータを吸い出して利用することは難しいといえます。とはいえ、こうして事故を分析する技術が進化することで、より安全な交通社会につながることが期待できます。本当に小さなチップが、未来を変えるのです。
文・写真:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「突然、免許失効だと言われました。無事故無違反なのになぜですか?」 突然のゴールド免許剥奪? 実は自分に理由があった? 気をつけたい「うっかり」とは
“車”に貼ってある「謎のちょうちょマーク」に「知らなかった」の声多数! 知られざる「大事な意味」とは?
「ぜひこのペースで返済を」自賠責の6千億円“100年返済問題”で進歩 40年早くなる!? でも全く喜べない!
トヨタ「アルファード」“最安グレード”新たに設定! 8人乗れて125万円安い「ハイブリッドX」なぜ登場? 一体何が違うのか?
ディーゼル車でスキーに行くため軽油を満タンにしたら「半分くらいの方がよかったのに…」と言われました。なぜでしょうか エンジンが動かなくなることも!?
「ぜひこのペースで返済を」自賠責の6千億円“100年返済問題”で進歩 40年早くなる!? でも全く喜べない!
「スカイラインを諦めない」はもう無理か? 日産が本気で生き残るための苦渋の決断の可能性とは【ホンダ・日産考察】
たまにいる「ブレーキぱたぱたカー」一体どんな心理? 「近寄らないようにしましょう」交通心理士がズバリ解説
「母親がスイフトスポーツの魅力をわかっていません。どうすればその魅力が伝わるでしょうか?」編集部に届いた相談に回答! 好きなクルマの“魅力”を伝える方法とは
180円超え! ガソリン代が「5円高く」なりました! さらに5円高く…! 「家計が…」「なぜ?いま?」 ガソリン補助金縮小で国民困惑… 生の声は?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?