■「一時不停止」切符切られないためには
クルマを運転中に、道路に一時停止の標識があったり、一時停止の白線が引かれている場合、しっかりと停止する必要があります。
一方で、なかには一時不停止で交通違反の取り締まりを受けた経験がある人もいるかもしれません。
では一時不停止で切符を切られないためにはどういったことに気をつけると良いのでしょうか。
【画像】どんな意味? 道路に描かれる謎の「★」マーク。 画像で見る(24枚)
一時不停止の違反は正式には「指定場所一時不停止等違反」といいます。
警察庁が公表している「道路交通法違反の取締り状況」によると2021年中、指定場所一時不停止等違反の取り締まりは158万8628件と、数ある交通違反の中で最も多い件数になっています。
指定場所一時不停止等違反は、道路交通法第43条で規定されており、一時停止の道路標識がある交差点では停止線の直前で一時停止しなければならないと同時に、交差する道路を通行する車両等の進行を妨げてはならないことが決められています。
この違反は違反点数2点、普通車で7000円の反則金が科される可能性があるほか、交差道路を進行してきたクルマと衝突する交通事故に発展するおそれもあります。
停止線の前で一時停止をしなければならないことは多くのドライバーが知っていると思いますが、前述の取り締まり状況から分かるように一時停止ができていないクルマは多いのが現状です。
では違反にならないために、どういったことに気をつけると良いのでしょうか。
クルマが一時停止したというのは、クルマの車輪が「完全に」停止しなければいけません。
これについて、ユーザーのなかには「どのくらい停止すれば良いのか」と疑問を持つ人もいるかもしれません。
一般的には3秒間と言われることも多いですが、実は法律で明確な秒数は定められていません。
ただ過去の判例をみると、一時停止は停止さえすれば良いわけではなく、左右の安全を確認するために必要かつ十分な時間停止することだと示した事例や、1秒間くらいの停車は一時停止とはいえないとした事例もあります。
つまり一時停止には何秒という決まりはないものの、クルマの車輪が完全に止まるくらいしっかりと停止したうえ、十分に左右の安全確認をおこなうのに必要な秒数は停止しなければいけないということです。
このため、ドライバーがブレーキをかけずに停止線を通過するケースはもちろん、たとえ停止線の前でブレーキを踏んだとしても車輪が止まることなくジワジワと進んでいたら正しい一時停止の方法とはいえないでしょう。
筆者(元警察官はる)が交番時代に取り締まりを行ったケースでは、停止線を越えてから徐行し、ほとんど停止することなく進行するクルマや、バイクの場合だと停止線手前でブレーキはかけるものの、足を地面につけることなくそのまま進行する人が多くいました。
ブレーキを踏むとドライバーは一時停止をしたという気になりがちですが、周囲から見ると停止できていないケースも多いため、一時停止の標識が見えたら「しっかり止まる」という意識を持つことが大切です。
もしクルマにドライブレコーダーが付いているなら、一時停止場所でしっかり止まっているか、自身の運転を見直すと良いでしょう。
手本としたい一時停止の方法として「2段階運転をする」ことが挙げられます。
具体的には、「1.まず停止線でしっかりと停止する」「2.その後左右が見通せる位置まで徐行しながら進み、そこで左右の安全確認をおこなう」というものです。
一時停止の道路標識が設置される交差点は、建物や地形の状況によって左右の見通しがきかない場所であることが多くなっています。
道路交通法第43条の規定のとおり、停止線の前で一時停止した後も交差する道路を走っている車両の進行を妨げないよう、左右の安全確認をしっかりおこなってから進行しなければいけません。
そのように交差点で左右の安全確認を行う際には左、右、左、右のように複数回安全確認をおこないましょう。
確認の精度を高めるために「左よし、右よし」という風に声に出して安全確認をおこなうことも効果的です。
また、交差する道路の交通量が多いときは無理に進行せず待機することも大切です。
後方に車両がいると焦ってしまいがちですが、交通事故を防止するために落ち着いて運転することを意識しましょう。
このような2段階運転を心がけることにより、警察から一時不停止の違反で切符を切られる可能性が低くなるほか、安全確認を十分におこなえるため、交通事故を起こすこともなくなると考えられます。
※ ※ ※
一時停止場所では何秒停止しなければいけないという明確な決まりはありませんが、左右の安全確認を十分におこなえるだけの時間が必要です。
ドライバーが思っているよりも一時停止できていないケースがあるため、一時停止場所ではしっかりと止まり、左右の安全確認を徹底するという気持ちで運転しましょう。
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