モビリティリゾートもてぎで行なわれたスーパーGT第8戦の予選では、36号車au TOM'S GR Supraが3番グリッドを獲得した。残り2戦でタイトル争いをリードする36号車にとっては、ライバルよりも上の順位で予選を終えられたという意味でも、値千金の3番手だったと言える。
その立役者となったのが、Q2で2番手タイムをマークした山下健太。普段から相方である坪井翔を褒め称え、自虐を語ることも多い山下だが、タイトルに向けて重要なレースで大仕事をやってのけた。
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そんな山下の予選で気になるシーンがあった。今回の予選はウエットコンディションだったこともあり、10分間のセッションをフルに使ってタイヤを温めつつ、1周でも多くファストラップを刻みたいところだと言えるが、山下は最終セクションで徐行レベルまでスピードを緩める様子が中継映像でも何度か捉えられていた。
この意図はなんだったのか? 予選後の山下に問うと、タイヤのウォームアップは関係はなく、クリアラップをとるための動きだったと説明した。
「Q2のプランとしては、やはりクリアラップをとることでした」
「Q1で坪井選手が集団の中に埋もれてしまい、うまくアタックができなかったということもありました。そういうこともあったので、一番最後に出るという形になったんですけど、やはり毎周詰まりそうな感じになってしまいました」
「(アタックのチャンスは)4周しかないのは分かっていましたが、3周とも最終コーナー付近で詰まりそうになってしまいました。だから、4周目に決めるしかなかったということです。別にゆっくり温めていたわけではありません」
なんとかトラフィックを回避しQ2で2番手に入った山下。しかしながら、タイヤのピークは逃してしまったという。
「タイヤ的には3周目が一番良かったです。(ベストタイムを記録した)4周目はちょっと垂れてしまいましたが、その中で狙い通りにうまく走れて良かったです」
決勝レースは打って変わってドライコンディションとなる見込み。ポイントリーダーの36号車は燃料流量も1段階下げられており、ストップ&ゴーのレイアウトで加速性能が求められるもてぎにおいては厳しい足枷と言える。ただ山下は、来たる決勝に向けても十分手応えがあるようだ。
「ワンリス(=燃料流量リストリクター1段階)ダウンということで、ドライならかなり厳しい予選になると予測していた中で3番手になっちゃったので(笑)。決勝もかなり厳しい戦いになるかなと予想していますが、36号車はいつもレースペースも良く、ピットも速いですし、相方の坪井選手も心強いです。ポジションキープ以上も狙えるんじゃないかという気持ちもあります」
「ただ、優勝を狙って変なことをして落としてしまうともったいないので、着実にポジションキープくらいを目標に頑張りたいと思います」
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