横浜ゴムは、2024年2月からADVAN dBシリーズの新作「ADVAN dB V553(アドバン デシベル ブイ ゴーゴーサン)」の発売を開始します。「新品時だけでなく摩耗時にも優れた静粛性を発揮するプレミアムコンフォートタイヤ」とは、まさに無敵か!?特設コースと一般道にて、その実力をチェックしてきました。
コンセプト ─── もっと静かに!からもっと長ーく静かに!!
「ADVAN dB V553」は、2017年より販売され高い評価を受けている「ADVAN dB V552」の後継モデルとなります。フラッグシップブランド「ADVAN」に、音圧を表す「dB(デシベル)」という符号がついているのを見ればわかるように、追求しているのは静粛性特化の高性能です。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
日本市場においても、ユーザーがタイヤ選びの中で重視する要素として、「快適性」は常に高い比率を占めてきました。加えて最近では、ドライブも含めた長距離を走る機会が多いドライバーを中心に、「長続き」する静粛性が求められているといいます。
そのため、付加価値の高い商品戦略に長けた横浜ゴムのラインナップにあってV553は、ただ静かなだけでなく、上質な静粛性の持続という新たなプレミアム ラグジュアリー性も求められました。
上質な静粛性を生み出すにあたってADVAN dB V553は、パターンノイズの抑制とノイズ周波数の分散化を狙ったユニディレクショナルパターンデザインを採用しています。4本のストレートグルーブで5つのエリアに分けて、それぞれに最適なパターンを配しました。
テクノロジー考察 ─── イン側はウェット、アウト側はドライを担う
イン側から見て1列目ショルダーには、細かなブロックを配するとともに、2列目と3列目ではサイプと面取りの形状を調えることで、パターンノイズを抑制。イン側センターリブは千鳥配置とすることで、ノイズ全般の周波数分散を図っています。ちなみにイン側のパターンデザインは、排水性の向上にも気を配っているそうです。
ロードノイズ対策の要はADVAN dB専用コンパウンドを核とする、素材系や構造面でのブラッシュアップと言えるでしょう。人間が耳障りに感じる周波数帯のノイズを低減したり、タイヤの振動を抑制することで質の高い静粛性を実現しています。
クラウン クロスオーバーにフィットする225/45R21など、重量級のプレミアムモデルにも対応するラインナップが揃うことから、剛性確保も気になるところ。広い溝面積を確保しながらブロック剛性を高めるために、従来型よりもやや硬めのコンパウンドを使用しているようです。
また、アウター側に配された3Dサイプのラグ溝、イン側に比べてストレートグルーブを細めにするなど、最適化されたブロックの接地面などが、優れた操縦安定性を生み出します。
実はこの溝が、摩耗時のウェット性能やパターンノイズの低下を抑制するポイント。たとえばアウト側の溝が細くなっていることで、摩耗時には溝がさらに細くなり、パターンノイズの悪化を抑制するのだそうです。
なお、ADVAN dB V553は15インチ以下のコンパクト/軽自動車サイズにも、製品ラインナップを充実させています。より軽量な車両向けで幅が狭いサイズに対応するために、185以下では別パターンのADVAN dB「V553A」が用意されました。
発売当初は、この14~15インチのV553Aが17サイズ、195/65R15~21インチのV553は29サイズからの合計46サイズが設定されています。
特設コース試乗 ─── よりまろやかな味わいが印象的
試乗会は2部構成。前半は、トヨタ クラウン クロスオーバーを使って広大な駐車場に作られた特設コースで行われました。タイヤは、旧モデルと新モデルで、それぞれに約2万5000kmを走行した状態のものと、新モデルの新品状態、合計3タイプでのチェックとなります。
試乗のシチュエーション的には、30~40km/hほどで走る市街地を模した短めの直線から、幹線道路と首都高速道路などをイメージさせる50~80km/hほどの長い直線、そしてタイト気味のワインディングを思わせるS字コースが用意されていました。そこを2周×2セット、乗り換えながら試してみます。
まずは新型の新品と摩耗時の違いについて。体感的には、市街地の領域では摩耗後の方がわずかにこもり音が重めに伝わってくるかな、程度の違いです。摩耗時は速度が上がるとややざらついた感触が強まり、それに合わせてノイズの音域も広がる感じがありました。
もっとも逆に、少しこじるように走らせたパイロンターンでやや大きめの荷重をかけると、摩耗後の方が新品より穏やかな音質に感じられたのが、興味深いところでした。
摩耗後の新旧比較では、旧型のほうが全体的に「硬さ」をより明確に感じさせます。ノイズは、こもり音が少し強まったような印象。正直言えば、旧型でも摩耗後のやれ感はけっして悪いレベルではありません。それでも、新型はよりまろやかに躾けられているように感じられました。
一般道試乗 ─── 4WD PHEVモデルとの相性も良好
試乗プログラム後半は、一般道で4種類のクルマに装着したものをチェックします。試乗会場から自動車専用道路を走り、途中から一般道に下りて市街地を走行。ただし、このコースがどこに行っても路面的にはそうとう荒れており、静粛性でも快適性でも、タイヤにとって総じてシビアなテストコンディションだったことはまず、触れておきたいと思います。
そのため、とくに遮音性能が比較的厳しい軽自動車では、静粛性に関してはそうとう厳しいものがありました。それなりにヘビーなスーパーハイト軽ワゴン(NBOX CUSTOM)とはいえ、コンパウンドの角が立っている感触とあいまって凹凸にも敏感に反応している感覚があります。結果的に、乗り心地もラフな印象に終始しました。
一方で荷重がかかる大型ミニバン(試乗車はトヨタ アルファード ハイブリッドFF)や、パワートレーンが重めの4駆のSUV(三菱 エクリプスクロスPHEV)との相性は、かなり良い感触です。
最新のハイブリッドセダン(トヨタ プリウス)も含め、もともと静粛性や操安性に優れているテストカーでは、おおむね狙いどおりの性能が実感できます。路面の状態によっては細かな凹凸を拾う硬さを伝えてくることはありましたが、素直なハンドリングのフィールも含めて心地よく走ることができました。
まとめ ─── ほどよい自己主張だから、ながーくお付き合いできそう
今回、それぞれに個性的なテストカーを乗り継いぎながら改めて感じたのは、長距離ドライブとはクルマとの対話であるとともに、タイヤとの対話でもある、ということでした。
dB V553のようにノイズ的にもパフォーマンス的にも、「自己主張のレベル」がほどよくまとまっているタイヤとなら、じっくり腰を据えて長い時間を付き合うこともできそうです。
さまざまなストレスが少なければ、運転も自然に優しく丁寧になっていくもの。日常的な安全や省燃費につながってくるかもしれません。ましてやそんな幸せな関係性が長期間にわたって変わらず続けられるのなら、コストパフォーマンス的にも大きなメリットがありそうです。(写真:横浜ゴム工業株式会社)
[ アルバム : ADVAN dB V553 試乗会 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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