唯一無二の存在でも競合モデルはチェックすべし!
厳密に言うなら、ジムニーシリーズにとってライバルと呼べる車種を現行モデルのなかで探すのは難しい。そこで「小型で悪路走行をこなせる」という点にスポットを当て、競合になり得るモデルをクローズアップしてみた。
【試乗】パワーだけで決めるべからず! スズキ ジムニーとシエラを乗り比べ
世界に類を見ない軽自動車の本格四駆
かつてのライバルだった三菱パジェロミニ、ダイハツ・テリオスキッドが生産を終えても、軽自動車の本格オフローダーとして存在し続けている。48年という歴史のなかで確立された、信頼性の高い技術をベースにしながら新たな技術の投入や改良が加えられたことで、世界に類を見ない軽クロカンSUVというポジションはさらに盤石なものとなった。
エンジンの排気量や出力、トルクは軽自動車規格の範疇だが、専用チューニングやオフロード走行を考慮した改良が施され、ジムニーの持ち味であるタフな走りを存分に味わえる。
また、3リンクリジッドアクスル式サスペンションは、激しい凹凸路で優れた接地性と大きな対地クリアランスを確保できる。悪路走破性に関しては同クラスにライバルは不在と言っていい。
悪路もこなせる小さな実力派が揃うライバルをチェック
いずれも売れ筋は前輪駆動モデルだが、4WD仕様に採用された技術は、砂利や砂、雪道といった悪路走行も難なくこなせる。駆動力配分は電子制御され、舗装路における安定性確保にも絶大な効果をもたらし、あらゆる場面で安全かつ安心感のある走りを実現できる実力派が揃う。
スズキ ハスラー
地上高を180mm(4WDは175mm)に設定し、大径タイヤを装着。4WD仕様にはグリップコントロールも設定するなど、悪路でも不安なく走れる軽自動車だ。
スズキ イグニス
路面状況に応じて前後輪に適切な駆動力を自動配分する4WDシステムを設定。アプローチアングルやデパーチャーアングルを大きく確保して悪路走行に備える。
ダイハツ キャスト アクティバ
4WD仕様には、走破力を高めるグリップサポート制御やダウンヒルアシストコントロール制御が備わる。アクティブで上質な内外装の仕上げも魅力的なモデルだ。
車両価格を考慮するならクロスオーバーもライバル
トヨタ アクアクロスオーバー
ジムニー&シエラの価格帯を考慮すると、アクアクロスオーバー(205.2万円)なども競合になり得る。悪路走破性では及ばないが、SUVをファッションで乗ろうと思っているなら一考の価値あり。
シエラは小型SUVのなかでもタフさがトップレベル
新開発となるK15B型エンジンを搭載。排気量が1.5Lとなるため、ジムニーよりも動力性能に余裕があり、高速道路などを頻繁に使うニーズにはこちらが適している。力強く張り出した樹脂製のオーバーフェンダー、サイドアンダーガーニッシュによってクロカンSUVらしいタフな印象がさらに強調されているのもセールスポイントだ。
機械式副変速機付きパートタイム4WDを採用。路面状況に合わせ2WDと4WDを任意に切り替えて走行できるというのは、ジムニーと同様に他車に対する大きな優位点と言えるだろう。
新開発1.5Lエンジンは、出力、トルクともに十分なパフォーマンスを持ち、軽量かつコンパクトで燃費性能も良好。急な登坂路や高速道路でも余裕を持って走行することが可能だ。
シエラのライバルとして国内はもちろん輸入車も視野に入る
ジムニー同様、悪路走破性でシエラに比肩するモデルは同クラスに存在しない。しかし、日常的な用途を加味したうえで悪路もこなせるという条件を考慮すると競合になり得るモデルがピックアップできる。とくにスズキ製のSUVは、同門ではあるが格好のライバルとなるだろう。
スズキ クロスビー
小型のクロスオーバーSUVだが、4WD仕様には路面状況の変化に応じて適切な駆動力配分を行う、ビスカスカップリング式の4WDシステムが採用されている。
スズキ エスクード
2代目まではラダーフレームを採用していたこともあり、オフロード志向は現行型でも色濃く残っている。小型で取りまわしがしやすいのも大きな魅力といえる。
スズキ SX4 S-クロス
海外で生産し、日本に輸入されているモデルとあって独特の個性を放つ。スズキ独自の4WDシステム「ALLGRIP」が採用され、悪路走行も難なくこなせる。
ジープ レネゲード
ラングラーは走破性能こそ同等だが、価格が400万円を超える。レネゲードはジープらしい無骨さを持ち、4WD仕様は悪路走破性も高く好敵手と言える存在だ。
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