現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > シャープなフォルムがカッコイイ! 昭和の「クサビ型」スポーツカー3選

ここから本文です

シャープなフォルムがカッコイイ! 昭和の「クサビ型」スポーツカー3選

掲載 26
シャープなフォルムがカッコイイ! 昭和の「クサビ型」スポーツカー3選

■カクカクフォルムがカッコいい昭和のクサビ型スポーツカーを振り返る

 クルマのデザインは時代によって変化し、その時々で流行があります。近年はSUVやステーションワゴン、セダンなどは流麗なクーペフォルムがトレンドで、さらに複雑な曲面を組み合わせたボディのクルマが多い印象です。

ホレボレするほどカッコイイ! 昭和の美しい車5選

 デザインのプロセスも変化しており、今ではデザインツールとして3DCGが盛んに使われ、1/1モデリングをおこなうだけでなく、さまざまな手法で検証するようになりました。

 また、生産技術の進化や新たな素材を用いることで、かつては不可能だった造形が可能となったケースもあります。

 一方、1980年代には直線基調のシャープなフォルムのモデルが多く、とくにスポーティなモデルというと「クサビ型」のボディが流行の最先端でした。

 そこで、昭和の時代に誕生したウェッジシェイプのスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●スバル「アルシオーネ」

 1980年代のスバル車というと「レオーネ」に代表される質実剛健なモデルが主流でしたが、1985年に、同社初のスペシャリティカーである「アルシオーネ」が誕生しました。

 外観は直線基調のシャープなウェッジシェイプのフォルムで、スバル車では唯一無二のリトラクタブルヘッドライトを採用。

 このウェッジシェイプのデザインは空力性能の向上を追求した結果で、リトラクタブルヘッドライトも手段のひとつであり、ほかにもドアノブやウインドウ取り付け部のフラッシュサーフェイス化、空気の乱流を抑えたドアミラー形状、後端をわずかに跳ね上げたダックテール状のトランクリッドなど、さまざまな箇所に空力性能向上策が取り入れられていました。

 その効果は絶大で、空気抵抗係数であるCd値は0.29と、日本車で初めて0.3を下回る数値を達成しました。

 また、内装では随所に航空機のイメージを取り入れた機能的なデザインを採用し、航空機メーカーを前身とするスバルならではの特徴といえるでしょう。

 搭載されたエンジンは当初、最高出力135馬力の1.8リッター水平対向4気筒ターボのみで、駆動方式は2WDのFFとパートタイム4WDを設定。

 その後、1987年にスバル初の2.7リッター水平対向6気筒自然吸気「ER27型」を搭載した「アルシオーネ 2.7VX」を追加ラインナップ。最高出力は150馬力を発揮し、駆動方式は前後輪の駆動力配分を可変としたフルタイム4WDである「アクティブトルクスプリット4WD」が組み合わされました。

 そして1991年に後継車である「アルシオーネSVX」にバトンタッチされ、アルシオーネは生産を終了。アルシオーネSVXでは曲面を多用したデザインへと移行しました。

●日産「サニー RZ-1」

 昭和の時代に、日産の主力車種のひとつだったのが「サニー」です。1966年に初代が誕生し、以来、日産を代表する大衆車として代を重ねました。

 そして、1985年発売の6代目では流行をキャッチアップした直線基調のシャープなデザインに一新。

 当初、6代目サニーのボディバリエーションは4ドアセダンと2BOXの3ドアハッチバック、ステーションワゴンでしたが、1986年には3ドアハッチバッククーペの派生車「サニー RZ-1(アールズィー・ワン)」が、追加ラインナップされました。

 外観はスラントノーズのフロントフェイス特徴的なウェッジシェイプで、ヘッドライトからテールランプまで続く直線で描かれたボディサイドプレスラインが、シャープな印象を高めています。

 搭載されたエンジンは、自然吸気とターボの1.5リッター直列4気筒SOHCで、発売から数か月遅れて、最高出力120馬力の1.6リッター直列4気筒DOHC「CA16DE型」エンジンを搭載した「サニー RZ-1 ツインカム」グレードもラインナップされました。

 さらに、内外装をドレスアップした「NISMO」バージョンも展開し、若いユーザーへ訴求することでサニーに対するイメージアップに貢献しました。

 その後1990年に7代目サニーが登場するとボディバリエーションはセダンのみとなり、サニー RZ-1は一代限りで生産を終えました。

●三菱「スタリオン」

 1980年代はターボエンジンの台頭で、国産車の高性能化が加速。そんななか三菱は1982年に、欧米のスポーツカーに匹敵する性能を目指した次世代スポーツカーとして、「スタリオン」を発売しました。

 外観は直線基調のシャープなフォルムの3ドアハッチバッククーペで、流行の最先端だったリトラクタブルヘッドライトを採用し、まさにクサビそのものといったウェッジシェイプのシルエットを実現。

 発売当初からターボエンジン車をラインナップし、トップグレードの「GSR-X」では7つのメーターを配置した(デジタルメーター仕様もあり)コクピットに、サポート性の高い本革のバケットシートを採用するなど、豪華かつスポーティな装いとなっていました。

 搭載されたエンジンは最高出力145馬力(グロス)を発揮する2リッター直列4気筒SOHCターボと、110馬力(同)の2リッター自然吸気エンジンを設定。

 ターボ車では、サスペンションは4輪ストラットの独立懸架に、ブレーキは当時としては先進的な4輪ベンチレーテッドディスクが装備されました。

 その後、自然吸気モデルは廃止され、1983年にはターボ車にインタークーラーが装着され最高出力は175馬力(グロス)まで向上。

 さらに、1984年には他社に先駆けて可変バルブシステムを採用した「シリウスDASH 3×2」ターボエンジンを搭載した「GSR-V」グレードが追加ラインナップされ、最高出力は200馬力(グロス)を誇り、2リッターエンジン車ではトップクラスへと躍進しました。

 モデルライフの終盤だった1987年には2リッターのシリウスDASH 3×2エンジン車に、輸出用の迫力あるブリスターフェンダーを採用したワイドボディの限定車「GSR-VR」が登場。翌1988年には最高出力175馬力(ネット)の2.6リッターターボエンジンを搭載したカタログモデルのGSR-VRに一本化されました。

 そして、1990年に実質的な後継車の「GTO」にバトンタッチするかたちで、スタリオンの歴史は幕を下ろしました。

※ ※ ※

 前述のとおりデザインには流行があり、とくに近年はつり上がった目のようなヘッドライトのフロントフェイスがトレンドです。

 このデザインに大きく影響したといえるのがLEDヘッドライトで、ハロゲン灯やHIDだった頃よりもデザインの自由度が高くなりました。

 こうしたパーツ単位の技術革新も、デザインの変化には重要な要素だということでしょう。

こんな記事も読まれています

今季10戦目にしてなんと5回目の11位……ヒュルケンベルグ抜群の安定感も”入賞圏外”に落胆「新しいポイントシステムが必要だ」
今季10戦目にしてなんと5回目の11位……ヒュルケンベルグ抜群の安定感も”入賞圏外”に落胆「新しいポイントシステムが必要だ」
motorsport.com 日本版
オートバックスセブン、林野庁と協定締結 店舗での国産木材使用を拡大
オートバックスセブン、林野庁と協定締結 店舗での国産木材使用を拡大
日刊自動車新聞
そういえば滑りづらくなった!? 首都高の二輪車安全対策「フィンガージョイントすべり止め」「カーブ部のカラー舗装延伸」とは?
そういえば滑りづらくなった!? 首都高の二輪車安全対策「フィンガージョイントすべり止め」「カーブ部のカラー舗装延伸」とは?
バイクのニュース
日産が新型「軽“ワゴン”」発表! ホンダ「N-BOX」対抗の「超背高モデル」! 超スゴイ“ピンク”も追加の「新ルークス」に販売店でも反響あり
日産が新型「軽“ワゴン”」発表! ホンダ「N-BOX」対抗の「超背高モデル」! 超スゴイ“ピンク”も追加の「新ルークス」に販売店でも反響あり
くるまのニュース
「ChatGPT」車載化、VWがゴルフやティグアンにオプション設定…欧州仕様
「ChatGPT」車載化、VWがゴルフやティグアンにオプション設定…欧州仕様
レスポンス
アクセルを戻せば減速する……のはわかる! でも説明しろと言われると悩むエンジンブレーキの「仕組み」とは
アクセルを戻せば減速する……のはわかる! でも説明しろと言われると悩むエンジンブレーキの「仕組み」とは
WEB CARTOP
フレッシュアップされたBMW 3シリーズの全情報 価格から走行性能&比較テストまで 新型BMW 3シリーズのすべて
フレッシュアップされたBMW 3シリーズの全情報 価格から走行性能&比較テストまで 新型BMW 3シリーズのすべて
AutoBild Japan
ついに始まった首都高「新ルート事業」の凄さとは 「箱崎の渋滞」も変わる!? 都心に地下トンネル「新京橋連絡路」爆誕へ
ついに始まった首都高「新ルート事業」の凄さとは 「箱崎の渋滞」も変わる!? 都心に地下トンネル「新京橋連絡路」爆誕へ
くるまのニュース
新型コンパクトSUV『EMZOOM』、世界市場で成功…中国広州汽車
新型コンパクトSUV『EMZOOM』、世界市場で成功…中国広州汽車
レスポンス
日本でまさかの拳銃を使ったタクシー強盗発生! キャッシュレス化で現金をもたない仕組み作りが一番の解決策
日本でまさかの拳銃を使ったタクシー強盗発生! キャッシュレス化で現金をもたない仕組み作りが一番の解決策
WEB CARTOP
本田宗一郎とイーロン・マスクに共通点があった? 稀代の経営者を支える「無知の知」とは何か
本田宗一郎とイーロン・マスクに共通点があった? 稀代の経営者を支える「無知の知」とは何か
Merkmal
全長5m級!トヨタが新たな「ラージSUV」まもなく発売!? 17年ぶり復活! 斬新フェイス&車中泊出来そう空間の「クラウン」 発売はどうなった?
全長5m級!トヨタが新たな「ラージSUV」まもなく発売!? 17年ぶり復活! 斬新フェイス&車中泊出来そう空間の「クラウン」 発売はどうなった?
くるまのニュース
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
バイクのニュース
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
motorsport.com 日本版
驚異のパフォーマンス向上! 最新スパークプラグの技術とその効果~カスタムHOW TO~
驚異のパフォーマンス向上! 最新スパークプラグの技術とその効果~カスタムHOW TO~
レスポンス
シボレー コルベット【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
シボレー コルベット【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-1「JB64のシートを移植しよう」
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-1「JB64のシートを移植しよう」
グーネット
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年6月20日時点
【新車価格情報】軽自動車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年6月20日時点
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

26件
  • スタリオン、カッチョエ〜なぁ。
  • 自分が免許取りたての頃、まだ、アルシオーネもスタリオンも新車で買えたが、どの自動車雑誌も「変なデザイン」「不格好」と悪口ばかりだった。自分は大好きで憧れの車だったが、車好きの友達全員から「お前の美的感覚はおかしい」「センス悪い」と散々バカにされた。「ホレボレするほどカッコイイ??」30年前のあいつらに聞かせてやりたい!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

122.7186.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.9458.0万円

中古車を検索
サニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

122.7186.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.9458.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村