現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 辛辣なのは熱いファンが多い証拠 日産に厳しい声 ここから1年が勝負!!

ここから本文です

辛辣なのは熱いファンが多い証拠 日産に厳しい声 ここから1年が勝負!!

掲載 更新 34
辛辣なのは熱いファンが多い証拠 日産に厳しい声 ここから1年が勝負!!

 先日行われた、日産「フェアレディZ」のプロトタイプ発表会。海外からのアクセスも含めると数十万人がオンタイムで見ており、日産のエンジニアやデザイナーによるプレゼンテーションに胸を熱くしたのは、筆者だけではないだろう。クルマの評判も上々で、いま最も関心が高まっている、国産スポーツカーだ。

 日産に関しては、SNS上では批判的なコメントが多い。「日産になら何を言ってもいい」くらいの勢いさえ、感じられるほどだ。もちろん、ここ数年、良くないニュースばかりが取り沙汰されたこともあり、「自業自得」という面もあるのだろうが、それだけが理由ではないような気がする。

期待と不安で喧々囂々!? 日産 新型フェアレディZ その印象を聞いた

 なぜ日産は叩かれてしまうのだろうか。そして日産は、どういった道筋を辿れば、無事に復活を果せるのだろうか。

文:吉川賢一
写真:NISSAN

【画像ギャラリー】国内で新型がデビューする日産4モデルをおさらい!!

日産ファンのイライラがつのった

 もちろん、日産を叩く理由は人それぞれだろう。SNS上でも「日産はすでに日本のメーカーじゃない」とか、「(海外へ逃亡した)元社長が気に入らない」等々の書き込みをよくみる。

 その理由としては、やはり、ここ数年の社内政治問題や、無資格者による完成車検査問題などで、日産という会社の信頼性が、地に落ちてしまった、ということがあるだろう。しかし筆者は、日産が叩かれる理由は、それだけではないと考える。

 もともと日産には熱狂的なファンが多い。ここ1~2年、日産は、国内市場に新型車は出さず、モデルチェンジさえも永らく行われず、ラインアップは放置状態。もはや日産は、国内市場を捨てているようにも思えた。

 加えて、社内政治などの不祥事が明らかとなったわけだ。日産に対して、業を煮やし、「裏切られた」と感じた日産ファンは多かっただろう。

 これら日産ファンの「裏切られた」という気持ちが、過剰な言動に繋がっている部分も多いのではないか、と感じる。しかし、叱ってくれるファンがいる、というのは、大きな日産の強みでもある。

自動車メーカーの威信をかけたモータースポーツへの参加も、国内スーパーGTを除いてなくなってしまった 以前はGT-R LMニスモでWECやルマン耐久に参戦していたが、昨年末取りやめると発表

風向きは変わりつつある

 2020年5月に行われた、2019年度決算/2020~2023年度事業構造改革計画。ここ数年の日産内部政治の体たらくに呆れた、日産株主達の怒りの矛先は、内田誠社長兼CEOへと向けられていた。株主への謝罪と、苦々しい言い訳に苦心する内田社長の痛々しい姿は、見ていられなくなるほどだった。

中央が内田社長兼CEO、最近はフェアレディZプロトタイプの発表会などで登壇する機会が増え、クルマ好きの一面をのぞかせてくれた

 そんな会の最後、あの動画が公開された。次期型Zを含む新型12車種のシルエットとイニシャルが公開された動画をみて、まず感じたのは、「いつもの日産とは違う!」だ。

フェアレディZがついに!?? 次の日産「AからZ」全12車種の正体を暴く

 これまでならば、電動化(EV含む)やコネクティッドを主体とした技術戦略を再掲示し、お茶を濁すのが日産の定番だが、今回は、イニシャルではあるが、具体的に車名を挙げての「宣言」だった。

 この事業構造改革計画の様子は、日産のYouTubeチャンネルにて、いまも視聴することができる。この動画のコメント欄は、批判的なコメントが多いと思いきや、意外にもそれなりに好意的な発言が多い。この様子からも、日産には根強いファンが多く、それらファンの方々の、日産に対しての熱い思いが、「裏切られた」という思いに繋がっていた、ということが読み取れると思う。

 さらに、そこから4か月後の2020年9月に行われた、Zプロトタイプの発表で、風向きは変わってきた。日産デザイントップのアルフォンソ・アルベイザ氏、車両製品企画トップの田村宏志氏など、作り手が前面に出てきての発表は、クルマの中身は殆ど明かされなかったのに、Zへの愛情に溢れていた。

アルフォンソ アルバイサ、専務執行役員 グローバルデザイン担当

 Zカーファン達の声(※実際には北米のZカーファンクラブの方達が鳴らしたホーンの音ではあったが)もあり、日産として、久々に血の通った発表会であるように感じられたのだ。

 ここ数年の日産に足りなかった「クルマメーカーとしての熱意」がようやく見ることができた。ファンはこれを待っていたのだ。

ここからが正念場

 しかし、2シーターの新生フェアレディZは、日産の傾いた経営を立て直してくれるものではない。新生Zは、日産を取り巻く空気を換えるきっかけに過ぎないだろう。やはり、企業としてやるべきことは、売れるクルマを出すことに尽きる。その積み重ねで顧客から信頼され、日産は強くなる。

 例えば、インド市場向けのコンパクトSUV「マグナイト」を国内導入する、というのはどうだろうか。ロッキー/ライズとほぼ同じ全長のコンパクトさで、デザインもよく、キックスにはない魅力を持つ「マグナイト」は、日本でも出せば、必ず売れる。「パオ」や「フィガロ」のような、日産のパイクカーがとった販売作戦のように、期間限定や台数限定販売の形でもいい。

今後、日本市場には「ノート」「エクストレイル」「フェアレディZ」「アリア」といった新型車が控えてはいるが、全長4メートル以下のコンパクトSUVであるマグナイトも日本市場に適した一台ではないだろうか

 ここからが正念場だ。おそらく、あと数週間ほどで、まさに社運を賭けた日産の新型車たちが、続々と国内デビューするだろう。日産のアウトプットを見ることができる日を楽しみにしている。

【画像ギャラリー】国内で新型がデビューする日産4モデルをおさらい!!

こんな記事も読まれています

トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
AUTOSPORT web
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
AUTOSPORT web
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
VAGUE
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
レスポンス
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
スバルブルーのスポーティ&正統派コスチューム! SUPER GTで「SUBARU BRZ R&D SPORT」をサポートする「BREEZE」のメンバーをご紹介
Auto Messe Web
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
F1第22戦、ラッセルが今季2勝目、フェルスタペンは5位入賞で4年連続チャンピオンを確定【ラスベガスGP 決勝】
Webモーターマガジン
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
“プロフェッサー”プロストに肩を並べたフェルスタッペン。偉大なる「4度のF1チャンピオン」は史上6人目
motorsport.com 日本版
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
アウディだけどポルシェが作ったRS2! 名車誕生のワケは「財政難のポルシェを救うため」の仕事だった
WEB CARTOP
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
F1 Topic:4連覇に王手をかけたフェルスタッペン。タイトル獲得条件をおさらい
AUTOSPORT web
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
世界的に数字の入った車名だらけ! 数え歌的に車名で1から10まで数えてみた
WEB CARTOP
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
【試乗】ボルボ XC90が大幅改良。「完全電動化への橋渡し」だけでは役不足だと感じる、新型の熟成度
Webモーターマガジン
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
[15秒でわかる]トライアンフ『タイガー・スポーツ660』…先進機能を多数搭載
レスポンス
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
約260万円! スバル新型「インプレッサ」発表に反響! 新色に「爆オシャブルー」採用したスバルの人気「5ドアハッチ」どんな人が買ってるの?「最新の納期」もまとめて紹介!
くるまのニュース
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
教習所での路上試験で安全運転義務違反は何点減点されるのか?
LE VOLANT CARSMEET WEB
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
【MotoGP】経営悪化のKTM、レッドブルによる『救済』のウワサは否定。MotoGPへの影響懸念も「全ての参戦シリーズに残る」
motorsport.com 日本版
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
まだ多くの日本人が知らないEVの「走る以外」のメリット! 東京都なら実質約3万円で設置できる「VtoH」とは
THE EV TIMES

みんなのコメント

34件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.83630.0万円

中古車を検索
フェアレディZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.83630.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村