F1第10戦オーストリアGPのスプリント・シュートアウトは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがトップタイムをマーク。現地時間のこの日午後に行なわれるF1スプリントのポールポジションを手にした。
今季2度目のスプリント開催となる今回のオーストリアGP。土曜日はスプリント・シュートアウトでF1スプリントのスターティンググリッドを決定する。
■“コース外”の基準は白線から縁石にすべき? トラックリミット違反連発のF1オーストリアGP予選終えたドライバー達から規則見直しを提案する声
なお、スプリント・シュートアウトは前回の実施を経てタイヤ規則が微調整。ドライコンディションではSQ1とSQ2は新品ミディアム、SQ3は新品ソフトタイヤそれぞれ1セットで戦う義務があったが、今回からSQ3は中古ソフトタイヤの使用が許可されている。
しかしながら今回のシュートアウトは心配されていた雨こそ落ちていないものの、路面にはウエットパッチが残ったこともあってウエットトラック宣言がなされた。これにより、タイヤの使用制限は適用されなくなった。
走行ライン上はほぼ乾いており、気温16度、路面温度21度という金曜日とは大きく異なるコンディションで12分間のSQ1がスタート。インターミディエイトタイヤで様子見するマシンもいたが、多くのマシンがソフトタイヤを履いた。一方でパフォーマンス的に余裕があるフェルスタッペンを含め、数台がミディアムタイヤをチョイスした。
路面コンディションの改善が大きいこともあって、各車コース上で周回を重ね少しずつタイムを上げていく。一方で金曜日の予選と同じように、このセッションでもターン9、ターン10でのトラックリミット違反によるタイム抹消が相次ぎ、タイムシートは目まぐるしく入れ替わっていった。
最終的にSQ1トップは、フェラーリのカルロス・サインツJr.。セッション序盤にブレーキ・バイ・ワイヤのトラブルを訴えガレージに留まっていたサインツJr.だったが、残り2分を切ってコースインし、タイムを出すことができた。セッション終盤にユーズドのソフトに履き替えたフェルスタッペンが2番手となっている。
ここでノックアウトとなったのは周冠宇(アルファロメオ)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)が敗退。ハミルトンはトラックリミット違反でタイム抹消を受け、ノックアウトとなった。
続く10分間のSQ2は、残りタイヤセット数の関係で多くのマシンがまずユーズドのソフトタイヤでコースイン。またメルセデスのジョージ・ラッセルには油圧系のトラブルが発生。フロントバルクヘッド周辺でクルーが慌ただしく作業をしており、コースインできない状態が続いた。
セッション前半はフェルスタッペンが首位、セルジオ・ペレスが2番手とレッドブルがワンツーとなっていたが、後半になると新品のソフトに履き替えたエステバン・オコン(アルピーヌ)がトップに浮上した。
だが結局このSQ2を首位で終えたのは、新品ソフトタイヤを使わず、セッション終盤のアタックでタイムを更新したフェルスタッペン。僅差でサインツJr.が続いた。
ここでノックアウトされたのは、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、角田裕毅とニック・デ・フリーズのアルファタウリ勢。角田はトラックリミット違反でタイム抹消を受けた格好だ。またラッセルは結局コースインできず、ノータイムでSQ2を終えた。
8分間のSQ3はサインツJr.がミディアムタイヤ、ペレスがユーズドのソフトタイヤを履いて走り出す中、フェルスタッペンは新品のソフトタイヤでコースイン。1分4秒613のタイムをマークしトップ。新品ソフトで2番手につけたランド・ノリス(マクラーレン)に0.397秒の大差をつけた。
新品のソフトタイヤを1セット残していたルクレールは、他のマシンとタイミングをずらしてアタックへ。しかしフェルスタッペンから0.667秒遅れの5番手と伸び悩んだ。
ウエットトラック宣言によってタイヤ使用制限がなくなった結果、SQ3までに新品ソフトタイヤを残す余裕がないドライバーも多かった。しかし、このSQ3で2セットの新品ソフトタイヤを投入する盤石の態勢を整えたフェルスタッペンは、ラストアタックで1分4秒440までタイムアップ。金曜日の予選に続いて最速となった。
2番手には0.493秒差ながらペレスが続き、レッドブルがワンツー。3番手にノリスが続いた。
そして4番手には、ミディアムタイヤで好タイムをマークしたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がフェラーリ勢やアストンマーチン勢を抑えて食い込んでいる。
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