F1第5戦マイアミGPは、F1人気が沸騰しているアメリカでの開催ということもあって、スタート前のセレモニーから特別な催しが行なわれた。しかしF1ドライバーたちからは非難の嵐となっている。
マイアミGPのスタート前セレモニーでは、かなり力の入った演出が行なわれた。オーケストラの演奏と共に、ホームストレートに設置されたゲートからドライバーがひとりずつ登場。それをアメリカのラッパー、LL・クール・Jがひとりずつ紹介した。
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演奏された曲は、土曜日にリリースされたばかりの新曲「The Formula」。オーケストラを指揮したウィル・アイ・アムとリー・ウェインがF1にインスパイアされて作った曲だという。
ただ、こうした催しのためにドライバーたちはレース開始予定時刻の23分前に招集された。前戦アゼルバイジャンGPの伝統的なスタート前イベントでは、16分前の集合となっていた。
こうした変更にドライバーたちは冷ややかな反応を示し、金曜日の夜に行なわれたドライバーズブリーフィングの段階から、「この手順は長すぎる」「二度とやりたくない」という声が上がっていた。
メルセデスのジョージ・ラッセルは「気が散る」とコメント。エンターテインメントとしては仕方のない部分があるとしながらも、複雑な気持ちだと語った。
「これがアメリカ流のスポーツのやり方なんだろうね。個人的には、僕には向いていないかもしれない」
「僕はレースをするためにここにいる。ショーのために来たんじゃない。勝つためにいるんだ」
「太陽の下、30分もオーバーオール(ドライビングスーツ)姿でグリッドにいるんだから、気が散ってしまう」
「”ビジネス”をする30分前に、太陽の下でカメラを向けられ、ちょっとしたショーをするスポーツは世界でも他にないと思う」
「エンターテインメントの世界では、それを評価することもできるだろう。でもさっきも言ったように、僕たちはこのスポーツのためにベストを尽くしたいだけなんだ。変化には寛容だけど、毎週末それを見たいとは思わないだろうね」
「各レースで僕が好きなのは国歌斉唱だ。気分が高揚するし、レースをしている国に敬意を表しているようなものだからね。追加ショーについては複雑な心境だ」
マクラーレンのランド・ノリスはグリッド全体がこのアイデアに反対しているとし、ドライバーがテレビ番組や観客との交流に割く時間を制限する必要があると付け加えた。
「どのドライバーもそれが好きじゃないけど、結局は僕たちのためのものではないんだ」
「僕たちはいろいろなことをやっている。ファンとの距離がこれほど近いスポーツはおそらくこれだけだろう」
「ドライバーとしては腰を据えて集中すべきことに集中し、テレビなどにはあまり出ないようにしたい。でも結局はビジネスなんだから、そうするしかないんだ」
「しかし、このようなことをどんどん増やしていくのは、どのドライバーも好まない」
一方、こうした催しの弊害なのか、ソーシャルメディアでは3度のF1王者に輝いたジャッキー・スチュワートが警備員に阻まれ、グリッド前方への立ち入りを許されなかったように見える映像が拡散され、批判されている。
またアストンマーチンのフェルナンド・アロンソは、F1には統一性が必要であり、アメリカでのレースだけを特別扱いしてはいけないと主張した。
今回のマイアミGPよりも盛大にレース前イベントが行なわれるインディ500にも2度出場しているアロンソは、こうしたイベントに理解を示しつつも、他国のファンも同様に熱狂的だと語った。
「みんなの視点も理解できるけど、僕はレース直前のああいうことはあまり好きじゃない。もしそれをやらなくてはいけないのなら、パレードラップのような他のイベントを削除する必要があると思うんだ。というのも、エンジニアとの準備や作戦会議の真っ最中だからだ」
「そしてもしやるなら、どこでも同じようにやるべきだ。マイアミのファンが、イモラやスペイン、メキシコ、日本のファンよりも優れているとは思わないからだ」
「レース前に同じルールで同じショーをみんなに見せる必要がある」
マイアミGPのウイナーであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)も、大方の予想通りスポットライトを浴びないことを好むと表明している。
一方でメルセデスのルイス・ハミルトンは、F1オーナーのリバティ・メディアがこうした新しいフォーマットを試すことを支持している。
「素晴らしかったと思う。僕は太陽が大好きなんだ!」
「それはクールなことだと思う。スポーツが昔と同じことをやっているだけではなく、常に成長し、進化し続けているんだ」
「彼らは新しいことに挑戦し、ショーをより良くしようとしているし、僕はそれを全面的に支持している」
「僕はLL・クール・Jを聞いて育ったけど、彼がそこにいたのはクールだった。そしてふと見ると、素晴らしいアーティストであるウィル・アイ・アムがいる。セリーナとビーナス(ウィリアムズ姉妹/女子プロテニス選手)が立っている」
「クールだと思ったし、僕としては何も問題ない」
セレモニーに気を取られる心配はなかったかと聞かれたハミルトンは、次のように答えている。
「先週の日曜日から集中しているし、ゾーンに入っていたんだ」
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