消費税の影響 判断は11月以降
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)
日本自動車販売協会連合会がまとめた2019年10月の登録車の新車販売台数(速報値)は、前年同月比26.4%減の19万2504台と4か月ぶりのマイナス。
しかも10月単月としては統計をとり始めて以来過去最低の数字となった。なお、軽自動車と合わせた新車販売台数でも同24.9%減の31万4784台と、4か月ぶりの前年割れに落ち込んだ。
10月の登録車のブランド別新車販売台数では、新型車を積極的に発売したレクサスだけが前年同月比18.7%増の4474台とプラスを記録。
それ以外はすべて2桁のマイナスで、トヨタが同21.7%減の9万8208台、ホンダが同40.5%減の1万8393台、日産が同36.9%減の1万7899台、マツダが同10.5%減の1万143台、スズキが同22.3%減の6973台、スバルが同52.1%減の5033台、ダイハツが同28.0%減の2729台、三菱が同33.1%減の1992台と前年割れを記録した。
登録車の新車販売の動きについて業界団体の関係者は、「10月期は台風19号など災害が相次いで客足が鈍ったこともあり、新車販売は大きく落ち込んだ。昨年10月が好成績(前年同月比13.0%増の26万1554台)だったことも、2桁のマイナスとなった一因。消費税増税の影響があったことも推測されるが、これに関しては11月以降の動向を見ないことには断定できない」と解説。
今後については「新型車の受注自体は堅調で、また年末にかけて販売を伸ばしそうな新型車が精力的に発売される予定なので、復調する可能性は十分にある」と予測した。
カローラ 11年ぶりの栄冠
このような状況のなか登録車の車名別ランキングでは、9月に新型に移行したトヨタ・カローラが前年同月比29.5%増の1万1190台を達成して2008年11月以来、約11年ぶりのトップにつく。
新型は発売1か月の受注がカローラ5400台(月販目標台数1700台)、カローラツーリング1万3700台(同5400台)、カローラスポーツ3000台(同2300台)の計2万2100台を記録しており、今後も首位争いを展開する見込みだ。
前月首位のトヨタ・シエンタは、同5.5%減の9302台にとどまって第2位に陥落。続く第3位には、同8.1%増の6962台を記録したトヨタ・ルーミーが5つ順位を上げてランクインした。
話題のニューモデルの販売成績を見ていこう。
4月にフルモデルチェンジしたトヨタRAV4は月販目標の3000台を上回る3919台を販売して第13位に。
10月に発売された新型クロスオーバーSUVのマツダCX-30は、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」搭載車の発売がまだながら2525台を記録して第21位に入った。
マツダ2、フリード、セレナ 結果は?
また、デミオから改称して9月より販売をスタートしたマツダ2は2080台を記録して第25位に。
5月にアクセラから実質的な移行を果たしたマツダ3は1891台を販売して第27位に位置。デビューから1年あまりが経過しながら月販目標台数(900台)を超える954台を記録したレクサスUXが第37位に入る。
さらに、観光立国推進におけるタクシー車両の切り替えに伴う需要が発生して販売が伸びるトヨタ・ジャパンタクシーは前年同月比3.6%増の771台を記録して第41位に。検査体制の再構築を図るとともに増産体制に入ったスズキ・ジムニーシエラは同34.5%増の698台で第44位にランクインした。
一方、10月にマイナーチェンジしたホンダ・フリードは同35.3%減の4368台で第11位、8月にマイナーチェンジした日産セレナは同32.7%減の4313台で第12位と、数字を伸ばせなかった。
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