北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第27回は、北海道で繁殖するオシドリの貴重な子育て画像を紹介します。
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仲のいい夫婦のたとえにも使われるオシドリですが、どうもその実態はあやしいようです。
写真・文/佐藤圭
【画像ギャラリー】敢然とダイブしていく「ちびっこ飛行隊」の雄姿!
オシドリはおしどり夫婦じゃない!?
オシドリは、色鮮やかな羽色が特徴のカモの仲間です。
といっても、派手なのは繁殖期(5~7月)のオスだけで、メスはまるで別の種類の鳥のように地味な色です。
オシドリの夫婦。外見は別の種類の鳥のよう
繁殖期にはより美しい色のオスが選ばれます。パートナーの気を引くためのオシャレなのです。自然界は面白いですね。
繁殖期になるとカラフルになるオシドリのオス
子育てが終わると、オスの鮮やかな羽は抜け落ち、メスと同じ色になります。これをエクリプスと言います。
同じような外見になったオスメスの見分け方はくちばしの色です。オスが赤く、メスは灰色なので、そこで判断しています。
「オシドリ夫婦」と言う言葉がありますが、実は、オシドリたちは、生涯、パートナーを替えないのではなく、繁殖期の度に相手を変えているんです。
子育てのための巣は、10m以上の高い木の上の樹洞を使います。
そのため、ヒナたちは、巣立ちの時期になると、身長の数十倍の高い樹洞から次々とダイブしていきます。
まだ飛べないため、ただ落っこちるといったほうがいいくらいで、見ているとひやひやしますが、体が軽くフワフワのうぶ毛におおわれているので、何事もなかったように着地します。
巣立ったヒナたちを連れてお母さんが移動中。高い石段もなんのその
目の前には高い崖が!? ヒナたち、大ピーンチ!
と思ったら、ヒナたちは果敢にダイブしていきます!
一度に10羽以上のヒナを産むこともありますが、面白いのは、よその家族のヒナが混ざることもあるんです。
20羽以上のヒナを連れた家族がいたら、間違いなく、よその子が混ざっています。これをヒナ混ぜと呼んでいます。
温かい母鳥にくっついて暖をとるヒナたち。その数、10羽以上
1羽のヒナがお母さんに怒られてる。もしかしたら、よその子?
これから別のエサ場に向けて大移動開始。でもなんだか数が増えてるみたい
ちょっと休憩中。だいぶヒナの数が増えましたが、お母さんは気にしてないようです
より強い親の元で成長することでヒナの生存率を上げていると考えられています。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
インスタグラム:https://www.instagram.com/slashslash_photography/
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みんなのコメント
でも、オシドリは可愛くないからいらない