MotoGPアラゴンGPでは、グレシーニのマルク・マルケスが1043日ぶりの勝利を飾ったが、レース後の話題はフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とアレックス・マルケス(グレシーニ)の接触に対する反応で占められた。
両者とも幸運にも怪我を免れたが、テレビ中継ではクラッシュの責任の所在をはっきりさせることはできなかった。
■バニャイヤ、アレックス・マルケスへの批判は”言い過ぎだった”と謝罪「使った言葉が少し強すぎた」
今季2度目のリタイアを喫したバニャイヤは、クラッシュで「170kg(のバイク)が僕の上に乗っかったんだ」と話しており、首に痛みが残っているようだ。
レース直後のバニャイヤは興奮もあり、アレックス・マルケスがわざと加速し、自分をリタイアさせようとしてきたと批判。これに対し、アレックス・マルケスはメディアに故意にクラッシュしたことを否定し、さらにソーシャルメディアにもそれを否定する投稿を行なった。
このアクシデントは、ネット上やMotoGPの公式ソーシャルメディア・チャンネルを通じて議論を巻き起こした。MotoGPのインスタグラムに投稿されたビデオクリップは、31万7000以上の「いいね!」を記録し、このグランプリで最も反響のあったビデオクリップとなった。
自宅からほど近いミサノでのサンマリノGPに臨むバニャイヤは、アレックス・マルケスへの批判は「言い過ぎだった」と謝罪した。しかし、彼の言葉はドラマをさらに複雑なものにした。アレックス・マルケスはミサノでの謝罪を受け入れたが、この反応について「僕の人間性(に対する評判)やチーム、そして僕のライディングイメージにはすでにダメージが及んでいるのも事実だ」と述べた。
パドックにいた他のライダーたちも、この状況についてコメントを寄せた。
KTMのテストライダーであるポル・エスパルガロは、「ライダーたちの言葉を鵜呑みにして他のライダーを攻撃するフーリガンがたくさんいる。これは非常に良くない」と語った。
アプリリアのアレイシ・エスパルガロは「これが僕たちの生きる世界なんだ」と語り、応援するチームを贔屓するというスポーツではある意味当たり前な性質と、アラゴンで起きたような火種をきっかけに燃え上がるファングループについてコメントした。
「幸い、サッカーで起きるようなことはないけれど、時にはそれに近いこともある」
「特にアスリートにとっては最悪だ。現代では、姿を消すことはできないんだ。レースだけに集中し、ソーシャルメディアを忘れることはできない」
「成長し、ソーシャルメディアやプレッシャー、批評に対処する必要がある。それは僕たちの仕事の一部だけど、最も美しいことではないんだ」
アラゴンGPの2週間前、オーストリアGPが今季もっとも静かで、刺激に欠けるレースだったと批判もあったが、アレックス・マルケスは今回のクラッシュがシリーズにとって良かったかどうかについて、「見方による」と語った。
「僕が言ったように、僕はすでにダメージを負っている。全体的に見て、スポーツにとっては良いことではないと思う。この話題についてはこれ以上話したくない。彼が謝罪してくれたことには感謝している。それだけだ。僕たちはここにいるし、コース上でのことに集中する必要がある。それが僕たちの仕事なんだ」
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