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ams オスラム 新世代LEDライト「OSLON Black Flat X」発表

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ams オスラム 新世代LEDライト「OSLON Black Flat X」発表

光学ソリューションのグローバルリーダーである「ams オスラム」は2022年12月5日、新世代LEDライト「OSLON Black Flat X」を発表した。

自動車用LEDは、数年前からプレミアム・クラス車両のヘッドライトとして高い付加価値を提供してきた。21世紀初頭のヘッドランプ市場で主流であった従来のハロゲンランプやディスチャージ(HID)ライトに比べ、LEDは次のようなメリットを備えている。

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まず、より高効率で自動車の燃費や電動エネルギーの消費量を削減できる。また寿命が非常に長くほぼ無限であるため、定期的なランプ交換が不要になり、ランプが故障したまま運転するリスクを低減した。

さらにヘッドランプのデザインの差別化のために、優れた柔軟性を持ち、自動車メーカーは、ヘッドランプをLED化することで、車両の個性やメーカーのブランドを反映した独自のスタイルを形成することが可能になっている。そしてプロジェクションレンズを用いたヘッドランプの設計で、より精密なビーム制御も実現している。

効率、性能、設計自由度というLEDライトの価値は、高級車と同様に、ミッドレンジから低価格帯の車両にも適用可能になってきている。しかし、システムコストがLED採用の障害となっているのも事実だ。従来のハロゲン前照灯には、長年にわたる規模の経済と低ユニットコストというメリットがある。

そこで、ams OSRAMの新世代の超高効率車載用LED、OSLON Black Flat Xシリーズによりコストとパフォーマンスの水準を新たなレベルに引き上げることが可能になった。この新しいLEDは、従来のOSLON Black Flat製品よりさらに高いレベルの光束出力と発光効率を実現。これにより自動車メーカーは、前照灯の材料や部品点数を大幅に削減することができ、LEDヘッドランプは従来のハロゲンランプと比べても十分なコスト競争力を発揮することが実現している。もちろん、同時にLEDテクノロジーが持つ優れた機能、信頼性、性能を併せ持っている。

新開発の「OSLON Black Flat X」

OSLON Black Flatファミリーに続く、新開発のOSLON Black Flat Xは、LEDヘッドライトの新時代を切り開く存在といえる。OSLON Black Flat LEDは、ヘッドライトに使用される初の表面実装型LED光源だ。OSLON Black Flatの名前は、黒いパッケージで1:200の高コントラストを実現し、フラットな表面実装パッケージにより標準的な組立装置でプリント基板に実装できることに由来している。

新しいOSLON Black Flat Xは、ams OSRAMのInGaNベースUX3チップ・アーキテクチャーの最新バージョンをベースとしている。UX3は、優れた信頼性、高い光出力、良好な熱性能を備えているのだ。

このチップ技術をベースとしたOSLON Black Flat Xは、1チップあたりの発光面積が1.15平方ミリメートルと広く、他の競合する車載用LEDに使用されているセラミックパッケージよりも熱抵抗が低いなど、さまざまな特長がある。さらに、角度色差が圧倒的に少ないこともこの新製品の優位点となっている。

新技術を搭載することで、OSLON Black Flat Xシリーズの各チップが駆動電流1Aで460lm出力という優れた光学特性を実現。OSLON Black Flat Xシリーズで1チップ品のKW HHL631.TKは、460lmの光束で消費電力はわずか3.2Wとなっており、より高い光束出力と発光効率の組み合わせを実現している。

OSLON Black Flat XのチップOSLON Black Flat Xは、1チップ、2チップ、3チップ、4チップ、5チップのバリエーションがあり、いずれも小型の表面実装パッケージに収められている。例えば、1チップのOSLON Black Flat Xは、わずか3.75mm×3.75mmの黒いフラットパッケージに納まっている。

OSLON Black Flatは、パッケージの優れた熱性能を生かし、アルミニウムメタルコア基板(MCPCB)との高い親和性を持っている。5チップまでのすべてのバージョンにおいて、LEDの金属リードフレームとMCPCBの熱膨張率の差が少ないため、LEDアセンブリー基板の信頼性はきわめて高い。また、各チップは個別に点灯駆動が可能なため、自動車のスタート-ストップの際のバッテリー電圧低下状況に応じて、LEDの出力を調整することが可能だ。
新しいOSLON Black Flat Xの優れた光束性能は、自動車メーカーのコスト・パフォーマンス向上に貢献する。より少ないチップで目標とする光束値を達成できるようになるため、ヘッドライト・システムの部品コスト削減につながるのだ。

表面実装型OSLON Black Flat Xの高い発光効率と低い熱抵抗によるコストメリットも期待できる。メーカーは、LEDが実装されているメタルコア基板(MCPCB)による放熱のみで、ヒートシンク部分を限りなく削減したヘッドライト・ユニット設計ができるのだ。このような新しい可能性を示すためにams OSRAMは、OSLON Black Flat X LEDをデイタイムランニングライト(DRL)、ロービーム、ハイビームのヘッドランプに使用したリファレンス・デザインを開発している。このリファレンス・デザインはリフレクタベースのヘッドランプだが、ヒートシンクレスのアプローチは、プロジェクションレンズベースの設計にも同様に導入可能だ。

このリファレンス・デザインで、ロービームヘッドライトは、OSLON Black Flat X LED 2チップ品を2デバイス使って実現されており、それぞれ個別のリフレクターがあり、アルミニウムMCPCBに実装されている。ハイビームヘッドライトは、1つのOSLON Black Flat X LED 2チップ品にリフレクタを備えている。デイタイムランニングライトは、1つのOSLON Black Flat X LED・1チップ品とリフレクタで実現している。

また、リファレンス・デザインにはターンライトも含まれており、フル機能を持つ前照灯ユニットとなっている。700mAで駆動するOSLON Black Flat X LEDにはヒートシンクやファンを使用することなく、MCPCB経由で空気中に放熱。総放熱量は9.65Wだ。このシステムは、筐体外部の温度が70℃を超える環境下で動作させても、安全に動作する温度上限内に収まりことができる。

ヘッドライトとデイタイムランニングライトの光出力は、車載照明規格に準拠しており、ジャンクション温度150℃、駆動電流700mAで、OSLON Black Flat X 1チップあたり270lmを出力する。この条件で、消費電力は2.0W、放射出力は1.15Wだ。

OSLON Black Flat X LEDを使用した前照灯は、ヒートシンクや強制空冷部品を削減でき、システムコスト削減、軽量化、省スペース化を実現する。

また、駆動電流を700mAと低く設定することで、駆動部品の定格電力を低くでき、部品コストを低く抑えられる。OSLON Black Flat X LEDは、AEC-Q102認定、クラス3Bの耐腐食性、PPAP準拠など、車載向けの規格や要件を満たしていることはいうまでもない。

OSLON Black Flat Xシリーズの導入により、自動車用ヘッドライトのメーカーは、LEDテクノロジーの主な利点である長寿命、高効率、信頼性とともに、従来のハロゲンベースの設計と同様にシステムコストを抑えた前照灯ユニットの設計が可能になったのである。

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