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インディカー第7戦/ストリートレース復活のデトロイトGP。パワーとの一騎打ちを制したパロウが初代ウイナーに

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インディカー第7戦/ストリートレース復活のデトロイトGP。パワーとの一騎打ちを制したパロウが初代ウイナーに

 1982年に始まったデトロイトのダウンタウンでのF1グランプリは1988年まで続き、それを受け継いでCARTインディカーワールドシリーズが、コースレイアウトを少し変更して1989年から1991年までレースを行った。

 しかし、ダウンタウンでのレース開催には反対の声もあり、CARTのレースは1992年からは街のすぐ北のベル島に設けた特設ロードコースで開催されるようになった。インディカー・シリーズでの開催となりベル島でのレースは2022年まで続く。そして、ついに今年デトロイトGPのダウンタウン開催が復活した。

アクシデント多発のレースをパロウが完勝【順位結果】インディカー第7戦デトロイトGP決勝

 ベル島でのレースを続けてきたデトロイトだったが、自動車産業の首都には、以前のようなダウンタウンのストリートを使ったレースが相応しい、という声が高まってきたのだ。

 NTTインディカー・シリーズ第7戦として開催されたデトロイトGP。GMのワールド・ヘッドクォーターであるルネッサンスセンターを中心にコースをレイアウトする点は、F1グランプリ時代と変わらないが、コースはまったくの新デザインとされた。

 バックストレッチが非常に長く、その先にはヘアピン状のタイトターンが待ち構えている。ハードブレーキングが必要なので、そこでオーバーテイクが頻発するだろう……との期待がもたれた。新コースにはダブルピットレーンというユニークなトライもされた。広いピットロードの両サイドにピットボックスを並べるものだ。

 一般道路のため、コースはとてもバンピーで、場所によって舗装の材質も異なる。金曜日に初めての走行を終えたドライバーたちからは、「コース全長が短い」、「ブレーキングゾーンがとてもバンピー」、「タイト過ぎる」、「パスは難しい」といった声が聞かれた。


 予選でポールポジションを獲得したのはアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)。インディ500から2戦連続のポール獲得だ。予選2番手だったスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)にコンマ3秒という大差をつけてのPP。この時点でパロウの優位がかなり大きいことは感じられていた。

 3番手はロマン・グロージャン(アンドレッティ・オートスポート)、4番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。



 レースは日曜日の午後3時半スタート。気温は予選時より4度ほど低く、過ごしやすい1日となった。

 インディNXTのレースが行われたタイヤラバーの乗った路面でインディーカーのレースは始まった。

 パロウはソフトタイヤで逃げ、2番手以下を大きく突き放した。彼に対抗できたのは、ハードタイヤでスタートした予選7番手のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だけに近かった。ソフトのグリップが失われたスティント終盤に差を一気に詰め、ピットストップでソフトタイヤにスイッチした後にパロウをパスしたパワーがトップに立つ。



 しかし、今度はパワーがソフトタイヤのライフの短さに悩まされる番で、パロウは60周過ぎにトップの座を奪い返した。

 これで勝負アリ、と思われたが、レース終盤になってアクシデントが連発。パロウの築いた差は霧散した。

 パワーはペースカーランでタイヤの温度を上げるのに苦労しながらも、リスタートでパワーに付け入る隙を与えなかった。

 その結果、ヘアピンでディクソンに追突されたパワーはアレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)の先行を許し、最後のリスタートではパロウにアタックするチャンスを得ることができなかった。

 ロッシを抜いて2番手に復活した時には、もうパロウは手の届かないところまで逃げていた。



 ロッシはその後にチームメイトのフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレン)と争って敗れ、後続にも付け入る好きを与える結果となってゴールは5位。ローゼンクイストが3位で表彰台に上り、4位はディクソンのものとなった。

「ストリート初勝利だけにとても嬉しい」とパロウは喜んでいた。「このチームのマシンはどのコースに行っても速い。クルーやエンジニアたちが素晴らしい仕事をしているからだ」ともパロウはコメントしていた。

 パロウのシーズン2勝目はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)に並び、今シーズンふたり目。しかし、パロウのポイントリードは51ポイントと1レース分のポイントとほぼイコールの開きを持つこととなった。ランキング2位につけているのはチームメイトのエリクソンだ。

 デトロイトGPの6位はカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート)。スタート直後のターン3で追突されてリヤウイングを失ったが、ピットに戻って修理を行ったマシンでコースに戻ると、驚くべきペースで次々ライバルをパスしていった。



 7位はマクラフランで、8位はルーキーのマーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。彼がルーキー最上位フィニッシュ。9、10位はエリクソンとニューガーデンだった。

 2021年インディカーチャンピオンのパロウは、今回の勝利は2023年のチャンピオン候補に名乗りを上げる勝利となった。

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