今週末の2021年F1第7戦フランスGPより、ホンダはパワーユニット(PU)に『Honda e:TECHNOLOGY』のブランディングを冠してグランプリに臨む。ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターによれば、本来ならば夏休み以降に実施される予定だったがその予定が早まったという。ポイントリーダーとして迎えるフランスGPでは、まずは2年前に敵わなかった予選でいい結果を出したいと語った。
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ホンダF1、第7戦フランスGPからPUに『Honda e:TECHNOLOGY』のブランディングを冠して参戦
──このF1第7戦フランスGPから、ホンダのパワーユニット(PU)を搭載するレッドブルとアルファタウリのマシンに描かれていた『Honda Hybrid』のロゴが『Honda e:TECHNOLOGY』に変わりました。Honda e:TECHNOLOGYについて、もう少し詳しく教えてください。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):Honda e:TECHNOLOGYは、ホンダ独自の高効率電動化技術の総称で、未来のカーボンニュートラル社会の実現を目指して、2輪車、4輪車、パワープロダクツを問わず幅広いモビリティに適用されていくものです。
これまでもホンダは電動化技術の名称を使用してきました。たとえば、私がこのフランスGP期間中に乗っているCR-Vハイブリッドは『CR-V e:HEV』という名称となっています。『e:HEV』は、ホンダの欧州向け電動パワートレイン車に付される名称ですが、今後はEVの『ホンダe』をはじめ、電動化技術を使用した車が増えること、またホンダは欧州市場だけでなくグローバルな企業なので、その総称が必要だという議論になりました。
Honda e:TECHNOLOGYのロゴをF1で使用するという議論は、今シーズン開幕前から行っていました。本来は夏休み以降に使用する予定だったのですが、社長の三部(敏宏)が4月に会見し、電動化を改めて推し進める方向性を打ち出し、それに沿って議論が加速し、今回の決定に至りました。
チームと協議した結果、チーム側も「可能なら早くやったほうがいい」という結論となり、今回のフランスGPから採用することになりました。
──今年はリヤウイングに『HONDA』のロゴが大きくあって、今回からHonda e:TECHNOLOGYのバッジが変わるわけですが、ホンダとしてHonda e:TECHNOLOGYで戦う最初の1戦、またチャンピオンシップリーダーとして臨む2戦目となります。これまでとは違いますか。
山本MD:元々、ホンダは電動化技術を推し進めていて、モータースポーツの最高峰であるF1のパワーユニットもMGU-HやMGU-Kなど、ハイブリッド技術を導入しています。したがって、Honda e:TECHNOLOGYの初戦という部分で特別な意識はありません。
またチャンピオンシップリーダーとしての2戦目というのも、まだ6戦を終えた段階での話。アゼルバイジャンGPではマックス(・フェルスタッペン/レッドブル・ホンダ)がタイヤの不具合でリタイアになり、ルイス(・ハミルトン/メルセデス)も結局0ポイントに終わりました。
ポイントリーダーといってもメルセデスと拮抗してるなかで抜きつ抜かれつだと思っているので、このフランスもしっかりドライバーのフィードバックを聞きながら、4人のドライバーがホンダのPUをバランスよくレースでしっかり使って戦えるよう、ホンダのエンジニア中心にまとめてもらっていい結果を出せるように努力したいと思います。2年前は予選でも大きく負けているので、まずそれが今年はどうなるのかというのを土曜日に見たいと思っています。
──メキシコGPが中止になりアメリカで2戦レースが行われるのではないかという話がありますが、日本GPに関しては何か進展は?
山本MD:まだ進展は聞いていないですけど、鈴鹿サーキットもホンダがF1最終年ということも含めて一生懸命動いてくれているのを聞いてます。
──オリンピックがひとつの重要な判断材料になると言われていて、そのオリンピックまで50日を切って、ほぼ開催されることが確定しています。この状況を見て日本GPは開催できそうだと感じていますか。
山本MD:まだわかりません。もちろん、やりたいし、できればお客さんを入れてやりたいという思いは個人的にありますが、条件が整わないと……。ただし、たとえ無観客でも鈴鹿サーキットを走っているF1を世界の人たちにテレビを通じて見ていただくだけでも価値があります。
とはいえ、再びイギリスで変異株による感染者が増えてきているなど不透明な状況となっているので、まずはコロナが収束することでしょう。そのうえで、東京オリンピックが無事に開催されて、なおかつ各国の状況が改善され、安心・安全な状況にならないと難しい。でもホンダ最終年だからやりたいという気持ちはいまも少しも変わりません。
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