イタリアのクラシックカー・メーカーであるイソッタ・フラスキーニは4月11日、WEC世界耐久選手権の最高峰カテゴリーへの投入を目指す新型ハイパーカー『ティーポ6 LMHコンペティツィオーネ』のシェイクダウンを実施したことを明らかにした。
ローマの北に位置するバレルンガ・サーキットで最初のマイルを記録したティーポ6 LMHコンペティツィオーネは、このシェイクダウンの完了によりWECのホモロゲーションに向けた開発の新しい段階を開始した。
イソッタ・フラスキーニ、WEC参戦目指す新型ル・マン・ハイパーカー『ティーポ6 LMH コンペティツィオーネ』を発表
ミケロットのテストドライバーであるマウリツィオ・メディアーニは、シミュレーターテストに参加した後、11日(火)に行われたシェイクダウン・セッションでハイブリッド・パワートレインを搭載したプロトタイプでの最初のラップを刻む役目を負った。
イソッタ・フラスキーニによると、ティーポ6 LMHコンペティツィオーネは1周から3周、5周から8周と短い間隔で走行し、その合間にはシステムチェックや計測のための休憩を挟んだという。
イタリアのエンジニアリング組織とドイツのHWAが共同開発したターボチャージャー付きV6エンジンを搭載したミケロット製の開発車は、午後にハイブリッドシステムを作動させるまでの間、最大200kW(約271PS)のハイブリッドブーストがない状態でドライブされた。
このクルマにとって初めての機会となった今週のトラックテストに先立ち、ティーポ6 LMHコンペティツィオーネは風洞、シミュレーター、ダイノによるそれぞれ条件下で評価されてきた。
「私たちのクルマが初めてアスファルトに車輪をつけたことは、それを作った技術者やその場に居合わせた人たち、最終的にトラック上にいるのを見た人たち全員にとって、エキサイティングなセンセーションであったことは明らかだ」と語るのは、イソッタ・フラスキーニのモータースポーツ担当マネジングディレクターを務めるクラウディオ・ベロ。
「我々全員にとってそれは良い瞬間だった。なぜなら、クルマの微調整やデータを分析するために大きな停車時間があったが、(初めてのテストが)計画どおりに進んだためだ」
「最後の数周でハイブリッドシステムを作動させ、テスト初日を全員が満足いくかたち終えることができたと言えるだろう」
LMP2チームのベクタースポーツは、来季2024年に予定されているイソッタ・フラスキーニのWECフルシーズン参戦の公式パートナーチームとしての役割を果たす前に、ティーポ6 LMHコンペティツィオーネを走らせるためバレルンガの現場にいた。
ベクターのチーム代表であるゲイリー・ホランドは、「今日は、テストカーの初走行が比較的問題なく行われ、非常に喜ばしい一日だった」と述べている。
「これは関係するテクニカルパートナーの優秀さを証明するものだ。私たちは今、パフォーマンス走行とできればホモロゲーションプロセスを完了させることを望んでおり、今年の年末までにレース・バイ・レースのエントリーが許可されることを楽しみにしている」
「(WECの共同運営組織である)ACOフランス西部自動車クラブが、我々の努力と軌跡を見て、他のLMHチームと競争できるようなエントリーを許可してくれることを願っているんだ」
ベロは先月Sportscar365に、20世紀初頭に復活した高級自動車メーカーであるイソッタ・フラスキーニが、この夏にも2台目のテストカーを走らせる予定であることを明かした。彼はまた、今シーズンはWECのグリッドに参加したいと述べたが、ホモロゲーション前にさらにプライベートテストが必要であれば、そのようなエントリーは「必須ではない」とも語っている。
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