2024年のル・マン24時間レースはフェラーリの50号車が優勝。長らくトップ集団でレースを進めていたTOYOTA GAZOO Racingの8号車は、終盤に接触を受ける不運などもあり、5位に終わった。
11番手からのスタートとなった8号車は、序盤からポジションを上げてトップ集団に加わると、雨により長時間のセーフティカーランを強いられたレース中盤には首位に浮上。そして終盤にはまたも強い雨が降り出して各車ウエットタイヤでの走行となったが、8号車は首位を行くフェラーリ50号車を猛追していた。
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しかし残り2時間というところで、8号車をドライブするブレンドン・ハートレーは後続のフェラーリ51号車にミュルサンヌで接触されてしまった。これによりスピンを喫した8号車はポジションを6番手まで下げてしまい、優勝争いから大きく後退した。なおこの接触に関してはフェラーリ側に5秒のタイムペナルティが科されている。
結果的に5位でレースを終えた8号車だが、長きに渡って総合優勝争いを繰り広げていただけに、チーム、ドライバーにとっては悔しい結果となった。4度のル・マン覇者として、スタート、そしてフィニッシュという重要な場面でステアリングを握ったセバスチャン・ブエミはトヨタのプレスリリースに向けたコメントの中で、終盤の接触がなければ勝てていたはずだと述べた。
「正直なところ、5位という結果は少し残念だ」
「我々は長時間にわたって首位を走っていたし、終盤のアクシデントがなかったら勝てていたと思う。我々のペースは良く、ミスも無かっただけに、この結果はとても悔しい」
「チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、エンジニアも的確な戦略判断をしてくれた。ブレンドンと(平川)亮の走りも素晴らしく、我々のパフォーマンスはとても良かったと思う。今は次戦ブラジルへ向け気持ちを切り替えて頑張るだけだ」
またハートレーも、この悔しさを忘れるには数日かかるだろうとして、次のようにコメントした。
「ファンの皆にとっては最高のレースだったが、この結末は本当に悔しい」
「我々はレースの大半で勝利を争える位置にいたが、セーフティカー出動時に幾つかポジションを下げ、その後再び2番手まで巻き返して首位を狙ったが、接触されてしまった」
「その結果、レースの残り数時間というところで勝利の権利を失ってしまった。掴みかけていた勝利が逃げていってしまった感じだった。チーム全員での努力の結果として、1台が表彰台に上がれたことは嬉しいが、あと少しだったのに、という悔しさもある。この悔しさを忘れるには、数日かかりそうだ」
また、2位に終わった昨年のリベンジをするべく「優勝以外はリベンジとは言えない」と勝利に向けた並々ならぬ意欲を見せていた平川も、不運により優勝が遠のいたことへの悔しさを隠しきれない様子。このように語った。
「何と言っていいかわかりません」
「この難しいコンディションの中で、我々はチーム一丸となって全力を尽くしました。レースウィーク中はずっと頑張ってきましたし、昨年の雪辱を果たしたかったです」
「チャンスはありましたが、運がありませんでした。特に長時間にわたってレースをリードし、本当に必死で頑張ってきただけに、悔しいです」
「我々は強くなくてはなりません。残りのシーズンへ向けて気持ちを切り替え、巻き返しを図るべく、より強くなって戻って来ます」
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