三菱は、2017年10月25日から開催される第45回東京モーターショーで、これからの三菱のクルマづくりの方向性を示唆するコンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」を世界初披露する。この車名は三菱独自のEVの進化形(EVOLUTION)という意味が込められている。
また、2018年春の発売を予定している新型コンパクトSUV「エクリプス クロス」(日本仕様)を日本初披露。一般公開日では「アウトランダーPHEV」をはじめ、国内で販売する主力モデルを含めた全12台を出品する。
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「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」は、機動力に優れ多用途に応えるSUVを、三菱の技術の粋を集めて進化させた、クロスオーバーSUVタイプの新世代ハイパフォーマンスEVだ。
三菱が得意とするEV技術と、四輪制御技術に代表されるSUVノウハウを融合・進化。それらとともに、新たにAI(人工知能)技術を搭載することによって、どんな気象条件や路面状況でも、ドライバーの意思と高度に同調して、意のままの安全で快適なドライビングを提供することを目指している。
アクセルを踏めば気持ちよく加速し、ブレーキを踏めば不安なく減速。ハンドルを切ればイメージどおりのラインをトレースする。MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPTは、そうした人間の意志に忠実に反応する性能を極めることで、ドライバーや同乗者の好奇心を呼び覚まし、行動意欲を駆り立て、一歩先へと踏み出す気持ちを後押ししてくれるというわけだ。
駆動システムは、フロントに1機のモーターと、リヤには新開発の「デュアルモーターAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」を搭載した、トリプルモーター方式の4WDシステムを採用。さらに大容量の駆動用バッテリーを組み合わせることで、EVの高効率・高応答・高精度という特性を活かし、日常走行からスポーツドライビングまで全ての速度領域で、意のままの安全で快適なドライビングを実現する。
ドライバーの運転をアシストする車載AIも注目の部分だ。多くのセンサーで、刻々と変化する道路環境や交通状況を認知。さらにその瞬間のドライバーの操作からドライバーの意思を的確に読み取ることで、ドライバーの運転技量に関わらず、安全で快適なドライビングを提供してくれる。
また、独自のコーチング機能を持たせているのも面白い。これは車載AIがドライバーの運転技量を把握し、運転技量を向上させるメニューを考え、音声対話や前面大型ディスプレイ表示を使ってアドバイスを行なうというもの。
つまりドライバーは、AIの助けを借りて意のままのドライビングを楽しめるだけでなく、時にはコーチング機能を参考にドライビングを行なうことで、今まで以上にクルマを乗りこなせるようになるわけだ。AIが進化するとドライバーも進化できるという、まさに切磋琢磨の関係といえるかもしれない。
出展車のもう一つの目玉ともいえる「エクリプス クロス」は、スタイリッシュなクーペフォルムにダイナミックなSUVの機動力を融合させた三菱らしいクーペSUVだ。行動意欲を掻き立てる個性的なデザイン、新たな楽しみへの閃きをもたらすコネクティビティ、四輪制御技術による安心して楽しめるドライビングフィールが、この車の売りといっていいだろう。
外観は、力強いパフォーマンスと人とクルマを守る安心感を表現した、「ダイナミックシールド」フロントデザインコンセプトを更に進化させている。薄くてシャープなLEDヘッドライトと、デイタイムランニングランプをフロントフェイス上部に配置し、ターンランプとフォグランプを下部に配置。精悍なイメージを表現するとともに、ターンランプの視認性を向上させている。
さらにベルトラインや彫刻的なキャラクターラインによるウェッジシェイプ、前傾したリヤウインドウ、テールゲートを直線的に落とし込みオーバーハングを切り詰めたリヤエンド、アスリートを彷彿させる大きく張り出した筋肉質な前後フェンダーなども、造形上の特徴。三菱らしい、シャープでダイナミックなクーペSUVとしている。
リアエンドも、高い位置に配したワイドなリヤランプと、前傾したリヤウインドウを上下に二分することによって、立体的で個性的なリヤスタイルを創出。また、チューブ式LED テールランプと中央のハイマウントストップランプが一直線に発光することで、幅広さと安定感を表現している。
インテリアは、ブラックとシルバーのモノトーンとし、水平基調のインストルメントパネルと立体的なシルバー加飾によって、スポーティでありながら上質な室内空間を演出する。また、薄型のスマートフォン連携ディスプレイオーディオ(SDA)、タッチパッドコントローラー、ヘッドアップディスプレイを搭載することで、運転席の先進感を高めている。
シート周りでは、スタイリッシュなクーペSUV フォルムを損なうことなく居住空間と荷室の実用性を確保するため、6:4分割のリヤシートにロングスライド&多段階リクライニング機構を採用している。後席乗員の広いレッグスペースを確保するとともに、後端を落とし込んだルーフラインでありながら、十分なヘッドクリアランスを確保した。
SDAは、車の中で安全にiPhoneを使うための「Apple CarPlay」に対応している。Siriやタッチスクリーンで行き先を調べる、電話をかける、メッセージを送受信する、音楽を聴くなど、運転に集中したまま全てをこなすことが可能になる。
さらに、高度な音声認識でGoogleマップTMなど、各種アプリの操作が可能な「Android AutoTM」にも対応した。タッチパッドコントローラーをセンターコンソールに配置することで、走行中でも姿勢を変えず、簡単にSDAを操作することができる。タッチパッドコントローラーは、ラジオなどのオーディオ機能の操作や、Apple CarPlayの操作にも対応する。
速度や予防安全装備からの情報等を表示する、ヘッドアップディスプレイも装備している。これにより少ない視線移動で的確に情報を認識できる。
走りの先進装備も抜かりはない。駆動システムには、アクセル開度や車速、車両の走行条件などから、後輪へ伝達するトルクを常に適切に配分する、電子制御4WDを搭載。これにAYCブレーキ制御を追加した車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用し、ドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現している。
走行モードは「AUTO」「SNOW」「GRAVEL」の3種類を設定することが可能。センターコンソールに配置した、ドライブモードセレクターで選択できる。
新開発のダウンサイジング直噴ガソリンターボエンジンは、運転状態により筒内噴射と吸気ポート噴射をきめ細かく制御することで、優れた燃費性能とクリーンな排出ガス特性を実現している。排気量は1.5Lでありながら、従来型の2.4L自然吸気エンジンを凌ぐ中低速トルクを発揮。排気マニフォールド一体型シリンダーヘッド、吸排気MIVEC、電動ウエストゲートアクチュエーター付小型ターボチャージャーにより、レスポンスを向上させている。
トランスミッションは8速スポーツモード付のINVECS-III CVTを採用した。8速スポーツモードは、各段をクロスレシオとしながらワイドレシオとすることによって、エンジン性能を最大限に引き出せるのが特徴だ。また、ステップアップシフト制御を採用することで、CVT特有の回転が先行するような吹け上がり感を低減し、ダイレクトで力強い加速感を実現している。
今回のショーでは、車載のAIパーソナルアシスタント関連の技術展示にも力が入っている。内容としては、人工知能技術やコネクティッドカー技術を活用し、乗員のことを深く理解して、運転中の安心・安全のための適切な情報を提供したり、運転中のドライバーと在宅中の家族とのコミュニケーションをサポートするなど、これからのAI時代を見据えたものとなっている。
走行騒音環境下においても乗員の発話を正しく理解し、自然な言葉で乗員と会話ができるようにする対話機能や、声紋認識やカメラを用いて人物を認証したうえで、その人の会話や行動を学習し、好みやニーズに合わせたサービスを提供する人物認証機能などはその一例だ。車両状態(異常検知など)の提供や、自然な会話による空調・ワイパー・ライトなどの操作も、AIを通じて行うことを目指している。
音声認識に関しては、クラウド型(クラウドにあるAIを活用した音声認識システム)とローカル型(車の中にあるAIを活用した音声認識システム)を組み合わせた、ハイブリッド型システムが採用される。これによりネットワークが繋がらない環境においても、クラウド型音声認識と同レベルの精度、低レイテンシー(遅延時間)を実現する。
この他にも、AIパーソナルアシスタントが様々なデバイスやコンテンツとの連携をサポートする連携機能や、車と家との連携の可能性を探るスマートスピーカー展示も行なわれる。上記技術の一端を披露するデモンストレーションでは、ヘッドライトの点灯、車内の温度調節、ドアをロックする機能を、来場者が実際に体験することもできるので、興味のある人は是非足を運んでみるといいだろう。
詳細については東京モーターショースペシャルサイト、およびエクリプス クロス車種サイトを参照。
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