一部改良を受けたBMW「X7」を小川フミオがテスト! BMW最大サイズのSUVの実力とは?
「35d」から「40d」へ”進化”
BMWのよさは、車体が大きくても小さくても、変わらず運転を楽しめる仕上がりになっていること。全長5165mmの同ブランド最大級SUVの「X7」も例外でない。
今年2月24日に販売がスタートした「X7 xDrive40d M Sport」は、マイルド・ハイブリッド化されたディーゼル・エンジンを搭載する。運転を楽しめるSUVを求めている人の期待を裏切らない出来映えのモデルだ。
私は、2019年にX7がデビューしたとき、その気になればメキシコへ歩いていけるテキサス州エルパソからアリゾナ州フィニックスまでのドライブを楽しんだ経験を持っている。
そのときは、ステアリング感覚がいまひとつ落ち着かず、100%快適とはいえなかった。7人乗りのニーズが高い北米市場むけに開発された経緯もあり、全長が5mを超えるSUVはさすがのBMWでも手に余るのか? と、思ったものだ。
2020年に、その印象はくつがえった。日本で3.0リッター直列6気筒ディーゼル搭載車を運転したとき、欠点がなくなっていた。エンジンの力強さとステアリングを含めた各部の剛性感と、それに安定したハンドリングにあらためて感心した。
今回のテスト車は、2992ccの排気量はそのまま、出力が引き上げられた直列6気筒ディーゼル・エンジンを搭載、従来の「35d」から「40d」へと”進化”している。
これに、BMWが「xDrive(エックスドライブ)」と呼ぶフルタイム4WDシステムを組み合わせた。
マイルド・ハイブリッド化の恩恵
そもそも、マイルド・ハイブリッドとは、電気モーターがエンジンの出力軸をまわして、トルクの積み増しをするシステムだ。発進時やシフトアップ時などに、内燃機関の発生するトルクだけでは足りない力を、瞬時におぎなう役割を果たす。
X7 40dの最高出力は250kW(340ps)、最大トルクは700Nmもある。マイルド・ハイブリッド化によって、従来の「35d」と比して、最高出力は55kW(75ps)、最大トルクは80Nmも積み上げられている。ちなみに35dは、X5に今回設定されていて、210kW(286ps)、650Nmへと出力が引き上げられた。
そもそもパワフルなモデルだったので、電気モーターが本当に必要なのか? 620Nmものトルクがあれば充分すぎるじゃないか? と、思うものの、リッターあたり11.9km/Lの燃費はこのシステムがあるから実現したといえる(1.1km/L向上した)。
CO2規制がきびしくなるなかで、マイルド・ハイブリッドが増えている理由である。
運転すると、40dはパワフルで速い。ハンドリングはスポーティで、高速道路でのレーンチェンジやカーブなどでの安定性にもすぐれる。
それでいて、2510kgの車重が効いているのだろう、乗り心地がいい。ブレーキも効きがよい。
快適な長距離移動
南ドイツの高原地帯で飼育されたという「メリノ(羊の品種)」レザーはしなやかでソフトだ。オプションで用意されるこのレザーで張られたシートは、家具のような座り心地に感じられる。しかも2列目シートは、アームレストが個々にそなわる、いわゆるキャプテンシートが選べる。北米で好まれる仕様だ。もちろん、日本でも、ゆったりとドライブするのに、腕が休められると快適である。
あいにく、ディーゼル・エンジンの未来はそう明るくない。排ガスの含有成分が問題視されているので、欧州をはじめ、主要市場ではやがて認可が下りなくなり、マーケットから姿を消すかもしれない。
欧州委員会はハイブリッドすら認めない方向なので、このすばらしいエンジンはこの世からなくなってしまうのだろうか。
バイブレーションはきれいに抑えこまれ、ガソリン・エンジンなみにスムーズに吹け上がり、同時に痛快といえるほどのパワーを出し、上の回転までまわるBMWの6気筒ディーゼルエンジン。これが味わえなくなってしまうのは、惜しい。
X7を走らせていて、環境問題には勝てないのは理解しつつ、そこが残念と思ってしまう。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
全く車の紹介を広める為の記事という観点から逸脱してるクソ記事かな?笑
価格、経済性、サイズにすら、1ミリの言及もないとは、、、