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トヨタ新型「ヴェルファイア」顔はナニが変わった? 「迫力グリル」採用で歴代との違いは?

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トヨタ新型「ヴェルファイア」顔はナニが変わった? 「迫力グリル」採用で歴代との違いは?

■2段ヘッドライトと迫力あるマスクで好評を博した初代「ヴェルファイア」

 トヨタは2023年6月21日、高級ミニバン「ヴェルファイア」を約8年ぶりにフルモデルチェンジしました。
 
 一時は消滅の危機もあったというヴェルファイアがどのようにモデルチェンジを果たしたのか、主にデザインの面から歴代モデルの変遷と共に紹介します。

【画像】これが進化だっ! 歴代トヨタ「ヴェルファイア」の画像を見る(50枚以上)

 2002年に登場した初代アルファードは、存在感あるスタイルと、国産最大級の室内空間を持ち、「ミニバンのフラッグシップ」を目指して開発され、好評を博しました。

 そして2008年5月に登場した2代目アルファードと同時に設定された兄弟モデルが、初代ヴェルファイアです。

 初代アルファードでは、トヨペット店向けに設定された「アルファードG」と、トヨタビスタ店(のちのネッツ店)向けに設定された「アルファードV」が設定されていましたが、このうちアルファードVが独立し、ヴェルファイアとなりました。

 2代目アルファードが「上品」「洗練」を特徴としたデザインとしたのに対し、初代ヴェルファイアは「力強さ」「先進性」を際立たせた外観とし、個性の全く異なる兄弟車が誕生しました。

 なかでも二段積みのヘッドランプや横基調のグリルといった個性的なフロントマスクは、ヴェルファイアらしさを主張するものとして評判を呼ぶことに。

 翌2009年の年間販売台数で比較すると、アルファード2万9602台に対しヴェルファイアは4万9636台と、早々に高い支持を集める結果となりました。

 そして2015年1月、アルファードとともに、ヴェルファイアは2代目へフルモデルチェンジしました。

 2代目ヴェルファイアのコンセプトは「大胆・不敵」です。

 フロント部は、縦幅が広く金属感を強調したメッキバーのフロントグリルと二段ヘッドランプ、そしてラッセル車(除雪車)に備わる全面プレートのようなダイナミックさを表現したアンダーバンパーで、「イカツい」とも評されるほどの迫力を与えています。

 登場の翌年、2016年のアルファード3万7069台に対し4万8982台と、やはりヴェルファイア人気は優勢でした。

 しかし2017年12月実施のマイナーチェンジで、アルファードはフロントグリルを拡大し豪華さを強調した一方、ヴェルファイアはメッキパーツの面積を拡大し個性を強めるデザイン変更を実施し、好みを分ける結果となりました。

 2車はグレード展開数や装備内容などほぼ同等でしたが、翌2018年にアルファードが年間5万8806台と大きく販売を伸ばすなか、ヴェルファイアは4万3130台と逆転したのです。

 さらに2020年5月、それまで4つあったトヨタの販売チャンネルの実質統合が図られ、全モデルが全店扱いとなった影響も受け、2020年の年間販売台数はアルファードが9万748台と大きく伸ばしたのに対し、ヴェルファイアは1万8004台と、8万台以上まで差を広げてしまいました。

 そして追い打ちをかけるように、2021年4月の一部改良で大リストラを断行し、ヴェルファイアを単一グレード「GOLDEN EYES II」のみの設定へ大幅削減したのです。

 フルモデルチェンジの噂が絶えなかった2022年頃、SNSなどでは「ヴェルファイアは消滅か」と嘆くファンの声が多く集まっていたのも、自然なことだと思われます。

 事実、モデル末期の頃の販売比率は、アルファード95%に対し、ヴェルファイア5%まで落ち込んでいたといいます。

 その頃トヨタ社内では、ヴェルファイアの存続について議論が行われていたといいます。

■消滅の危機を乗り越え誕生した新型「ヴェルファイア」

 トヨタのデザイン領域を担当する執行役員、サイモン・ハンフリーズ氏は、新型アルファード/ヴェルファイア発表会で次のように話しました。

「アルファードとヴェルファイアは、長年、激しくぶつかり合うライバルでした。

 しかしアルファードが自信をつけすぎたことで、実は、ヴェルファイアは廃止される運命になっていたのです。

 しかし、このことが社内で広まると、ヴェルファイアを支持する声が殺到! 開発チーム、経営陣、販売店、そして一部のVIPアドバイザーまでもが『絶対に認めない』と強い感情をあらわにしたのです。

『愛されてきたアイコンを捨てるなんて、本気か?』と」

 そのためトヨタでは、新型ヴェルファイアの開発に際し、ユーザーがヴェルファイアに期待する独自の個性について考え抜いたといいます。

 新型ヴェルファイア/アルファードの基本デザインは、歴代モデルで培ってきた重厚さや前進する勢いを強化し、次世代の高級車にふさわしい上質さと共に表現したといいます。

 なかでもフロント部は、止まっていても動感ある力強い塊をテーマに、シームレスかつ独創的な顔を目指してデザインしたと説明します。

 なかでも新型ヴェルファイアに独自の個性を与えるべく、スポーティなキャラクターとして専用グレード「Z Premier」を設定したのが特徴です。

 Z Premierでは、黒色の専用漆黒メッキを基調にした金属加飾を与え、アグレッシブさとモダンさ、上質さを表現するものとしました。

 また新型ヴェルファイアでは、こうしたキャラクターの違いを走りの面でも表現しています。

 アルファードには設定されない専用の高性能な2.4リッターターボエンジンを採用した点が最も大きな違いです。

 また、フロントにパフォーマンスブレスを追加し剛性を補強したほか、ステアリングやスプリング、ショックアブソーバーといったパーツも専用チューニングしたり、大径19インチタイヤを標準設定するなどし、高い操縦安定性とタイヤの接地感にこだわったと説明します。

※ ※ ※

 トヨタによれば、発売から約1ヶ月後の販売比率は、新型アルファードが70%、新型ヴェルファイアが30%と計画通りの台数になっているといいます。

 一時はモデル消滅の危機もあったヴェルファイアですが、新型登場で完全復活を遂げたようです。

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