独フォルクスワーゲンは4月17日、中国向け電動SUV「ID.6」を公開した。
ID.6は、4月19日のプレスデーで幕を開ける上海モーターショーで初披露される6~7人乗り電動SUV。EV専用サブブランド「ID.」にとって、ハッチバックの「ID.3」およびクロスオーバーSUVの「ID.4」に続く第3のモデルになり、中国市場にフォーカスしたモデルとして、2030年までに中国における販売台数の約半数を電動化するというフォルクスワーゲンの戦略において決定的な重要性を持つ。
電動車専用プラットフォーム「MEB」をベースとするID.6には、「ID.6 X」とオフロードテイストを強めた「ID.6 crozz」の2車種を設定。仕様によって6人乗りもしくは7人乗りバージョンが用意され、内外装はこれまでに登場した「ID.」シリーズとの共通性を感じさせる先進的なデザインとなっている。メーカーによれば、ID.6はID.シリーズで最大のボディサイズを活かし、中国の顧客ニーズに応えたパッケージングと機能性、そして多用途性を兼ね備えたモデルになっているという。
ボディサイズは全長4876mm×全幅1848mm×全高1680mm、ホイールベースは2965mm。モーター出力は132kW仕様、150kW仕様、225kW仕様の3タイプが設定される。バッテリー容量は2種類(58kWhと77kWh)用意され、それぞれ航続距離は436km、588kmと公表されている。
フォルクスワーゲンの現地部門幹部によれば、中国では地場新興メーカーの「ニオ」などマーケットでのコンペティターは増加する一方で、そこで勝ち残っていくことは非常にチャレンジングな目標という。特に、フルEVを始めとするNEV(New Energy vehicles)やコネクティビティについては日進月歩の開発競走が繰り広げられている模様だ。だが、フォルクスワーゲンでは高度なコンピューター技術と確固たるソフトウェアプラットフォームによって差別化を図っていく方針で、現にID.6には、外気の清浄度を計測したり、交通反則金をチェックしたりする独自の機能が盛り込まれるとのこと。こうした市場ごとのカスタマイズは、販売促進に多大な貢献を果たしそうだ。
フォルクスワーゲンでは、2023年までに中国で計8つのID.モデルをローンチする予定という。現状で中国以外へのID.6投入は未定とのことだが、日本市場への展開拡大にも期待が膨らんでしまう。
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