5月27日、2023年FIA F2第6戦のスプリントレース(決勝レース1)が、モナコのモンテカルロ市街地コースで開催され、2番グリッドからスタートしたレッドブル&ホンダ育成の岩佐歩夢(ダムス)が今季3勝目、FIA F2通算5勝目を飾り、ドライバーズランキングトップに返り咲いた。
第6戦決勝レース1のグリッドは、26日に2グループに分かれて行われた予選結果並びに、それぞれのグループの上位5台がリバースグリッドとなり、予選Aグループで5番手タイムを記録したレッドブル育成のアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト)がポールシッターとなった。
岩佐歩夢「ドライビングの分析が必要」ダルバラ「SC後にパンクの警告が」/FIA F2第6戦 レース1会見
2番グリッドに予選Bグループで5番手タイムを記録した岩佐、3番グリッドに元レッドブル育成のユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)、4番グリッドにレッドブル育成のジャック・クロフォード(ハイテック・パルスエイト)が続いた。
直前の計測で気温24度、路面温度48度、タイヤ交換義務のない30周(もしくは45分+1周)の決勝レース1は、当初の予定から5分遅れの現地時間14時20分(日本時間21時20分)からのフォーメーションラップを経てスタートを迎えた。
抜きにくいモナコかつ、ピットストップ義務のないスプリントレースだけに、最大の注目ポイントとなったスタートからターン1への進入はポールスタートのハジャルがホールショットを守る。ターン1では目立ったアクシデントもなく、ハジャル、岩佐、ダルバラ、クロフォードのトップ4は変わらず。
ただ、そんなオープニングラップのターン10(ヌーベルシケイン)でクレモン・ノバラック(トライデント)がクッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)に追突。マイニはスピンを喫し、そこにロイ・ニッサニー(PHMレーシング・バイ・チャロウズ)が接触するかたちに。
さらに、このアクシデントでニッサニーの後方につけていたアーサー・ルクレール(ダムス)、デニス・ハウガー(MPモータースポーツ)がそのあおりを受け、それぞれピットインを余儀なくされたほか、ニッサニーとラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)はここでレースを終えることとなった。これでレースはバーチャル・セーフティカー(VSC)を経てセーフティカー(SC)が導入される。
レースは6周目に再開を迎えた。リスタートのターン1で岩佐がハジャルのインに飛び込みトップに浮上するが、その直後にハジャルがスローダウン。ハジャルは無線でマシントラブルを訴えると、翌周にピットに入り、そこでレースを終えた。
これで岩佐がラップリーダーに浮上。岩佐は翌7周目には2番手ダルバラをDRS圏外の1.5秒後ろまで引き離す走りでレースを支配し始める。また、3番手クロフォードのペースが上がらず、3番手以降後続は数珠繋ぎとなり、岩佐とダルバラの2台が隊列を徐々に引き離す展開に変わった。
7周目、8周目には岩佐がギャップを広げるも、ダルバラは10周目、11周目にペースアップ。岩佐とダルバラのギャップは縮まるが、その差は14周目時点で1.030秒。しかし、岩佐もペースをコントロールし、ダルバラをDRS圏内に近づけない。
レースも折り返しを迎えた15周目の時点で、2番手ダルバラと3番手クロフォードは6秒差まで広がり、優勝争いは岩佐とダルバラに絞り込まれる。そんな中、16周目にダルバラがついに岩佐のDRS圏内に入り、その差を一気に0.7秒まで縮める。
ただ、岩佐はそこから再びペースを上げ、ダルバラとのギャップを1.2秒まで広げる。それまでのプッシュが影響してか、19周目ごろよりダルバラのペースが1分25秒台まで下がり、2台の差は21周目には2.3秒まで広がる。
そんななか、22周目のターン5進入でファン・マヌエル・コレア(ファン・アメルスフォールト・レーシング)と接触したアムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)がマシンを止め、2度目のSCが導入されることに。これで岩佐とダルバラのギャップは一気に縮まることに。
レースは25周目に再開された。岩佐はダルバラに1秒のギャップを築いてターン1のホールショットを守る。一方、ダルバラの背後にはクロフォードが接近。ダルバラはタイヤの限界か、セクター2時点で岩佐が3.5秒のギャップを築く。
27周目、岩佐は4.6秒までギャップを広げ、勝利を固めにかかる。ダルバラは2番手を守ることに注力するが、ダルバラの背後にはクロフォード、リチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、ゼイン・マロニー(ロダン・カーリン)が接近し隙を伺うが順位は変わらず。
30周目を終え、岩佐歩夢が後続に6.6秒の大差を築く独走で今季3勝目、FIA F2通算5勝目を飾った。2位にダルバラ、3位にクロフォードが続いた。岩佐の勝利でモナコ・モンテカルロ市街地に君が代が流れると同時に、岩佐はドライバーズランキングでテオ・プルシェール(ARTグランプリ)に対し2ポイント差をつけ、ふたたびトップに浮上している。
続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は5月28日の現地時間9時40分(日本時間16時40分)から、タイヤ交換義務を有する周回数42周で争われる。9番手からスタートを迎える岩佐の走りに、引き続き期待したい。
■2023年FIA F2第6戦モンテカルロ
レース1正式結果
Pos.No.DriverTeamTime/Gap111岩佐歩夢ダムス46’39.03322J.ダルバラMPモータースポーツ6.67839J.クロフォードハイテック・パルスエイト8.335422R.フェルシュフォーファン・アメルスフォールト・レーシング8.82053Z.マロニーロダン・カーリン10.978614J.ドゥーハンインビクタ・ビルトゥジ・レーシング14.63576V.マルタンスARTグランプリ15.38985T.プルシェールARTグランプリ17.36997F.ベスティプレマ・レーシング18.411104E.フィッティパルディロダン・カーリン18.8011117B.ベナビデスPHMレーシング・バイ・チャロウズ20.5411220R.スタネトライデント21.3521324K.マイニカンポス・レーシング22.3951412A.ルクレールダムス22.962151D.ハウガーMPモータースポーツ25.0491623J.コレアファン・アメルスフォールト・レーシング29.3031721C.ノバラックトライデント38.434-8O.ベアマンプレマ・レーシングDNF-15A.コルデールインビクタ・ビルトゥジ・レーシングDNF-10I.ハジャルハイテック・パルスエイトDNF-16R.ニッサニーPHMレーシング・バイ・チャロウズDNF-25R.ボシュングカンポス・レーシングDNF
・ファステストラップ:ジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング) 1分22秒819(28/30) 145.053km/h
・ペナルティ:
CarNo.21 クレモン・ノバラック:5秒タイムペナルティ(ピットレーン速度違反)
CarNo.21 クレモン・ノバラック:10秒タイムペナルティ(1周目ターン10でのクッシュ・マイニに対する追突)
CarNo.23 ファン・マヌエル・コレア:10秒タイムペナルティ(22周目ターン5でのアムーリ・コルデールに対する接触)
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