現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > WRCモンテを制したトヨタ ヤリス、ドライバーのコメントに自信が漲る【モータースポーツ】

ここから本文です

WRCモンテを制したトヨタ ヤリス、ドライバーのコメントに自信が漲る【モータースポーツ】

掲載 更新
WRCモンテを制したトヨタ ヤリス、ドライバーのコメントに自信が漲る【モータースポーツ】

2021年1月21日−24日、2021年のWRC(世界ラリー選手権)開幕戦ラリー・モンテカルロが開催され、トヨタが1位、2位、4位に入った。ドライバー、コ・ドライバー、マニュファクチャラータイトルの3冠を狙うトヨタにとっては、幸先のいいスタートとなった。ラリー・モンテカルロをとおして、今年のWRCのポイントはどこにあるのか、探ってみよう。

チャンピオンに向けて、まずはトヨタが好スタート
ラリー・モンテカルロのデイ4を振り返ってみよう。デイ3が終了した時点で首位はセバスチャン・オジェ(トヨタ)、13秒差でエルフィン・エバンス(トヨタ)が2番手、56.8秒差でロバンペラが3番手と、ヤリスWRCがトップ3を占めていた。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

SSはフランス山中で2本のステージを各2回走行。最終日はサービスの設定がなく、早朝ステージに向かう時に装着、および搭載していたタイヤ以外は使用することができない。

まずデイ4オープニングステージのSS12では、オジェがベストタイムを記録。続くSS13ではエバンスが2番手タイム、オジェが3番手タイムでふたりの差は少し縮まったが、SS14でオジェはベストタイムを刻み差を28.1秒に拡大。そして、最終の「パワーステージ」でオジェが圧巻のベストタイムをマークして優勝を飾ることになった。

最後まで優勝を争ったエバンスは、パワーステージでは3番手タイムとなり、2位に終わった。一方、カッレ・ロバンペラ(トヨタ)はSS12でタイヤにダメージを受けて3位の座から脱落するも、パワーステージでは2番手タイムを記録して4位でフィニッシュした。

2021年シーズンよりパワーステージのポイント規則が変わり、選手に対してだけでなく、マニュファクチャラーに対してもボーナスの選手権ポイントが与えられることになり、チームは1−2フィニッシュに加え、パワーステージでもトップ3を占めて最大得点を獲得、マニュファクチャラー選手権でトップに立った。

WRCのトップクラスでは経験が重要となり、ドライバーによって得意不得意なコースが出てくるが、逆に言えば得意なイベントでしっかりとポイントを獲得することが重要となる。ラリー・モンテカルロはオジェが得意とするイベントで、戦前から優勝候補と目されていたが、しっかりと優勝を手にしたのは大きい。

2021年のWRCのポイントをあげるならば、タイヤがピレリのワンメイクになったこと。不慣れなタイヤでコースを攻めきれないと順位を落とすことになりかねない。タイヤへの理解を深めることがコース攻略の大きな要素となりそうだ。

そして、もうひとつが、新型コロナウイルスの影響により、イベントの開催が流動的なこと。しっかりとポイントを落とさないことも重要となる。

トミ・マキネンに替わり今季からチーム代表に就任したヤリ−マティ・ラトバラ代表は「チームを心から誇りに思います。チーム代表として初めて挑んだラリーでいきなり1、2、4フィニッシュを飾り、貴元も6位に入りました。しかも、パワーステージでは最大のポイントを獲得したのですから信じられません。本当に素晴らしいチームと最高のドライバーたちです。ラリー開始直後から彼らは速く、セバスチャンは他を圧倒するようなステージタイムを何度も記録し、勝利を得ました。エルフィンはとても安定した走りを続け、週末を通してミスをしませんでした。また、カッレはタイヤに不運なダメージを負って後退するまでは、表彰台争いに加わるチャンスがありました。それでも、総合4位は彼にとって良いスタートになったといえます。最高の形でシーズンをスタートすることができました」とコメント。ドライバーは次のように語っている。

セバスチャン・オジェ
「完璧な形でシーズンをスタートすることができました。私は子供の頃にこのラリーを見て、いつかはドライバーになりたいと夢見ていました。もし、ひとつだけ記録を残せるとしたら、間違いなくこのラリーを選ぶでしょう。私にとってはとても意味のあるものですし、だからこそ、表彰台ではとても感情的になってしまったのです。この週末、ヤリスWRCは素晴らしく、フィーリングはとても良かったです。もう1年現役を続けるというのは、正しい決断だったと思います。チームは素晴らしく、全員に心から感謝しています。今朝の最初のステージでは驚きました。グリップが目まぐるしく変化し、一部はまるでブラックアイスのようになっていたので読み切れませんでした。我々のグラベルクルーはスタートの2時間前にステージを通過していたのですが、その時は何もなく、ほんの少し霜が降りていただけだったので、実際に走ってみて本当に驚きました。リードを保つのは簡単ではありませんし、特にこのラリーではそうですが、我々はやり遂げることができました」

エルフィン・エバンス
「この週末を通してそうだったように、最終日も非常に難しいコンディションでした。セブは本当に素晴らしい走りをしていましたし、彼に勝負を挑み勝利を手にするほどは、十分にプッシュできていなかったように思います。このラリーはセブのホームイベントなので、常にタフな戦いを強いられてきましたが、彼を讃えたいと思います。チームとしては、素晴らしいスタートをきることができました。ポイントを獲得できたことには満足していますが、もちろん、より多くのポイントを獲得したいという気持ちは常にありますし、次回はさらに強くなっているはずです。この週末は、フィーリングがとても良かったとはいえません。1年の最初に、全てを失うリスクを冒してまで勝利を狙わないほうが良かったとは思いますが、もしタイトル争いに挑むのであれば、今年中にそのような戦いをする必要があるでしょう」

カッレ・ロバンペラ
「今朝は本当に難しいコンディションでした。最初のステージは凍結していて大変でしたし、次のステージは路面に雪が多くありました。タイヤのダメージはちょっとアンラッキーでしたが、それもラリーでは起こり得ることです。最後のパワーステージではいいタイムが出ましたが、最大限にプッシュしていたわけではなかったので、ちょっと驚きました。少しだけペースを上げて走ったら、ポイントを獲得できたので良かったです。昨年はターマックで走る機会が少なかったので、全体的にはとても良い週末になりました。昨年のこのラリーよりもずっと速く、安定していたので、少しアンラッキーだったことを除けば良い戦いができたと思います」

なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、デイ3で総合6位へと順位を上げ、最終日はスピンを喫してタイムを失うも、トリッキーなステージを全て走りきり、WRC自己最高位の総合6位で今シーズン最初のラリーを戦い終えている。

次戦WRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランドは2月26−28日に開催される。

2021WRC開幕戦ラリー・モンテカルロ 結果
1位:S.オジェ(トヨタ ヤリス WRC)/2h56m33.7s
2位: E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)/+32.6s
3位:T.ヌーヴィル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)/+1m13.5s
4位:K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC)/+2m33.6s
5位:D.ソルド(ヒュンダイ i20クーペ WRC)/+3m14.2s
6位:勝田貴元(トヨタ ヤリス WRC)/+7m01.3s
7位:A.ミケルセン(シュコダ・ファビア Rally2 エボ)/+7m23.6s
8位:G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC)/+8m21.1s
9位:A.フルモー(フォード フィエスタ ラリー2)/+9m15.8s
10位:E.カミリ(シトロエン C3 ラリー2)/+10m41.0s

WRC 2021年シーズンカレンダー(暫定)
第1戦:モンテカルロ(1月21日−24日)
第2戦:アークティック・フィンランド(2月26日−28日)
第3戦:クロアチア(4月22日−25日)
第4戦:ポルトガル(5月20日−23日)
第5戦:イタリア(6月3日−6日)
第6戦:ケニア(6月24日−27日)
第7戦:エストニア(7月15日−18日)
第8戦:フィンランド(7月29日−8月1日)
第9戦:ベルギー(8月/未定)
第10戦:チリ(9月9日−12日)
第11戦:スペイン(10月14日−17日)
第12戦:日本(11月11日−14日)

[ アルバム : 2021WRC開幕戦ラリー・モンテカルロ はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

新車『GRカローラ』で2年連続のD1王者へ!Team TOYO TIRES DRIFTに松山北斗が加わる…モーターファンフェスタ2024
新車『GRカローラ』で2年連続のD1王者へ!Team TOYO TIRES DRIFTに松山北斗が加わる…モーターファンフェスタ2024
レスポンス
【トライアンフ】スピードトリプル RS/RR のリコールを発表
【トライアンフ】スピードトリプル RS/RR のリコールを発表
バイクブロス
個性派ブランドの小型EV 韓国キア、最小モデル「EV3」間もなく発表 大胆デザインで差別化
個性派ブランドの小型EV 韓国キア、最小モデル「EV3」間もなく発表 大胆デザインで差別化
AUTOCAR JAPAN
日産「快速ハッチバック」なぜ人気?「パワフル&高級感アリ」で上位モデルからの乗り換え多発!? 「ノート」の魅力とは
日産「快速ハッチバック」なぜ人気?「パワフル&高級感アリ」で上位モデルからの乗り換え多発!? 「ノート」の魅力とは
くるまのニュース
直6ツインターボで449馬力 高級オープンモデル、メルセデスAMG「CLE 53カブリオレ」初公開
直6ツインターボで449馬力 高級オープンモデル、メルセデスAMG「CLE 53カブリオレ」初公開
AUTOCAR JAPAN
ダイハツ「ハイゼット」の面影ゼロ! フォード「エコノライン」顔した「ファニーライダー」のキット構成とは
ダイハツ「ハイゼット」の面影ゼロ! フォード「エコノライン」顔した「ファニーライダー」のキット構成とは
Auto Messe Web
マツダ、2024年3月期の業績予想を上方修正 円安で大幅増益
マツダ、2024年3月期の業績予想を上方修正 円安で大幅増益
日刊自動車新聞
トヨタ、“若者離れ”に窮余の一策、全職種で65歳以上も再雇用[新聞ウォッチ]
トヨタ、“若者離れ”に窮余の一策、全職種で65歳以上も再雇用[新聞ウォッチ]
レスポンス
クルマ同様「慣らし運転」って必要?憧れのバイクを購入した際の注意ポイントとは
クルマ同様「慣らし運転」って必要?憧れのバイクを購入した際の注意ポイントとは
バイクのニュース
「洗車したいのに…」 なぜ洗車機NG? ミニバンはとくに注意!? 車名が名指しの場合も! “洗えないクルマ”の条件とは
「洗車したいのに…」 なぜ洗車機NG? ミニバンはとくに注意!? 車名が名指しの場合も! “洗えないクルマ”の条件とは
くるまのニュース
ランドローバー・ディフェンダーの新たなフラッグシップモデル「オクタ」が本年7月3日にワールドプレミア
ランドローバー・ディフェンダーの新たなフラッグシップモデル「オクタ」が本年7月3日にワールドプレミア
カー・アンド・ドライバー
万全の準備で母国レースに! フェラーリ、今季初の大型アップデート版マシンをフィオラノでシェイクダウンへ
万全の準備で母国レースに! フェラーリ、今季初の大型アップデート版マシンをフィオラノでシェイクダウンへ
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型軽バン」登場! まさかの“2シータータンデム仕様”に「真っ黒テールゲート」採用!? 斬新すぎる「カラバリ」に反響大
ホンダ「新型軽バン」登場! まさかの“2シータータンデム仕様”に「真っ黒テールゲート」採用!? 斬新すぎる「カラバリ」に反響大
くるまのニュース
「Honda E-Clutch」の対抗馬登場!?  BMW Motorradがオートメイテッド・シフト・アシスタントを発表! 自動化されたクラッチとギアシフトにより新しいライディング体験を実現
「Honda E-Clutch」の対抗馬登場!? BMW Motorradがオートメイテッド・シフト・アシスタントを発表! 自動化されたクラッチとギアシフトにより新しいライディング体験を実現
バイクのニュース
三菱ふそうがトルコで『eキャンター』新型を販売開始へ
三菱ふそうがトルコで『eキャンター』新型を販売開始へ
レスポンス
三菱自動車が欧州市場向けコンパクトSUV「ASX」を大幅改良。販売は本年6月より開始
三菱自動車が欧州市場向けコンパクトSUV「ASX」を大幅改良。販売は本年6月より開始
カー・アンド・ドライバー
2024年4月の外国メーカー車販売、11.3%減で4カ月連続の前年割れ 輸送遅延の影響も
2024年4月の外国メーカー車販売、11.3%減で4カ月連続の前年割れ 輸送遅延の影響も
日刊自動車新聞
【ガチンコ勝負】ミッドサイズスポーツカーの対決!「アウディ RS5 クーペ」対「BMW M4クーペ」AT対MT、AWD対RWD その勝者は?
【ガチンコ勝負】ミッドサイズスポーツカーの対決!「アウディ RS5 クーペ」対「BMW M4クーペ」AT対MT、AWD対RWD その勝者は?
AutoBild Japan

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.1235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.8274.8万円

中古車を検索
ヤリスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.1235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.8274.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村