事前情報の通り、ロサンゼルスオートショーで発表される新型モデルは豊富だ。ポルシェ911やマツダ3といった新世代を示すフルモデルチェンジがおおいに話題を集めている。そうした中、日本市場からも熱い視線を集めているのは、トヨタ・プリウスのマイナーチェンジだろう。いわゆるフェイスリフトを実施したプリウスは、従来からのイメージは受け継ぎつつ、新しい姿を提示している。
しかし、それ以上に気になるのはロサンゼルスで発表された新しいプリウスに「AWD-e」と名付けられた電動の四輪駆動システム採用されるという発表だ。しかも、この「AWD-e」システムの紹介においては『トヨタ初のマグネット・レスモーターを採用』という表現が使われている。従来のプリウスに用意される「E-Four」とは異なる次世代モーターが採用されていることをうかがわせる。
ハイブリッドカーやEV、FCVといった電動車両においてモーターのコストダウンというのは大きなテーマで、中でもレアアースなどを多用する永久磁石については生産性のリスク回避も含めて重要なファクターだ。レアアースの使用量を減らしたり、比較的入手しやすい希土類を使ったりする技術開発が各社で進められている。そうした駆動用モーターについて、ついにトヨタが「マグネット・レス」を市販車に搭載、しかもそれが量販モデルのプリウスであるというのだからマイナーチェンジというだけで見落としてしまうわけにはいかない情報だ。
新しいプリウスが採用するマグネット・レスモーターについての詳細な情報は現時点では未発表のようだが、永久磁石を使わない自動車用マグネット・レスモーターとしては、テスラ社が採用している誘導(インダクション)モーターが有名。一方で、新しいプリウスは「AWD-e」モデルであっても、さほどラゲッジスペースに影響を受けていないという発表からすると、後輪用モーターは小型に収められていると予想できる。そうした側面からいうとリラクタンスモーターの可能性も否定できない。また、前輪駆動グレードはリチウムイオン電池を使うが、「AWD-e」グレードでは寒さに強い、新開発のニッケル水素電池を用いるという発表も興味深いところだ。
いずれにしても、トヨタがマグネット・レスモーターを採用したということは、今後の展開を考えればビッグニュースである。いきなり、すべてのハイブリッドカーがマグネット・レスモーターを採用するというわけではなく、適材適所となるだろうが、レアアースへのリスクヘッジとしてが、また一歩進んだことは間違いない。
文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト
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