現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜトヨタ「ランクル」は3タイプも用意? 最上級「豪華モデル」からめちゃ“タフ仕様”まで展開 バリエーションが増えた理由とは

ここから本文です

なぜトヨタ「ランクル」は3タイプも用意? 最上級「豪華モデル」からめちゃ“タフ仕様”まで展開 バリエーションが増えた理由とは

掲載 更新 4
なぜトヨタ「ランクル」は3タイプも用意? 最上級「豪華モデル」からめちゃ“タフ仕様”まで展開 バリエーションが増えた理由とは

■なぜ「ランドクルーザー」種類が多い?

 初代モデルが1951年に誕生した、トヨタで最も長い歴史を誇る「ランドクルーザー」。
 
 現在は「300」シリーズ、「250」シリーズ、「70」シリーズの3モデルが発売されています。

【画像】超カッコイイ! これが「新型ランドクルーザー」です! 画像を見る

 その3つのシリーズには、それぞれ強い個性があります。

 2021年に発売となった300シリーズは、豪華で高級なランドクルーザーであり、3つのシリーズの中では「ステーションワゴン」と呼ばれています。

 250シリーズは生活と実用のためのランドクルーザーで、「ライトデューティー」と呼ばれます。先代までは「ランドクルーザー プラド」と名乗っていました。

 そして70シリーズは、業務や過酷な環境でもへこたれない堅牢なランドクルーザーで、「ヘビーデューティー」と呼ばれます。

 では、なぜ「ランドクルーザー」には3つのシリーズが存在するのでしょうか。

 それは、今年で73年にもなるランドクルーザーの“歴史”を知れば理解できるはずです。

 最初のランドクルーザーは、ひとつのモデルでした。

 初代モデルは1951年に誕生した「BJ」型で、ヘビーデューティーの70シリーズの元祖となります。このモデルは当時の警察予備軍(現在の自衛隊)に向けて開発されました。

 当時の写真を見ればわかると思いますが、軍用車として使えるような非常に武骨な4輪駆動車だったのです。

 警察予備軍向けに開発されましたが、実際には採用されませんでした。そのかわりに、民間向けとして1953年より生産を開始し、正式にランドクルーザーと名乗るようになります。

 その初代の発展形として、1995年に2代目の通称「20系」が登場。1960年には3代目の通称「40系」に世代交代します。

 ここまでのランドクルーザーは、警察や消防などの“業務使用”がメインであり、まさにヘビーデューティーそのものという存在でした。ある意味、特殊なクルマです。

 ところが、そんな特殊なランドクルーザーを、アメリカやオーストラリアでは、狩猟や釣りなどのレジャーにも使うようになっていたのです。

 そこでトヨタは、そうしたレジャー向けとして、1967年に派生モデル「ランドクルーザー・ライトバン」を発売します。

 ヘビーデューティーの車体をベースにしながらも、乗用車並みの装備と乗り心地、そして広い荷室を実現することで、今の300シリーズに続くステーションワゴンが生まれました。

 一方、当時としても、ヘビーデューティーのニーズは依然大きかったので、40系は当然のように継続販売されています。この時点でランドクルーザーは2つのシリーズを持つモデルとなります。

■2つの「ランクル」から3つの「ランクル」へ…

 その後、1984年になるとヘビーデューティーは4代目の70シリーズに世代交代を果たします。

 70シリーズのデビュー翌年となる1985年には、トヨタは「ランドクルーザー ワゴン」を追加します。

 70系のショートボディをベースに、より快適性を高め、外観は軽快感あるものとしたモデルです。

 その狙いは、1980年代のレジャーユースの増加に応えようというもの。街中での使い勝手を高め、より乗用車的に使えるスタイリッシュな4輪駆動車。これが、今に続くライトデューティーの発端となります。

 つまり、1950年代にヘビーデューティーのみで生まれたランドクルーザーですが、1960年代にレジャー向けとしてステーションワゴンを追加し、1980年代になってさらに街乗りも見据えたライトデューティーを加えたのです。

 もとは1つのモデルが3つのシリーズに分化したのは、時代時代のニーズに応えてきたというのが理由と言えるでしょう。

 そうして3つになったランドクルーザーのうち、ライトデューティーは、1990年よりランドクルーザー プラドと名乗るようになり、より乗用車的なイメージが与えられることになります。ちなみに、当時のライバルは三菱自動車の「パジェロ」でした。

 そんなランドクルーザー プラドは代を重ねるほどに、より豪華で高級なクルマに進化していきます。気が付けば、ステーションワゴンと遜色ないほどになってしまっていたのです。

 そこを是正したのが新しい250シリーズです。

 250シリーズは、より生活実用を目指して、質実剛健なランドクルーザーの伝統を感じさせるアクティブなルックスとなりました。ここで名称を変えたのは、“プラド”という名前に高級なイメージが強く刻まれていたからではないでしょうか。

 また、3つあるシリーズのうち、ひとつだけプラドというペットネームを使う違和感を消し去りたいという考えもあったはずです。

 そうした250シリーズの路線変更もあり、現在のランドクルーザーは、ステーションワゴン、ライトデューティー、ヘビーデューティーという3つの流れと個性の違いが鮮明になっています。

「豪華で高級」な300、「普通に使う」250、「ハードな使用に耐える」70というわけです。ユーザーとしては、今では買うときに迷わずに済むシリーズ化がなされたのではないでしょうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

スバルのフラッグシップSUVが一部改良!『レガシィ アウトバック』に「黒い」特別仕様車も
スバルのフラッグシップSUVが一部改良!『レガシィ アウトバック』に「黒い」特別仕様車も
レスポンス
「アウトドアの三菱」を感じる晩夏の祭典「スターキャンプ2024」9/6-8開催
「アウトドアの三菱」を感じる晩夏の祭典「スターキャンプ2024」9/6-8開催
ベストカーWeb
バイクもコーヒーも「オイル」が命!? バイク乗りのコーヒー屋デイドリップ通信VOL.6
バイクもコーヒーも「オイル」が命!? バイク乗りのコーヒー屋デイドリップ通信VOL.6
バイクのニュース
斬新「“2階建て”N-BOX」公開に反響多数! 3.4m級でも「4人寝られる」仕様に「便利すぎる」声も! ホワイトハウスの新モデル登場
斬新「“2階建て”N-BOX」公開に反響多数! 3.4m級でも「4人寝られる」仕様に「便利すぎる」声も! ホワイトハウスの新モデル登場
くるまのニュース
西鉄バス、完全キャッシュレスで実証運行を予定…定時制確保などに期待
西鉄バス、完全キャッシュレスで実証運行を予定…定時制確保などに期待
レスポンス
日本独自の「おもてなし文化」タクシーの自動ドア! かつてのセダンタイプでは「開閉練習」をするほど熟練の技が必要だった
日本独自の「おもてなし文化」タクシーの自動ドア! かつてのセダンタイプでは「開閉練習」をするほど熟練の技が必要だった
WEB CARTOP
ジェラートホワイト/ルジアーダグリーンのボディカラーを纏ったフィアット500Cの限定モデルが登場
ジェラートホワイト/ルジアーダグリーンのボディカラーを纏ったフィアット500Cの限定モデルが登場
カー・アンド・ドライバー
【新型ヴァンキッシュ登場!】新開発835馬力V12を搭載した「アストンマーティン ヴァンキッシュ」は純粋主義ガソリンヘッドのための1台
【新型ヴァンキッシュ登場!】新開発835馬力V12を搭載した「アストンマーティン ヴァンキッシュ」は純粋主義ガソリンヘッドのための1台
AutoBild Japan
トヨタ最新「ヤリスクロス」は“ちょっと大きい”!? まるで「ミニRAV4」なニューモデル実車公開! 全長4.3m×上質内装の「プチ高級仕様」泰で披露!
トヨタ最新「ヤリスクロス」は“ちょっと大きい”!? まるで「ミニRAV4」なニューモデル実車公開! 全長4.3m×上質内装の「プチ高級仕様」泰で披露!
くるまのニュース
「カスタムバイクを思わせるルックス」がカッコいい! 世界最古のバイクメーカーが放つ「ショットガン650」は“ボバー”スタイルが新鮮です
「カスタムバイクを思わせるルックス」がカッコいい! 世界最古のバイクメーカーが放つ「ショットガン650」は“ボバー”スタイルが新鮮です
VAGUE
国道246号「通行止め」解除へ! 伊勢原~秦野の「新善波トンネル土砂崩れ」わずか10日で「爆速復旧」 “徹夜工事”の成果で9日から開放 神奈川
国道246号「通行止め」解除へ! 伊勢原~秦野の「新善波トンネル土砂崩れ」わずか10日で「爆速復旧」 “徹夜工事”の成果で9日から開放 神奈川
くるまのニュース
ヤマハ「RZ250R」歴代モデルそれぞれの特徴は? 2ストに造詣の深い後藤武さんが徹底解説 Vol.2
ヤマハ「RZ250R」歴代モデルそれぞれの特徴は? 2ストに造詣の深い後藤武さんが徹底解説 Vol.2
バイクのニュース
エンジンオイルの適温は100~115度! オイルクーラー不要な車の見極め方~カスタムHOW TO~
エンジンオイルの適温は100~115度! オイルクーラー不要な車の見極め方~カスタムHOW TO~
レスポンス
トヨタ、BEV向け次世代電池と全固体電池の開発・生産計画が経産省プロジェクトに認定
トヨタ、BEV向け次世代電池と全固体電池の開発・生産計画が経産省プロジェクトに認定
レスポンス
【10年ひと昔の新車】2012年、日本導入が間近なBMWの最新モデルをまとめて試乗してみた
【10年ひと昔の新車】2012年、日本導入が間近なBMWの最新モデルをまとめて試乗してみた
Webモーターマガジン
佐藤琢磨選手が『NHKアカデミア』のオンライン公開収録を実施。9月29日まで参加者募集中
佐藤琢磨選手が『NHKアカデミア』のオンライン公開収録を実施。9月29日まで参加者募集中
カー・アンド・ドライバー
激レア仕様「アバルト695」がかすむ!?ぶっちゃけすぎる社長に井戸田潤「扱いが困る(笑)」
激レア仕様「アバルト695」がかすむ!?ぶっちゃけすぎる社長に井戸田潤「扱いが困る(笑)」
グーネット
日産の新型「“ラージ”バン」初公開! もはや「次期エルグランド!?」な“堂々マスク”がカッコイイ! 広大「寝床スッポリ」搭載の新型「インタースター」ドイツで発表
日産の新型「“ラージ”バン」初公開! もはや「次期エルグランド!?」な“堂々マスク”がカッコイイ! 広大「寝床スッポリ」搭載の新型「インタースター」ドイツで発表
くるまのニュース

みんなのコメント

4件
  • *******
    これはメーカーの見解ですか?
  • ms
    日本でランクルの機能が必要なことってそうない。
    手持ち無沙汰になるよな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

339.1495.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

47.9637.9万円

中古車を検索
パジェロの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

339.1495.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

47.9637.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村