F1第13戦ハンガリーGPのレース中に苛立ちながら走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の怒りは、レース後も続いた。ミックスゾーンである国の記者からの「あなたの今日のレースに対して批判する声がありますが、そういう意見にどう答えたいですか」という質問にフェルスタッペンはこう吐き捨てた。
「みんな消えればいい」
憤る5位フェルスタッペン「マシンに速さがないのに戦略も誤り3位を逃した」無線の激しい言葉への「謝罪は必要ない」
この日のフェルスタッペンとレッドブルは、戦略的にまったく噛み合っていなかった。フェルスタッペンは第1スティントを3番手で走行していたものの、ルイス・ハミルトン(メルセデス)にアンダーカットを許して、ハミルトンの後塵を拝した。
「1回目のピットストップの後、もしかしたら2回目のピットストップではいい判断をしてくれるかもと思っていたのに、そうじゃなかった。だから、今日はずっとイライラしていた」
1回目のピットストップでハミルトンにアンダーカットを許したレッドブルは、フェルスタッペンのスティントを可能な限り延長し、最終スティントではミディアムタイヤに履き替え、ハードタイヤを履くハミルトンを追い上げる作戦を採ったのだ。
そのためには、タイヤを交換した後、あまり急激にタイヤが上昇しないよういきなり攻めた走りをしないことが重要だった。ところが、チームが採った戦略に納得していなかったフェルスタッペンは、いきなり自己ベストを叩き出す。レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼが無線ですぐさまフェルスタッペンに注意を促した。
するとフェルスタッペンは「いや、そんなたわごとはやめてくれ。君たちが僕にこのクソ戦略をくれたんだ。僕はその残りものでレースしている。クソ食らえだ」
マクラーレンを逆転できなくても、3位にはなれたという思いが、フェルスタッペンにはあった。
「すでに最速ではないこの日、僕たちはもっといい戦略を採るべきだった」
そして、そのフェルスタッペンの気持ちを、レース後、クリスチャン・ホーナー代表も理解していた。
「レースをもう一度振り返ると、ニュータイヤとユーズドタイヤの差が、我々が想定していたほど大きくなかったようだ。今日の我々は反省しなければならない点がたくさんある」
常勝軍団のレッドブルには、いかなる状況でも勝ちに行くという鋼の精神がある。しかし、この日のレースでは、逆にそれが仇となって、3位を取り逃がす結果となった。
チャンピオンシップ争いで2位のランド・ノリス(マクラーレン)との差は、76点。これからは1点たりとも無駄にはできない。
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