初代C-HRが2016年に登場時も未来的なデザインは見る人を驚かせた。しかし2023年6月にヨーロッパで登場となった2代目はより攻めたデザインに!!! まるでコンセプトカーがそのまま登場したみたい。そこから見えるトヨタの未来とは?
※本稿は2024年2月のものです
文/木村好宏、試乗/トーマス・ガイガー(キムラ・オフィス)、写真/ドイツ・トヨタ
初出:『ベストカー』2024年3月10日号
攻めすぎデザインがカッコよすぎ!! 結局日本に来るのか!? 新型C-HR乗って分かった衝撃の実力
■「どこにでもあるクルマ」というイメージからの脱却
カタログ上の性能は0-100km/hが9.9秒、最高速度は170km/hをマークする
これまでヨーロッパ、特に最大の市場を持っているドイツでのトヨタのイメージは「ブレッド&バター・カー」。
言い換えれば「どこにでも転がっているような普通のクルマ」だった。ゆえにアウディやBMWそしてベンツやVWを擁するこの国でのシェアは2%台と低迷していた。
ところがここ数年の間に「エモーションの喚起」というキーワードのもとに「86」や「スープラ」を送り出し、売り上げは徐々に改善、3%台へ上昇してきた。
このポジティブな傾向に貢献したのが2016年に登場したC-HRである。クーペハイライダーと名付けられたアバンギャルドなクロスオーバーモデルは発売以来ドイツでは毎年1万台以上、2023年までに欧州で84万台以上が出荷されている。
そしてこの好評価を受けて第二世代が登場した。これまでどおりトルコで生産される新しいC-HRのデザインは南仏ニースにあるトヨタのデザインスタジオ、ED2で完成された。
鋭いエッジの利いた平面で構成されるボディは先代と変わらないサイズで、相変わらず非常に斬新だがプリウスの影響を受けたフロントなどにやや大人びた成長を感じる。
■洗練されたデザインにスムーズで安定した乗り心地
日本での発売も期待される新型C-HRだが、2024年1月中旬時点ではその情報は伝わっていない
試乗した車両は98psを発生する1.8L・4気筒エンジンと95psのモーターを組み合わせたハイブリッド(HEV)で、システム出力は140psを発生する。
アイポイントの高めなドライバーシートに座ると正面に12インチのフルデジタルメーター、ダッシュボードには同じ12インチのインフォテイメント・スクリーンが目に入る。
アナログスイッチも残されて操作系は整理されており使いやすさに問題はない。一方、CO2を半減した素材を使用しているインテリアの仕上げや触感はこの価格帯の水準を超えている。
4気筒独特のサウンドと振動を感じながらスタートするが、エレクトリカルロスを大幅に低減し第5世代目となったトヨタハイブリッドシステムは非常にスムーズで力強い加速を見せる。
かつてのゴムバンドを引っ張るような感触は消えていると同時にICEと電気モーターとの協調はもはや向かうところ敵なし。動力源が2基存在することを感じさせないHEVの規範的なドライブを約束する。
試乗車はオプションの19インチタイヤを装着していたが路面状況やスピード、ブレーキング時など全域に渡ってボディの動きは安定しており、乗り心地もよかった。
■HEVのほかPHEVも用意
システム出力140psを発生するエントリーモデルの1.8Lハイブリッド搭載車に試乗
峠道でもステアリングはシャープ。路面からのフィードバックも確かでスポーティで軽快なハンドリングを楽しめた。
140psのシステム出力は決して余裕のある数字ではないが通常のドライブでは必要にして充分なパワーだ。モアパワーを望むドライバーには198psの2L・HEV、さらには223psのPHEVも用意されている。
すべての意味で洗練成長したニューC-HRはドイツでは1月から販売開始。注目の価格は1.8Lのエントリーモデルが3万4990ユーロ(約560万円)と発表されている。
■ヨーロッパでのトヨタ車の評価は?
ここ数年「エモーションの喚起」というスローガンを掲げている欧州トヨタの販売台数は年々増加しており、最新の情報では2023年1~9月の総販売台数は約86万台で前年同期の6%増。シェアは6.6%に達している。(木村好宏)
●トヨタC-HR 主要諸元
・全長×全幅×全高:4360×1830×1570mm
・ホイールベース:2640mm
・車両重量:1420~1460kg
・エンジン:直4DOHC+モーター
・総排気量:1798cc
・エンジン最高出力:98ps/5200rpm
・エンジン最大トルク:14.5kgm/3600rpm
・モーター最高出力:95ps
・システム出力:140ps
・タイヤサイズ:225/50R19(オプション)
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みんなのコメント
このケロケロ感が素晴らしい。