オフロードマシン ゴー・ライド5月号発売【走りを楽しむ! 林道ツーリングのためのキャンプ術】
オフロードマシン専門誌『ゴー・ライド』連載企画『令和の世に放つ 愛と青春のオフロードマシン』より、バイクが熱かった時代にラインナップされた懐かしのオフロードマシンを、”迷車ソムリエ”ことムッシュ濱矢が振り返る。本記事では、”クルマのトランクに積んで遊びにでかけた先でのちょっとした移動に使う”というコンセプトで誕生したレジャーバイクをムッシュが独断と偏見で紹介する。
●文:ゴー・ライド編集部(濱矢文夫)
家から50kmの大アドベンチャー
少し前に終わったNHK朝の連続テレビ小説、え~と、『カムカムカムギアトレーン』みたいな題名だったか。大正から令和まで3代のヒロインにまつわる物語で、その時代時代に合わせた小物とかがさり気なく置いてあったりする。こだわりはなかなか。ある日、その中にピカピカのホンダシャリイがあった。色は白に橙の’79年発売のモデルかな。チラ見だが’83年にデザインが変わる前だったと思う。ちなみにシャリーと明記されていることが多いが、シャリイが正式。スバルのワゴンがレガシーじゃなくレガシィなのと一緒で、細かいけど気になるところ。
シャリイは原付スクーターブームの前にあった10インチ小径ホイールの女性向け生活バイクで、乗りやすく日常の移動でちゃんと使える利便性が魅力。昔はそれ以外にも小径ホイールのおもしろい機種がたくさんあった。その最たるものが「レジャーバイク」と呼ばれる、移動手段としての機能を重視するより、見た目の楽しさや遊び心を大切にした小型の2輪車。ホンダのモンキーが起点になって、4スト/2ストと各社からいろんなモデルが誕生した。特に’70年代から’90年代前半までは百花繚乱で、それが生活シーンの至るところにあり、思い出として心に残っている人はとても多い。かくいう筆者もそのひとりである。
ホンダ ゴリラ
ホンダ ノーティダックスホンダ CY50
スズキ ホッパー50
カワサキ KV75
ヤマハ フォーゲル QB50
そのちっちゃいもの系の中には、50kmの距離を走るのをためらうほど実用的じゃないのもあったけれど、それを市場が許容。存在自体がおもしろく、欲しいと思う人が多かった。今は、ホンダのモンキー/グロム、次にダックスやカワサキのZ125プロなどあるが、比べて種類は多くない。理由はそんなに売れないから。それが時代の流れならしょうがない。いつものように昔は良かったなんて悔しいから言わないけれど、変なのがいっぱいあった事実を少し羨む。大人になることは効率的で正しいけれど、ムダが懐かしい。
ホンダ ゴリラ:2スト250ccのゴジラをキボンヌ(死語)
リヤがリジットからスイングアーム式になったモンキーZ50J型。5LタンクのZ50J-I型の兄弟車。9tタンク、マニュアル4速にちょっと大きなシートと、移動手段としてちゃんと乗れる仕様がゴリラだ。ゴリラと言えば、平面ガエルとひろしの物語に出てくるゴリライモを思い浮かべる’70年代終盤の発売。しかし、モンキーからちょっと大きいだけで”ゴリラ”なのはいかがなものか。チンパンジーかボノボでしょ。そして時が経ち、シリンダーがクララのように立ったエイプ(類人猿)が出たわけだ。だったら今のグロムはホモサピエンスとするのが正しい。ホンダ、ホ───ウホッ!! いいバイク。
―― 【HONDA GORILLA】■全長1365 全幅625 全高875(各mm) 車重67kg ■空冷4ストロークOHC単気筒 49cc 2.6ps/7000rpm 0.3kgf・m/5000rpm 変速機4段 始動キック式 ■タイヤサイズF=3.50-8-2PR R=3.50-8-2PR ●価格:10万8000円
ノーティダックスホンダ CY50:勝手な思い込みは燃えないゴミの日に捨てよう
固定観念は捨てよう。”聖水”と聞いて、すぐに乙女の◯◯◯◯を想像した人は恥ずかしい固定観念にとらわれている。同じくダックスホンダは、ダックスフントみたいに胴長短足なのが当たり前だと最初から決めつけてはいけない。胴長だけどカブC90エンジンで足の長いマイティダックスがある。そして、こんなダックスもあった。ヘッドライトは四角いし、気を抜くとエンジンを落っことしそうな普通のダックスと違い、ぐるっと囲ったフレーム。エンジンは寝起きのヤングボーイみたいに立ってるCB50系。バルーンタイヤだしスタイルからしてそこはかとなくラベンダー…じゃなくスズキバンバン50の香りがするわ、深町くん。
―― 【HONDA NAUTY DAX HONDA CY50】■全長1620 全幅770 全高985(各mm) 車重80kg ■空冷4ストロークOHC単気筒 49cc 4.5ps/9500rpm 0.35kgf・m/8000rpm 変速機4段 始動キック式 ■タイヤサイズF=5.40-10 R=5.40-10 ●価格:9万8000円
スズキ ホッパー50:時速60キロは厳しいけどカワイイから許す
ホッパーといっても、ピーター・フォンダと一緒にチョッパーハーレーで走ったホッパーとは違う。「いつものら~めん 偉そなハイウェイ~♪」と空耳で歌いたくなる曲が流れる映画。415馬力で最高速が500km/hという、スズキRA125がベースとは思えない性能を誇る仮面ライダーブラックの愛車でもない。スズキがまだ2スト専門だった時代に、モンキーのようなものが欲しくて作ったレジャーバイク。アクセントになっている「●」の内側に樹脂の燃料タンクが入っていて、先に行くほど薄くなるヘッドライトステーなど造形が楽しい。エンジンはフリー50から。
―― 【SUZUKI HOPPER 50】■全長1340 全幅700 全高880(各mm) 車重62kg ■空冷2ストローク単気筒 49cc 3.0ps/6000rpm 0.37kgf・m/5500rpm 変速機3段 始動キック式 ■タイヤサイズF=3.50-8-4PR R=3.50-8-4PR ●価格:7万2000円
カワサキ KV75:KS/KSRシリーズのアニキ
『熱血硬派くにおくん』みたいな強面のイメージがあるカワサキにも、モンキーのようなものがあった。その理由は、大きなマーケットがある北米でもモンキーが売れたからだ。もともと初の市販モンキーは輸出専用だったCZ100なのだから、国内より海外。これのベースとなったのは、’71年に発売した輸出車の75MT1である。ここですでに基本はできていた。ハンドルが折り畳めて、ピストンバルブの2ストロークエンジンは前進3段変速。’77年から国内でも販売。2ストでモンキーより排気量を大きくしたところが、よりパワフルで速くしようとしたがるカワサキらしいところ。たまにはまじめな解説。
―― 【KAWASAKI KV75】■全長1390 全幅610 全高890(各mm) 車重59kg ■空冷2ストローク単気筒 73cc 4.3ps/5750rpm 0.59kgf・m/2000rpm 変速機3段 始動キック式 ■タイヤサイズF=3.50-8-2PR R=3.50-8-2PR ●価格:10万4000円
ヤマハ フォーゲル QB50:ミニトレ/YSRも基本が同じ2ストエンジン
この車種選びはゴー・ライド編集部に任せた。それは筆者が適当なのでは決してなく、何でもバッチコーイだからだ。まぁそれは置いといて、ヤマハの中でポッケじゃなくフォーゲルを選んできたのが、じつにニクイ。YMOよりP-MODELを選ぶようなセンスの良さ。まがりなりにもオフロードマシンの専門誌なのだから、どこを走っても疲れそうな6インチタイヤで超ショートホイールベースのポッケより、8インチのノビータイヤでアウトドア風デザインのフォーゲルを選ぶのは当然なのかもしれない。オフの難所は走破できなくてもいいのだ、だって乾燥重量57kgだから、持ち上げて運べばいい。
―― 【YAMAHA VOGEL QB50】■全長1485 全幅690 全高950(各mm) 車重57kg ■空冷2ストローク単気筒 49cc 3.0ps/5500rpm 0.42kgf・m/4000rpm 変速機4段 始動キック式 ■タイヤサイズF=3.50-8-2PR R=3.50-8-2PR ●価格:11万9000円
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みんなのコメント
オートバイの免許も自動二輪大型小型だけで、普通大型を取るからすべての車種に乗れた。
なので大型二輪免許保持者がミニトレ50(80)やDAX50(70)に普通に乗ってた。
ミニバイクや原付クラスもムチャクチャ種類があって素晴らしい時代だった。
売って欲しいなあ。