三菱自動車は2022年10月19日、ベトナムのホーチミン市においてコンパクトSUVのコンセプトカー「XFCコンセプト(XFC CONCEPT)」を世界初披露し、さらに10月26日から30日まで開催されるベトナムモーターショー2022に参考出品すると発表した。
三菱自動車は現在、アセアン市場向けにピックアップトラックの「トライトン」と同車派生のミッドサイズSUVの「パジェロスポーツ」、ミッドサイズSUVの「アウトランダー」および「アウトランダーPHEV」、クロスオーバーMPVの「エクスパンダー」および「エクスパンダー クロス」、コンパクトハッチバックの「ミラージュ」と同セダンの「アトラージュ」など幅広いラインアップを用意し、地域ごとに最適な商品を展開している。今回発表した「XFCコンセプト」は、アセアンの現行ラインアップにない待望のコンパクトSUVに位置している。
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XFCコンセプトの特徴を解説していこう。
車両コンセプトは「Best suited buddy for an exciting life(毎日を愉しく過ごすことができる頼もしい相棒)」。SUVらしい力強く堂々としたデザイン、運転のしやすさや十分なラゲッジルームといった実用性、クラストップレベルの居住空間による快適性、荒れた路面や激しい降雨に起因する冠水路でも安心・安全の走破性を実現した、新世代のコンパクトSUVに仕立てている。
エクステリアは三菱自動車のデザインフィロソフィーである“Robust&Ingenious”のもと、コンパクトでありながらSUVらしい力強く堂々とした佇まいと、フロントのスリーダイヤから始まり、サイド、リアへと流れるように続くスリークなサーフェイスを融合させ、アセアン地域の都会に似合うスタイリッシュでスポーティな造形を創出。一方で、しっかりと確保した最低地上高と大径タイヤによって悪路走破性を高め、アウトドアシーンでも存在感を発揮する本格的なSUVスタイルを具現化した。
進化した“ダイナミックシールド”のフロントマスクも要注目。ヘッドライトユニットは上部のL字型のLEDヘッドライトと下部のスリット状のデイタイムランニングランプを一体化してT字型に発光させるアイコニックなデザインとして、ワイド感を強調する。また、ボディサイドは張りのある豊かな面構成とし、彫刻的な前後フェンダーアーチやキャラクターラインを配して、SUVらしい力強さや躍動感を表現。さらに、リアセクションはフロントと同形状のT字型のテールランプに、抑揚のあるラインで力感のあるゲートパネル面およびバンパーを採用して、印象的かつ安定感のある後ろ姿を実現した。
内装については、SUVとして重要な運転のしやすさや居住性の高さにこだわってデザインする。インストルメントパネルには水平基調のデザインを採用。前方の視認性を高めるとともに、悪路走行時の車体姿勢の変化をつかみやすくするようアレンジする。また、インストルメントパネルからドアトリムまでつながるダイナミックな形状とし、さらにソフト素材で巻いたパッドを連続させることで、包まれ感や守られ感など、安心で快適なインテリアを追求した。
機能性の面では、フル液晶ドライバーディスプレイとセンターディスプレイを一体化した大型パネルを配備した点がトピック。ナビゲーションや路面状況など運転に必要な情報を3画面で表示することで、先進性を表現しながら、安心で快適な運転環境を提供する。さらに、実用的で使いやすいラゲッジルームも確保した。
キャビンスペース自体は、コンパクトSUVながら広々とした室内空間を創出。とくに後席ではゆとりある足もとスペースなど、クラストップレベルの快適性を実現する。また、滑りやすい路面で車両を安定させる制御や上質な乗り心地が味わえるシャシーのセッティングによって、乗る人すべてが快適に過ごせる移動空間を具現化した。
走行面に関しては、最低地上高をしっかりと確保したうえで、NORMAL(ノーマル)/WET(ウェット)/GRAVEL(グラベル)/MUD(マッド)という4つのドライブモードを設定して、様々な天候や路面でも安心・安全にドライブできる性能を確保。三菱車で初採用となるWETモードでは、アセアンでの使い方を熟慮して、スコールによる冠水路でも安心して走行できるようにセッティングした。
なお、三菱自動車の加藤隆雄社長は「新型コンパクトSUVは2023年度にベトナムを含むアセアン各国に順次投入していく。将来的には電動車の追加や、アセアン以外の地域にも展開する計画であり、アセアン戦略車から世界戦略車となり当社の販売を牽引するクロスオーバーMPV『エクスパンダー』のような主力車種に育てていきたい」とコメントしている。
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