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笑顔こぼれるトヨタ・スープラRZの走り。1000万円以下で買える本格3リッタースポーツカー/市販車試乗レポート

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笑顔こぼれるトヨタ・スープラRZの走り。1000万円以下で買える本格3リッタースポーツカー/市販車試乗レポート

 オートスポーツweb試乗企画第11弾は、トヨタ・スープラを取り上げる。2002年に生産が終了して以来、17年ぶりの復活となった新型スープラはBMWとの共同開発されるなど、これまでにない取り組みも話題となった。その魅力と実力を掘り下げていこう。

 先代スープラは2002年に生産が終了。それから17年の月日が流れ、新型スープラは2019年にトヨタとBMWの共同開発で生まれた。近年登場するハイパフォーマンススポーツカーがトラクションやスタビリティを確保すべく4WDを採用するのに対し、新型スープラはフロントミッドにエンジンを置いたFRレイアウトにこだわって製作された。その狙いはもちろん、スポーツカーの本懐である“ピュア”な走りを実現するためだ。

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 では、エクステリアから見ていこう。新型スープラのボディは、見た瞬間にその迫力あるボリューム感に目を奪われる。どの面から見てもエアロパーツがあしらわれており、優れた空力バランスに貢献している。

 ルーフは空気抵抗を低減させるためのダブルバブルルーブと名付けられたふたつの屋根の盛り上がりが特徴的。この形状は、往年の名車トヨタ2000GTへのオマージュでもある。
 
 ボディサイズは全長4380mm、全幅1865mm、全高1290mm。ホイールベースは2470mmで、同門のトヨタ86よりも100mm短い。86が後席を備えるのに対して、新型スープラは2シーターに割り切ったことによるものだが、そのおかげで新型スープラはホイールベースとトレッドの比率が1.55に抑えられている。

 この数字が小さくなるほど一般的には回頭性が良くなる傾向がある(その反面、直進安定性は低下する)が、新型スープラの開発責任者を務めた多田哲哉氏によると「1.55がスポーツカーの黄金比率」なのだそうだ。ちなみに86は1.69、ポルシェ911は1.54である。

 また、重心高も新型スープラのこだわりだ。低重心が自慢の水平対向エンジンを搭載する86よりもさらに低いのだ。最低地上高は86が130mmなのに対して、新型スープラは112mm(RZ)まで抑えられている。

 新型スープラはエンジンの仕様違いによる3グレードが用意されている。最上級の『RZ』は最高出力340psの直列6気筒ターボエンジンを搭載し、足元は19インチの鍛造ホイールを奢る。『SZ-R』と『SZ』は出力違いの直列4気筒ターボエンジンを搭載。足元は『SZ-R』が18インチ、『SZ』が17インチのホイールを装着する。

■運転環境も充実。心躍りだす走り
 続いて、インテリアだ。 乗り込む際には屈み込む姿勢となるが、運転席に着座した瞬間にスープラの世界に引き込まれていく。

 そう感じさせる要因のひとつは、スポーツドライビングに適した運転環境だ。シートは腰部を中心に身体をホールドしてくれるハイバックタイプが採用されている。着座位置は低めの設計だが、シート位置やステアリングのチルト&テレスコピック調整幅は広く確保されているため、身長が低い人でもベストなポジションを取ることができる。

 また、インストゥルメントパネルはハイスピード時の見晴らし性や車両の姿勢変化のつかみやすさに配慮するため、上下に薄く、水平に軸の通った形状を採用している。

 スポーツドライブに必要なメーター、ヘッドアップディスプレイ、パドルシフトなどのエレメントは、ドライバーの正面に配置されていて、運転に集中できる環境作りが徹底されている。

 ちなみに、新型スープラはBMWとの共同開発という出自の関係で、オーストリアのマグナ・シュタイア社が生産を担当する。つまり、新型スープラは輸入車なのだ。それを感じさせるのが右ハンドルであるにも関わらず、ステアリングコラムの左側に配置されたウインカーレバー。日本車では一般的に右側に配置されるものなので、乗り始めは多少の違和感があるが、すぐに慣れてくるはずだ。
 
 さて、“速さ”に関する腐心ぶりが随所から垣間見える新型スープラだが、“使いやすさ”や“長期的に付き合える”こともしっかりと押さえられたスポーツカーであることもお伝えしておきたい。

 ラゲッジルームは2シーターながら容量290リッターが確保され、機内持ち込みサイズのスーツケースをふたつ積みこめる。2名乗車でドライブに出かける際でも不自由は少ないだろう。ちなみにラゲッジルームには、積み込み方を工夫すればゴルフバッグを収めることも可能だ。

 最先端の安全、運転支援装備も充実している。歩行者や自転車を検知して緊急ブレーキを作業させる『プリクラッシュセーフティシステム』やドライバーの死角に入る後方車両を知らせる『ブラインドスポットモニター』、後退時の事故を防ぐ『リアクラストラフィックアラート』、ハイ/ロービームを自動で調整する『アダプティブハイビーム』、そして全車速追従機能付きの『レーダークルーズコントロール』などは全グレードに標準装備だ。

 また、専用のスマホアプリなどから車両の遠隔操作、確認ができるリモートサービスをはじめ、スープラ専用のコネクティッドサービス『Toyota Supra Connect』も提供される。

 このように、新型スープラは速く走ることに特化しながらも、日常的なシーンでも安全に楽しく付き合える現代流のスポーツカーといえるだろう。
 
 さて、スープラのエンジンといえば、初代以来、直列6気筒を積んでいる伝統がある。そこで今回は、直列6気筒エンジンの伝統を継承した最上級グレード『RZ』にフォーカスを当てる。

 早速、試乗へと移ろう。走り始めると少し重さを感じるものの、アクセルペダルを踏み込むと3リッターのエンジンパワーでぐんぐんと加速していく。また、直列6気筒のエンジンサウンドと相まって走り出した瞬間から心が躍る。ドライブモードをスポーツにするとエンジンサウンドはさらに官能的になる。

 スポーツカーであるがゆえに、乗り心地は少し硬めの印象だ。市街地では路面の凹凸を感じるが、これもスポーツカーならではの乗り味。逆に高速域では重厚な車体と空力のおかげか路面に張り付くような安定感を感じる。安定感がある一方で、100Km/hに到達してもエンジンパワーにかなりの余裕がある。もっと加速したいという欲求が襲ってく来るほどだ。スピードの出しすぎには注意しなければならない。

 スープラは重さがあるものの、ステアフィールはクイックでありながら非常に軽いことに驚いた。回頭性が非常に良いのだ。ワインディングロードに入ってもステアリングを少しあてるだけで車体が曲がりたい方向へぐいっと入ってくれる。このレスポンスの良さは走れば走るほど笑顔がこぼれてくるはずだ。

 17年ぶりに復活したスープラ。最上級の『RZ』は車体価格702万7778円となっている。ホンダNSXやニッサンGT-Rといったスポーツカーが1000万円を超える時代で、高スペックのスポーツカーが800万円以下で手に入ることを考えれば、断然お買い得と言えるのではないだろうか。

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