北欧フィンランドのタイヤメーカーであるノキアンタイヤ。日本ではさほど知られていないが、創業は1898年(明治31年)と古く、1934年(昭和9年)には世界初のウインタータイヤを開発した老舗メーカーだ。近年は省エネ性能に優れたスタッドレスタイヤの開発に定評があり、多くの欧州自動車メーカーからの承認や推奨を受けている。日本では2017年から阿部商会が総輸入販売元となり、スタッドレスタイヤやアーバン・ウインタータイヤから販売が開始されている。
そしてこの度、サマータイヤの“HAKKA(ハッカ)”シリーズも導入される運びとなったのだが、実はその開発ドライバーを務めたのが同じフィンランド出身の元F1チャンピオンである、あのミカ・ハッキネン氏である。98年と99年の2年連続でF1のチャンピオンに輝き、同世代のミハエル・シューマッハから最大のライバルと認められたハッキネン氏。当時からタイヤの開発テストにおいても優れた能力を発揮したことで知られている。
そんなハッキネン氏はノキアンタイヤのアンバサダーも務めており、今回はそのプロモーションのために来日。carview! のインタビューに答えてくれた。
――ハッキネンさんはノキアンタイヤのサマータイヤの開発にどのように携わったのでしょうか?
ハッキネン氏:私は6歳の時からカートをはじめ、F1に至るまで多くのカテゴリーでモータースポーツのキャリアを重ねてきました。そのプロセスにおいて多くのタイヤメーカーの開発にも参加しました。F1のようなハイスピードで走るには、当然ながら経験と能力が必要です。ノキアンタイヤの求めていたものはタイヤのグリップレベルやブレーキパフォーマンスを最大化することでしたが、私はドライバーとしての能力を使って何が必要かを彼らにフィードバックしていきました。アグレッシブにブレーキし、スムーズにターンインして、再びアグレッシブに加速していく。つまり可能な限り最短の時間でコーナーを走るために、タイヤができることは何なのか。その答えをテストドライバーとして引き出すことが私の役目だったわけです。
――具体的にノキアンタイヤの開発スタッフに、どんなアドバイスを与えたのですか?
ハッキネン氏:F1マシンであれロードカーであれ、タイヤを開発する上でのフィロソフィーは共通です。最も重視することは“セーフティ(安全性)”であるということです。それを実現するため、われわれは数多くの問題についてディスカッションしました。タイヤの構造、サイドウォール、そしてもちろんコンパウンドなどについてです。タイヤはエリア別に異なるテクノロジーが盛り込まれ、それらの組み合わせによって成立していますから、バランスがとても重要です。開発テーマの具体例をひとつ挙げると、タイヤが発熱した時に、タイヤの外側、中心、内側の各ブロックの温度にバラつきを生じさせないことにフォーカスしました。各ブロックの温度バランスが取れていないタイヤの場合、走りが安定しないのです。それではドライバーに自信を与えることはできません。タイヤの内側と外側で温度のバランスが取れているかどうか、テストを繰り返しながら改善していきました。
――日本のタイヤマーケットには国産メーカーをはじめ、欧米のメーカーからも多くの商品が販売されています。その中で日本のユーザーがノキアンタイヤを選ぶべき理由を教えていただけますか?
ハッキネン氏:まず一番の理由は、私がテストしていることでしょう(笑)。ノキアンタイヤを履けば、あなたもF1を2度制した私と同じドライビングを楽しめるはずですよ!(笑) もちろん、そのほかにも理由はたくさんあります。120年というノキアンタイヤの歴史や、開発エンジニアの技術レベルの高さも重要な根拠になるはずです。それからノキアンタイヤは、過酷な環境でも使えるタイヤだということを強調しておきたいですね。私は運転の練習をする時は、あえて天気の悪い日を選んで練習していました。厳しい条件でテストするからこそ技術が身につくのです。フィンランドの大地で鍛えられたノキアンタイヤは、何よりも安心と安全を重視して作られているのです。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?