■マツダが直列6気筒エンジン投入?
マツダは、2019年5月9日に3月期の決算説明会を開催し、今後の経営方針などを発表。注目すべき内容として、将来的に展開するパワートレインに関する項目が記載されています。
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そのなかで、電動化戦略の柱となるロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーや、採用例が激減している直列6気筒のエンジンの登場が予定されているのです。
多くの自動車メーカーが基本方針を電動化の方向に舵を切るなかで、なぜマツダは内燃機関と電動化の両方に力を入れるのでしょうか。
説明会では、電動化を含むパワートレインのバリエーション拡大、先進技術の拡大により、市場・顧客からの多様な要求へ対応という形で示されているのがひとつの理由のようです。
もうひとつは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良いところを融合した「スカイアクティブX」の存在です。マツダは、内燃機関には改善の余地が残されているとし、効率改善の可能性を模索してきました。これらの理由により、電動化と内燃機関の両方に力を入れているのです。
登場が公式に公表された直列6気筒エンジンは、過去にメルセデス・ベンツやBMWなどのモデルに多く採用され、その後トヨタ「クラウン」や「マークII」、日産「スカイライン」といった国産セダンに搭載されるほどポピュラーになった、一時代を作ったともいえるエンジンです。(メルセデス・ベンツは最近になって直6を復活させました)
一度は、さまざまな理由で各社が開発をやめていましたが、技術が進んだ現在では新たに見直され再搭載される動きになっています。
今回、マツダは直列6気筒エンジンを「スカイアクティブ-X」とディーゼルエンジンの「スカイアクティブ-D」の2種類で展開すると公表しているのです。
また、今回の公開された資料のほかに、2017年の東京モーターショーで公開されたコンセプトカー「ビジョンクーペ」も添付されていました。
ここから推測できることは、今後発売される予定のビジョンクーペの市販モデルには直列6気筒エンジンとFRレイアウトが採用される可能性が高いことです。
マツダのビジョンクーペには、次世代魂動デザインが採用されているため、今後出てくるであろう次世代マツダ車の形であるともいえます。
さらに、マツダは2017年の8月に米国特許商標局に対してエンジンの図面をパテント申請しています。そこで公開されているエンジンの図面では直6であることは読み取れませんでしたが、トランスミッションへ続くハウジングの形状から見てFR用のエンジンであること、そして電動スーパーチャージャーとツインターボであることは明らかでした。
直列6気筒エンジンは、バランスの良さや振動の少なさ、部品点数の少なさでかつては各メーカーの主力エンジンとして多く用いられていましたが、エンジンルームに大きなスペースが必要なことから徐々に廃れていってしまいました。しかし、現在の技術であれば全長・全幅ともにコンパクト化が可能です。
マツダのビジョンクーペは、次世代フラッグシップセダンとして期待されているモデルなので、あらゆる性能が高い直列6気筒エンジンとFRレイアウトは最適であるといえます。
さらに、スカイアクティブ技術による電動スーパーチャージャーとツインターボが採用されるともなれば、相当な動力性能が期待できるでしょう。
マツダは、内燃機関の可能性をまだまだ追求している数少ない企業のひとつです。国内では数少なくなった直列6気筒エンジンが近い将来に登場することを期待しましょう。 【了】
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