■便利な「スマホホルダー」取り付け位置によっては違反になる!?
クルマの運転席まわりに、スマートフォン(以下、スマホ)を固定する「スマホホルダー」を取り付けている人が増えていますが、スマホホルダーの取り付け位置によっては交通違反に該当する可能性もあります。
一体どのような設置方法が違反に該当し、そしてどこに付ければ安全なのでしょうか。
【画像】「これはアウトー!!」 これが違反になる「スマホ設置例」です!(19枚)
今やスマホは日常生活のあらゆるシーンにおいて活用されており、クルマの運転中もその例外ではありません。
例えば、運転時のカーナビゲーションとしてスマホでナビアプリを使用したり、オーディオから好きな音楽を流すことも可能。また、ハンズフリーキットを用いればスマホを触らずに通話することもできます。
しかしその一方で、運転中のスマホや携帯電話の使用については様々な制限も存在し、「運転中にスマホを手に持って通話する」行為は当然として、たとえ通話をしていなくとも「運転中にスマホを持って画面を注視する」ことも“ながら運転”と見なされ、道路交通法違反として「違反点数3点+6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金+1万8000円の反則金(普通車の場合)」が科せられることがあります。
さらに、スマホを保持しての通話や画面を注視したことによって交通事故を起こした場合は、より重い刑罰が適用され「違反点数6点+30万円以下の罰金」が科せられます。
この違反点数は、即座に免許停止となるものであり、それだけ運転中のスマホの使用は危険であると認識されているのです。
そんな危険な“ながら運転”を防ぎながら、ナビアプリやオーディオアプリを安全に使用できる手軽で安価な方法が、「スマホホルダー」を使用することです。
これはスマホを運転席の周辺に取り付けるアイテムで、それゆえスマホを手に持ったり注視する必要が無くなるため、実際にクルマに装着しているという人もいるでしょう。
しかしこのスマホホルダー、実はどこに取り付けても良いということはなく、装着場所によっては法律違反に該当し、違反点数の加算や罰金を科せられる可能性があります。
まず取り付けてはいけない場所が「フロントガラス」です。
これは「道路運送車両法」の第3章(道路運送車両の保安基準)により、通信機器・ドライブレコーダー・防犯カメラ・車間距離測定器といったもの以外はフロントガラスに設置してはいけないと定められているため。
上記以外の許可されていない機器をフロントガラスに取り付けて運転した場合、「道路運送車両法第71条」の違反とみなされて、「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」を科せられる可能性があるのです。
また、「ダッシュボードの上」は取り付けやすいことから実際にスマホホルダーを装着している人を多く見ますが、ここも注意が必要。
運転席に座った際に、車両の前方にある高さ1mの円柱が見えなくなるような取り付け方法は危険であることからNGとされています(「道路運送車両の保安基準」第21条の「直接前方視界の技術基準」)。また、これにはスマホホルダーに限らず、ヌイグルミや後付けモニターなども含まれます。
そのほか、多数派ではないものの「サイドガラス、サンバイザー、バックミラー」にスマホホルダーを装着している人もいますが、これに問題は無いのでしょうか。
これらの箇所については、スマホホルダーの取り付けを明確に制限する法律は現在のところ存在しないようです。
しかしいずれも安全な運転に必要な視界の確保に役立つ場所であるため、これを遮ってスマホホルダーを設置すると「道路交通法70条」の安全運転義務違反に問われる可能性は否定できません。
そして違反に問われた場合、「違反点数2点+罰金9000円」が科せられることがあるので注意が必要です。
※ ※ ※
上記の内容を考慮すると、スマホホルダーを設置できる場所は想像以上に自由度が低いことが分かります。
前方の視界を防がないよう高さに注意しつつダッシュボード上に設置するか、エアコン吹き出し口などのダッシュボード前面にクリップやマグネットで取り付ける方法、あるいはコンソールなどのカップホルダーに固定するタイプが、違反にならず安全に固定できる箇所と言えそうです。
また急ブレーキなどの衝撃で簡単に外れてしまうようでは乗員に危険を及ぼす可能性もあるので、しっかり取り付ける必要があります。
しかしいずれの箇所にスマホホルダーを設置したとしても、スマホの画面を運転中に注視してしまっては元も子もありません。
基本中の基本ですが、ナビアプリやオーディオアプリなどの使用時も走行中の操作は控え、クルマの前方をはじめとした周囲への注視を怠らず、ながら運転をしないよう意識することが大切です。
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