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こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと "消えた" 珍車 50選 後編

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こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと "消えた" 珍車 50選 後編

ヒメネス・ノヴィア(1995年)

(翻訳者注:この記事は『こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと “消えた” 珍車 50選』の後編にあたります。前後編合わせてお楽しみください)

【画像】「流行りに乗らない」異色メーカーのスポーツカー【ブリストル・ファイターを写真で見る】 全25枚

ヒメネス・ノヴィア(Jimenez Novia)は、非常に複雑なエンジンレイアウトを採用している。ヤマハ製の1.0L 4気筒エンジン(FZR1000のバイク用エンジン)を4基使用し、シリンダーをW型に配列して共通のクランクシャフトに収め、最高出力558psを発生させるというものだ。

排気量は4.0Lで、5バルブのシリンダーヘッドにより最高速度350km/hを達成できるという。少し調整すれば600ps以上の出力も可能だったが、市販化には至らず、同じW16エンジンを搭載したオフロード車の計画はコンセプト段階にすら至らなかった。

ローテックC1000(1995年)

1990年代初頭、数多くのスーパーカーが登場する中、ある石油王は唯一無二のものを所有しなければならないと考え、メルセデス・ベンツにワンオフのハイパーカーの製作を依頼した。

メルセデス・ベンツは、スーパーカーを得意とするローテック社に、石油王の要求に見合った速いクルマを作るよう依頼し、その結果生まれたのがC1000である。メルセデスの5.6L V8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力1000ps(車名の由来)を発生する。

最高速度は430km/hと言われているが、実測値ではない。しかし、レーシングカー仕様のシャシーとカーボンファイバー製ボディを備え、名前が示す以上にハイテクなマシンとなっている。

スペクターR42(1995年)

GTディベロップメント社は、フォードGT40の精巧な再現で知られており、 R42を披露したときも高い評価を得た。しかし、走行可能なプロトタイプを1台作っただけで同社は倒産し、その権利は米国のスペクター社に売却された。

4.6LのクアッドカムV8を搭載し、細部の詰めは甘かったものの、スーパーカーらしい堂々とした外観を誇る。スペクター社は年間200台の生産目標を掲げていたが、実際には23台にとどまり、結局倒産してしまった。

TVRサーブラウ・スピード12(1996年)

1996年のバーミンガム・モーターショーで初公開されたサーブラウ・スピード12(Cerbera Speed 12)は、最高出力890ps の7.7L V12エンジンを搭載し、世界最速を目指していた。当初はGT1向けのレーシングカー、プロジェクト 7/12として構想され、1998年にロードカー仕様のスピード12が登場した。

しかし、レースのレギュレーション変更を受け、TVRはスピード12は公道では速すぎると判断した。車重1000kgと軽量で、適切なセッティングさえ施せば最高速度380km/h以上も可能だったはずだが、アマチュアドライバーに売るのは不適切とみなされ、棚上げとなった。

日産R390(1997年)

R390は、日産がル・マン24時間レースでの優勝を切望していたことから生まれた。プロジェクトがスタートした当時、ル・マンを制したことがある日本車はマツダだけだった。

参加資格を得るには、市販のロードカー仕様を作らなければならなかった。しかし、日産はル・マンを制覇することができず、市販用のR390も1台しか作られなかった。3.5L V8ツインターボにより最高出力650ps、最高速度350km/hを実現するR390は、現在も日産が所有している。開発には、後にジャガーのデザイン責任者となるイアン・カラムも携わっていた。

フォルクスワーゲンW12(1997年)

1997年の東京モーターショーでフォルクスワーゲンが5.6L W12エンジン搭載のクーペを発表したとき、消費者の反応が良ければ市販化すると言われていた。このクーペが称賛を集めたことから、1998年のジュネーブ・モーターショーでロードスター仕様が発表された。排気量は6.0Lに拡大され、最高出力600ps、最高速度350km/hを達成する。

2002年のジュネーブ・モーターショーでは、改良型のクーペが披露された。しかし、フォルクスワーゲン・グループ内では当時、W12エンジンを使用するブガッティ・ヴェイロンを筆頭にスーパーカー開発が進められていたため、フォルクスワーゲンブランドからの投入は見送られた。

パラディン525 S(2000年)

パラディン525 S(Parradine 525 S)はスーパーカーのようには見えないかもしれないが、フォード製の32バルブ4.6L V8スーパーチャージャーを搭載し、最高出力525ps、最大トルク63kg-mを発生。0-97km/h加速わずか3.8秒、最高速度330km/hというパフォーマンスを誇る。

まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしい性能だが、これはあくまでも宣伝文句であり、誰も公式に検証していないため、パラディン525 Sが本当にスーパーカーだったかどうかはわからない。

クヴェール・マングスタ(1999年)

MGローバーが開発したXPower SVを覚えている人はいるだろうか? デ・トマソ・ビグアから始まり、その後クヴェール・マングスタ(Qvale Mangusta)、そしてMG X80に発展した。ブランドとスタイリングは変わったが、全車共通で最高出力320psのフォード製クワッドカム4.6L V8を搭載し、最高速度は約240km/hとされた。

しかし、クヴェールは採算が合わないことに気づき、MGローバーにプロジェクトを移管した。その後、同社が消滅するまでに約82台のXPowerが生産された。

サリーンS7(2000年)

英国のサリーン(Saleen)は、フォード・マスタングをレース用にチューニングしたことで有名な創業者スティーブ・サリーンにちなんで名付けられた。彼が本格的なスーパーカーを作るのは時間の問題だった。

多くのスーパーカーが最先端技術を駆使しているのに対し、サリーンS7は比較的ローテクで、スチール製スペースフレームにグラスファイバーとカーボンファイバーからなる複合ボディを載せ、そこにプッシュロッド式V8を搭載した。シンプルではあるが、猛烈な速さを誇った。

Bエンジニアリング・エドニス(2001年)

1995年に廃業したブガッティの従業員たちは、新たにBエンジニアリング社を立ち上げ、EB110に最高出力680psの3.75L V12を搭載したモデルを発表した。未完成のシャシー一式をベースに、ニコラ・マテラッツィの手による斬新なデザインに仕上げられた。

計画では21台のエドニスを生産するはずだったが、発表から17年も経った2018年にプロジェクトが中止され、米国のカシル・モーターズ社に売却された。

モスラーMT900(2001年)

あらゆるスーパーカーのデザイン要素を取り入れ、融合させたのがモスラーMT900(Mosler MT900)だ。コルベットZ06のV8、ポルシェ911 GT2のトランスミッション、後輪駆動というユニークな構造と、力強い外観を特徴とする。

サーキットで鍛えられたモスラーのカーボンファイバー製ボディには、チタン製サスペンションスプリング、薄肉のサブフレーム、マグネシウムホイールなどの最先端技術が詰め込まれている。そのため、0-160km/h加速でわずか6.5秒という圧倒的な速さを実現できた。

ララキ・フルグラ(2002年)

今度モロッコ車の名前を聞かれたら、ララキ・フルグラ(Laraki Fulgura)と答えよう。2002年のジュネーブ・モーターショーで初めて登場したララキは、2005年にギブアップするまで、毎年新しいスーパーカーを発表し続けた。

ランボルギーニ・ムルシエラゴのようなサラブレッドに対抗するために設計されたフルグラは、フェラーリ360のコピーである。マラネロは激怒したに違いない。

メルセデス・ベンツ製の6.0L V12エンジンに4基のターボチャージャーを搭載し、最高出力680ps、最高速度は352km/hを謳っていたが、50万ユーロという価格では買い手がつかなかった。

インヴィクタS1(2003年)

このインヴィクタS1(Invicta S1)は、英国の少量生産メーカーのあらゆる美点を集約した1台だ。比較的マイルドな仕様(最高出力320ps)から非常にワイルドな仕様(同600ps)まで、幅広いオプションが用意され、年間20台売れると期待された。

しかし、一流のスーパーカーメーカーから同じような高性能マシンが発売されていたため、インヴィクタに勝ち目はなかった。2003年に同社が設立され、数年後にひっそりと姿を消したことに誰も気付かなかった。

アスカリKZ-1(2004年)

各メディアは2000年の時点でアスカリKZ-1(Ascari KZ-1)について報じていたが、市販車が発売されたのは2004年のことだった。アスカリはKZ-1の生産予定台数を50台以下としていたが、23万5000ポンドという価格と知名度の低さから、その数字に達したかどうかも疑わしい。

KZ-1はBMW M5(E39世代)のV8エンジンを搭載し、最高出力500ps、最高速度320km/h、0-160km/hはわずか8秒とされた。

ブリストル・ファイター(2004年)

英国のブリストル社は、流行に乗ることを嫌う。ごく少数の理解ある購入者のために、独自のやり方で物事を進める企業だった。ガルウイングドア、タイトなボディ、ダッジ・ヴァイパーのV10エンジンを採用したファイター(Fighter)には、同社の性格が顕著に現れている。

標準車でも最高出力530ps、最高速度338kmhに達するが、これで物足りなさを感じる人のために、2007年には発展型のファイターTが発表された。最高出力1026psを誇り、理論上は430km/h以上出せると言われているが、実際に生産されたのはいずれもごく少数であった。

ジョスJP1(2004年)

2004年に開催されたオーストラリアのモーターショーで、ジョスJP1(Joss JP1)が公開されたときは観衆の期待を集めた。見た目もよく、質感も高かった。さらに、最高出力500psと最大トルク66kg-mの6.8L V8エンジン、ポルシェG50の5速MT、後輪駆動方式を採用している。

しかし、同社にはJP1を発売するための資金力がなく、2014年にクラウドファンディングが実施されたものの、軌道に乗せることはできなかった。

ローテック・シリウス(2004年)

1962年に設立されたローテック社は、2004年に最初の公道向け市販車であるシリウスを発表するまで、モータースポーツを中心に活動していた(前述のC1000はワンオフ車である)。シリウスは創業者のカート・ロッテルシュミットがデザインしたもので、メルセデス・ベンツ製6.0L V12を搭載するが、これまでに作られたのは1台のみと言われている。

グンペルト・アポロ(2005年)

ローランド・グンペルトとローランド・メイヤーがタッグを組んで開発したガルウイングドアのスーパーカー。グラスファイバーまたはカーボンファイバー製のボディに、アウディ製の4.2L V8ツインターボを搭載している。

最高出力は650psまたは700psのいずれかを選択でき、前者でも最高速度360km/hに達すると言われている。2013年にグンペルトが倒産するまで、40台以上のアポロ生産されたと推定されている。

バラバスTKR(2006年)

ドイツのチューニングメーカーであるブラバス(Brabus)社と間違えないように。こちらは英国のバラバス(Barabus)社が開発したTKRというモデルで、2006年の英国モーターショーでサプライズ発表された。

ボディとシャシーはカーボンファイバー製で、最高出力1020psの7.0L V8ツインターボを搭載。最高速度435km/h、0-97km/h加速わずか1.7秒を達成すると謳われていた。2006年11月に販売開始予定だったが、プロジェクトは頓挫し、2年後にキーティングTKRという名で復活した。後にテストで最高速度420km/h近くを記録しているので、当初の主張は思ったほど空想的ではなかったのかもしれない。

SSCアルティメット・エアロ(2007年)

フランスのブガッティ・ヴェイロンが世界最速の市販車として話題をさらった一方、米国のSSCアルティメット・エアロ(SSC Ultimate Aero)はシボレー・コルベットの5.7L V8ツインターボを搭載し、公式記録で412km/h、理論的には440km/hが可能とされた。

高性能にもかかわらず、アルティメット・エアロの価格はヴェイロンの半分以下であった。しかし、ブガッティはこの脅威に屈することなく、最高出力1200psのヴェイロン・スーパースポーツを投入し、最高速度431km/hという記録を見せつけたのである。

ウェーバー・ファスター・ワン(2008年)

スイスの自動車メーカーであるウェーバー(Weber)は、同車をファスター・ワン(Faster One、速いもの)と名付けたが、本当はアンゲインリー・ワン(Ungainly One、醜いもの)と呼んだほうが適切かもしれない……。存在感があるのは確かだ。

ボディ中央にはツインスーパーチャージャー付きの7.0L V8エンジンが搭載されており、その最高出力は900psに達すると言われている。最高速度400km/h以上と謳われたが、残念ながら実測値ではない。

ファスター・ワンは超軽量のカーボンファイバー製ボディとカーボンセラミックブレーキを装備しており、オプションとしてインターネット接続機能とテレビ付きマルチメディアシステム、サーキット走行用データロガーが用意されていた。燃費の悪いV8にガソリンをたっぷり供給するため、4個の燃料タンクを備えている。

ロン・スコーピオン(2009年)

2009年にモナコで開催されたスーパーカーショー「Top Marques」で、ロン・マクスウェルはスコーピオン(Scorpion)を発表したが、残念ながらそれは最悪のタイミングであった。ちょうど世界的な金融危機に見舞われた時期で、このような高級車を買う余裕はなくなり、誰も欲しがらなかったのである。

スコーピオンには、アキュラTLに搭載されている最高出力450psの3.5L V6ツインターボが採用され、特徴的な水素噴射システムにより燃焼効率の向上を図った。しかし、買い手がつかず、マクスウェルは事業を閉鎖せざるを得なくなった。彼は2015年にロン・モーター・グループを設立し、新型のスコーピオンの発売を目指した。

スパイカーC12ザガート(2009年)

スパイカーはそれまでアウディ製のV8エンジンを使用してきたが、C12ザガート(C12 Zagato)にはアウディ製W12を採用した。価格は49万5000ユーロと高価で、発表当時、24台の限定生産と説明されていた。

我々が知る限りではショーカーしか作られず、購入できた人はいない。

ダガーGT(2010年)

突拍子もない主張をする新興企業は面白いが、トランスター・レーシング社はまさにそのような企業だった。2010年、同社はダガーGT(Dagger GT)のデザインを初公開した。車重1150kgのハイパーカーで、最高出力2000ps、最高速度500km/hとされた。

さらにスピードを求める人のために、トランスター・レーシング社は最高速度800km/h(!)に対応する特殊タイヤを装着したGT-LSというオプションを設定していた。我々はその速度を体験できる日を今か今かと待ちわびている……。

エクサゴン・ファーティヴe-GT(2010年)

エクサゴン・ファーティヴe-GT(Exagon Furtive e-GT)は、2010年のパリ・モーターショーでコンセプトカーとして発表され、その2年後には市販車が登場した。

スーパーカーというよりはグランドツアラーに近いフランス製の電気自動車(EV)であり、2基の水冷式電気モーターを搭載し、最高出力407psと最大トルク52kg-mを発生、最高速度250km/hに達すると謳われていた。しかし、2013年にはすべてが水泡に帰した。

アイコナ・ヴルカーノ(2013年)

2013年に上海モーターショーで発表されたアイコナ・ヴルカーノ(Icona Vulcano)は、最高出力800psのV12エンジンと160psの電気モーターからなる、合計出力960psのハイブリッド・パワートレインを搭載していた。2015年にはエンジンをGM製6.2L V8スーパーチャージャーに変更したが、チューニング次第で最高1000psまで引き出すことができた。

さらに、チタン製ボディを採用するなど斬新な設計が注目を集めた。しかし、それ以降は何の音沙汰もない。

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みんなのコメント

5件
  • Buell
    この概念だとスーパーカーがコンセプトカーにまで裾野が広がりそうだ
  • azi********
    サリーンS7って、キムタク持ってたような…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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