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F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ

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F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ

 F1は、グローバルパートナーであるカタール航空と共同で開発する新たなプログラムを通じて、SAF(持続可能航空燃料)への投資を拡大することを発表した。

 2030年に二酸化炭素排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)にすることを目指しているF1。2026年からは、F1のエンジンで使う燃料の全てが、持続可能燃料とすることが義務付けられる。また、パドックなどで使うエネルギーも、炭素排出量を抑えるソリューションが段階的に導入されていく予定だ。

■空気と水さえあれば、ガソリンと同じような燃料が作れる……ホンダF1で加速する、未来への技術”カーボンニュートラル燃料”の開発

 ただ、もっとも多くの二酸化炭素を排出しているのは、実は輸送に関する部分である。そのため、陸送時に使われるトラックに持続可能燃料が使われ始めているが、航空機の燃料にもSAFと呼ばれる代替燃料の仕様を促進している。

 F1はすでにグローバル・ロジスティクス・パートナーであるDHLと協力し、貨物輸送でSAFを活用。通常の燃料で飛行する時と比較して、炭素の排出量を80%抑えることができているという。

 そして今回、カタール航空ともSAFに関する協力関係を構築。F1はカタール航空のSAFプログラムの初代メンバーとなり、SAFの普及を促進していくという。

 このSAFは、2026年からF1で使われる持続可能燃料とよく似ている。

 F1マシンを走らせるガソリンも、航空機を飛ばすために使われるジェット燃料も、そもそもは石油を原料として作られてきた。しかし最近では、廃食油やバイオマスを使って燃料を作る技術が確立。空気と水を原料に燃料を作ることも可能になりつつある。それが、広義での持続可能燃料である。

 いずれも既に大気中に存在する炭素と水素を原料に燃料を作り上げるため、地中深くから掘り出してきた石油を原料とするのとは異なり、実質的には大気中の二酸化炭素を増やさずに済む。しかも、現在使われているエンジンにそのまま使うことができるという点で、インフラを整え直すことなくそのまま使えるのだ。

 そして成分を調整し、自動車用(つまりガソリン)にするのか、あるいは航空機用(ジェット燃料)とするのかという違いだけである。

 これを使うことでF1は、コース上だけでなく、コースに向かう際に排出する炭素量も削減しようとしている。

「今回の投資は、我々の代替燃料戦略における次のステップであり、2030年ネットゼロの目標を達成する上での中心となっています」

 F1のESG責任者であるエレン・ジョーンズはそう語る。

「我々のチーム、FIA、パートナーとの連携を通じて、このスポーツの炭素排出量を削減し、F1を超えて影響を与える可能性のある技術を推進するという約束を果たしています」

「これはこのスポーツに関わる全ての関係者が、より持続可能なF1に向けたビジョンについて一致している最新の事例であり、このことを我々は嬉しく思っています」

 F1ではこの他、開催カレンダーを調整してグランプリ間の移動を極力少なくし、ここでも炭素排出量を削減しようとしている。日本GPが春開催に変わったのも、その一環である。

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