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【年に一度のサソリの祭典】アバルトデイズ2020 万全のコロナ対策のなか開催 595スコルピオーネオーロを日本初公開

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【年に一度のサソリの祭典】アバルトデイズ2020 万全のコロナ対策のなか開催 595スコルピオーネオーロを日本初公開

ウイズコロナ時代のアバルトデイズ

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】アバルトデイズ2020【イベント・レポート】 全35枚

年に一度のサソリの祭典であるアバルトデイズは、オーナーにとって欠かせぬイベントとして親しまれてきた。

コロナ禍の影響で数多くのイベントが中止される中、常にチャレンジ精神を貫いてきたアバルトは粋な決断を下す。ウイズコロナ時代の新たな内容で、11月7日に大磯ロングビーチで開催することを決定したのである。

ウイズコロナ時代のお約束として密は避けたい。そこで今年のコンセプトとされたのが「ソーシャルディスタンス・イン・ザ・カー」。ひとつの場所に多くの人を集められないため、参加は250台限定(非オーナー含む)とされ、抽選で選ばれることになった。

そこで新たに採用されたのがドライブイン・シアター方式だった。これまではステージ前に参加者が集まってプログラムを楽しんだのだが、これでは密が発生してしまう。

そこで参加者はクルマの中からウインドウ越しにアトラクションを見て、音声はFM波で流され車内のオーディオで聞くという方式が採用された。

ここ大磯ロングビーチには、かつてドライブイン・シアターがあっただけに、時を経て復活したことになる。

ランチは受け付けの際にイタリアンのランチボックスが渡され雰囲気を盛り上げてくれる。他の人と接することなく車内や、相模湾を望む広大なパーキングでランチを愉しんだ。

またウイズコロナ時代の新たな試みとして「スタンプツーリング」が行われた。会場で密を作らないために、会場までの途中にある「道の駅」や「サービスエリア」のスタンプをひとつ押し、愛車と一緒に撮影した写真をSNSに投稿するもの。受付の際に確認できるとアバルトグッズがプレゼントされるという工夫がなされた。

クルマから降りて会場に並んだアバルト達を撮影することは、マスクを着けソーシャル・ディスタンスを保てばもちろん可能となっている。屋内のクラシック・アバルトを展示した「アバルト・ミュージアム」や、オフィシャルグッズを販売する「アバルト・コレクション・ショップ」は入場人数を制限して密を避けていた。

このようにすべての面で徹底的な感染予防策が施されて開催したのは、アバルトのオーナーに対するサポートを大事と考えの表れといえる。

アバルト595 スコルピオーネオーロ日本初公開

これまでのアバルトデイズでは注目の限定モデルが披露されてきたが、今年はデビュー間もない魅力的なアバルト595スコルピオーネオーロが姿を現した。

発表セレモニーは、イリュージョニストのセロさんの動画に始まる演出により、多数の風船と火炎が放たれるなかセロさんと共に登場した。

595スコルピオーネオーロは、595ツーリズモをベースにブラックのボディカラーにゴールドのアクセントが特徴だ。これまでのアバルトにない、ファッション感度の高い方に向けた限定車である。

このカラー・コンビネーションは1979年に登場した限定車の「アウトビアンキA112アバルト・タルガ・オーロ」から受け継いだもの。シックでありながら派手さを併せ持つイメージを、現代的に解釈してスコルピオーネオーロに再現された。

ゴールドのアクセントはウエストラインを一周するストライプ、ボンネット上のサソリ、ボディサイドのABARTHレタリング、リアのバッジ、17インチ14スポークの専用ホイールに施される。

注目したいのはルーフのチェッカー・マーキングだ。ブラックのボディにマットブラックのマーキングという、アバルトらしい粋なドレスアップである。

インテリアも特別装備で仕立て上げられている。スポーツシートのヘッドレスト部分には刺繍で「SCORPIONEORO」のロゴがゴールドの刺繍で入れられ、シートのセンター部分は、スコーピオンのロゴをモチーフにしたカモフラージュ柄とされた専用品。

限定車であることを示すプレートが、フロアコンソールに取り付けられプレミアム感を盛り上げている。

日本には5段マニュアル車の左と右ハンドルが各60台ずつ、2ペダルのMTAは左と右ハンドルそれぞれ40台の、合計200台が用意される。価格は5段マニュアルが368万円、MTAは379万円(いれも税込み)で、右ハンドルと左ハンドルで価格は変わらない。

初回分の50台はウェブ限定での販売となる。11月7日から21日まで先行予約受付が行われ、抽選で幸運な50名が選ばれるという。

アバルト・ミュージアムで歴史を体感

アバルトの華麗な歴史を実際に目にできるまたとない機会がアバルト・ミュージアムだ。アバルトデイズのかかせぬ存在として今年も盛大に開かれた。

今回のニュースはカルロ・アバルトがアバルト社設立前に関与したチシタリア202が姿を見せたことだ。

まさにアバルトの紀元前といえる1947年に誕生したモデルで、ピニンファリーナの手によるモダンで流麗なスタイルは、今も高い評価を得ている。

また1951年にニューヨーク近代美術館(MoMA)による、現代の造形を代表する優秀なデザイン8作品に選ばれ、「動く彫刻」として永久展示されていることも忘れられない

屋内の展示スペースには、1958年にデビューしたフィアット・アバルト850レコード・モンツァ・ザガートからフィアット・アバルト1000ビアルベーロはショートノーズとロングノーズの両タイプが揃い、レーシングスポーツのフィアット・アバルト1000SPというアバルト代表するレーシング・モデルが並べられた。

このほか屋外にはフィアット600をベースにするTC系は1963年のフィアット・アバルト850TCニュルブルクリンクと、究極のアバルトである1000TCラディアーレ・ベルリーナ・コルサが2台参加。

チンクエチェントをベースとするフィアット・アバルト595は前開きドアの初期型と、最強モデルのフィアット・アバルト696アセットコルサが仲良く並び、現行のアバルトに乗るオーナーたちの注目を集めていた。

近代のモデルではフィアット・アバルト124ラリーとフィアット131アバルト・ラリー、ランチア・ラリーと、アバルトが手掛けた最強のラリーカーが並んだ。

アバルトファンにとっては憧れのモデルだけに、終日人波が途切れることは無かった。

多彩なアトラクションを用意

ステージ上では参加者を楽しませる様々なアトラクションが用意された。

オープニング・セレモニーに続き、華麗な演出とともに姿を現したアバルト595スコルピオーネオーロの日本初公開で会場は大きく盛り上がった。

続いてプロ・ドリフトドライバーでアバルト・ドライビング・アカデミー(ADA)の講師を務める石川紗織さんと、プロ・レーシングドライバーでADA講師の蘇武喜和氏によるトークショーが行われた。進行はモータージャーナリストの嶋田智之氏が務め、アバルトの各モデルにまつわるドライビング特性の解説や乗り方は、オーナーの参考になったはずだ。

アバルト595スコルピオーネオーロの発表を盛り上げてくれたイリュージョニストのセロさんは、待望のパフォーマンスを披露。

アバルトのマーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセさんと共に、華麗なイリュージョンで会場を沸かせた。

いつもなら拍手で称えるのだが今回はインカーのため、ヘッドランプをパッシングさせて代用することに。それを象徴したのがエンディング・セレモニー。ティツィアナさんの合図にあわせてパッシングとホーン、最後は空吹かしでアバルト・サウンドの一本締めが行なわれて幕を閉じた。

また、アバルト124スパイダーが本年を持って販売が終了されることが発表され、その最後の1台がチャリティ・オークションに出品されることが告げられた。これはアバルトが長年サポートしている認定NPO法人シャイン・オン!キッズへの募金を目的としたものである。

用意されるアバルト124スパイダーには、イタリア本社のチェントロスティーレが製作したワンオフの専用バッジと、これまたワンオフで描かれたレンダリングが付属する。

オークションは11月29日(日)に締め切られる。詳細についてはアバルトHPを参照されたい。

感染防止の影響で制限はあったものの、オーナーたちは久しぶりにアバルトの世界を存分に楽しんで満足げな表情で帰途についていった。

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