その昔のトヨタ車のトランクにはKTCの工具が搭載されていました。その作りはかなりいいもので、クルマは廃車しても工具は捨てずにキープしたものです。
しかし、現代の国産車からは車載工具と言われるものはほとんどなくなってしまいました。工具はまったく積んでおかなくてもいいのでしょうか?
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文/諸星陽一
写真/Adobe Stock、編集部
メイン写真/Sondem-Stock.Adobe.com
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【1】コンビネーションレンチ
まずはかつて積んであった工具を紹介しましょう。もちろん、メーカーや車種によって異なりあくまで参考ですが、このあたりの工具が基本セットと考えていいでしょう。
・10mm-12mm片口スパナ
・14mm-17mm片口スパナ
・プライヤー
・プラス/マイナスの差し替えドライバー
・ジャッキ
・ホイールレンチ
といったものです。
このキットを基本にして、せっかく揃えるのであればもう少しグレードアップしましょう。まず片口スパナはやめて、コンビネーションレンチにすることをおすすめします。
コンビネーションレンチは、一端が片口スパナ、もう一端がメガネレンチになっている工具。購入する際はレンチ部分が10mm、12mmを選ぶと良い(写真:幸せ侍-Stock.Adobe.com)
「コンビネーションレンチ」というのは、一端が片口スパナで、もう一端がメガネレンチになっているものです。ナットやボルトを扱う際にメガネレンチを使うとしっかりとレンチが掛かり、ナットやボルトの頭をナメにくくなります。
しかし、場所によってはメガネレンチが入りにくい場所や角度もあるため、片口スパナが必要なこともあります。
10mm、12mm、14mm、17mmの4種を用意するのが理想に思われますが、じつはそこまで必要はありません。14mmや17mmがあるとブレーキパッドの交換なども可能なこともありますが、車載工具としてそこまでは必要ないでしょう。スパナはコンビネーションレンチとして10mmと12mmがあれば充分です。
10mmはバッテリー端子を外すときに必要です。なにかの不具合でライトが消えない、ブレーキランプが点きっぱなしになった時などは、停車中にバッテリー端子を外しておく必要があります。バッテリー端子には12mmのボルト&ナットを使っている車種も存在します。
【2】プライヤ―
プライヤーはペンチのような工具で、ものをつかんだり針金をカットすることが出来る工具。プライヤーだけではなく、針金も積載すると、応急処置に対応することができる(写真:Hanasaki-Stock.Adobe.com)
「プライヤー」はペンチのような工具で、ものをつかんだり針金をカットしたりすることができます。プライヤーも正式名称はコンビネーションプライヤーという名前が使われています。
これは軸の部分をずらすことで、ペンチよりも大きなものをつかめるようになるためです。ペンチはカッター部分が存在するので、針金などをカットできることが理解できると思いますが、じつはプライヤーも軸に近い部分を使えば針金カットができます。このカット機能がしっかりしたものはプライヤーのガタが少ないものです。
車載工具はけっこうガタガタですが、プライヤー単体で販売されているものは、それなりにしっかりしているものが多くあります。
プライヤーだけ車載しておくのではなく、0.7~1.2mm程度の針金も一緒に積んでおくと、何かが脱落した際などに応急処置ができます。かつて、タイヤチェーンといえば金属チェーンだった時代は、装着後に余ったチェーン部分が暴れないように針金で処理したものですが、今は金属チェーンを使うことも少なくなりました。
【3】プラスドライバー
ドライバーには、プラスとマイナスがあり、クルマに積載するなら、プラスドライバーを用意すると良い。サイズは2番を(写真:Atsushi-Tada-Stock.Adobe.com)
昔の車載工具に採用されていたドライバーは差し替えることで、プラスとマイナスを使い分けられるものでしたが、今の時代に用意するなら「プラスドライバー」でかまいません。マイナス頭のビスやネジはまず使われていません。
プラスドライバーは先端が細いものから1番、2番、3番の3種が大まかなサイズです。もっとも多く使われているのは2番なので、まずは2番を用意しましょう。
もし2本用意するなら1番と2番がいいでしょう。理想は3本を用意することです。なにかのときのためにマイナスドライバーも用意しておこう……はやめたほうがいいでしょう。
マイナスドライバーは使う部分がないだけでなく、空き巣ねらいの道具として使えるということで所持しているだけで問題視されることがあるからです。同様に刃物やバールなどもクルマには搭載しておかないほうがいいでしょう。
【4】パンタグラフジャッキ
車載用パンタグラフジャッキを積載することで、取り付けにくいタイヤチェーンをすんなりと装着することが出来る。ほかに「フロアジャッキ」もあるが、収納性も含めてパンタ式がオススメ(写真:korchemkin-Stock.Adobe.com)
ジャッキがあっても、スペアタイヤがないと役に立たないと思うかもしれません。たしかにパンクという事態に対してはスペアタイヤがなければ役に立ちません。
パンク対策でジャッキを積む場合は、スペアタイヤとホイールレンチもセットで用意する必要があります。しかし、ジャッキを積んでおくと取り付けにくいタイヤチェーンなどをすんなりと装着できることもあります。
ジャッキは車載用の「パンタグラフジャッキ」がいいでしょう。車載用のパンタジャッキはよくできていて、トランク内にスッキリと収めることができますし、固定もしやすくなっています。メーカーごとに若干サイズも異なりますし、車種によっては汎用品ではマッチングしないこともあります。
新車でクルマを買っているなら、ディーラーの営業マンに「廃車にするクルマがあったらジャッキを確保しておいて」と頼んでおけば、タダでジャッキを手に入れることもできる可能性があります。
また、安全にジャッキアップするためには輪留め(タイヤストッパー)も用意しておくといいでしょう。
【5】エアゲージ&エアポンプ
「エアゲージ」と「エアポンプ」は、タイヤの空気圧を計ったり、空気の補充することができるカー用品。日本車は空気圧警報がまだ普及していないためパンクに気づくための必須工具だ
工具ではありませんが「エアゲージ」と「エアポンプ」を用意しておくと、なにかタイヤがおかしいときに対処が可能です。どうもハンドリングがおかしいと感じたら、空気圧を計ってみて極端に減っているようなら、一度空気を足してみてそのままタイヤショップなどに直行して点検してもらうといいでしょう。
パンク修理剤を使うとゴム糊を使ったパンク修理不能になることがあるので、パンク修理剤は極力使わないことをおすすめします。現代のラジアルタイヤはそれほど急激に空気が抜けることはないので、多くの場合、空気を足せばタイヤショップまで走ることが可能です。
それが不可能なほど重症なパンクの場合は、パンク修理剤も無力なことが多くなります。
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ワイルドだろ。