一部改良を受けたロールス・ロイスの「ゴースト・シリーズII」に、南フランスで『GQ JAPAN』のライフスタイルエディター、イナガキが乗った! スポーティに仕立てられた「ブラック・バッジ」のリポートを綴る。
ノワール(暗黒)な世界観
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト・シリーズII試乗記
進化したロールス・ロイスの新型ゴースト・シリーズIIには、従来とモデルと同様にブラック・バッジが設定される。
ブラック・バッジは、よりオーナードライバー向けに仕立てられているのが特徴で、フロントに搭載する6.75リッターV型12気筒ガソリンツインターボエンジンは、標準モデルに対し最高出力は29ps、最大トルクは50Nm高められた。
エクステリアは、ロアグリルがブラック・バッジのオリジナルデザインとなる他、ボンネット前端に鎮座するスピリット・オブ・エクスタシーやパンテオン・グリルなどがブラッククローム仕上げとなって、精悍さを高める。標準モデルが“陽”でまとめられているとしたら、ブラック・バッジは“陰”だ。足まわりも、22インチ・7スポークの専用鍛造製ホイールを履くことで、スポーティさを際立たせる。
試乗会場となったワイナリー「シャトー・ラ・コスト」には、標準車と異なり、ロールス・ロイスで言うところのノワール(暗黒)な世界観でまとめられた、新型ゴースト・シリーズIIのブラック・バッジが並ぶ。
シャトー・ラ・コストは、1682年に創業したワイナリーでプロバンス地方を代表する存在といってもいい。2002年にラ・コストの地に移り、2009年にはオーガニック認証をうけた。ビオディナミを推進する一方で、アートにも力をいれている。ワインセラーをジャン・ヌーヴェルが手掛け、レンゾ・ピアノがアートの展示場を設計。さらに安藤忠雄のアートセンターや、フランク・ゲーリーによる音楽シアターなど、建築から現代アートまで錚々たる面子が揃う。
今回、筆者は、シャトー内にある「ヴィラ・ラ・コスト」に宿泊。プール付きのバルコニーからは、ブドウ畑が見渡せた。早朝、朝靄の中、ブドウ畑内の道を新型ゴースト・シリーズIIのブラック・バッジが静々と走る姿は、厳かだ。
ほどよく刺激的な走り閑話休題。試乗した印象を綴る。
前出のように、ブラック・バッジは標準モデルよりパワーアップしている。それは、アクセルを踏んだ瞬間から体感出来て、明らかに出足が鋭くなる。さらに、シフトレバーの「LOW」スイッチを押すとより刺激は強まる。
スロットルを90%まで踏み込むと変速スピードが50%増加する上、エキゾーストサウンドがドライバーに“ヤル気“を起こさせる音色に変化。“羊の皮を被った狼”という言葉がよぎるくらいエレガントからにスポーティに変化し、走りが楽しくなる。
あらためてスペックシートを調べると全長5545mm、全幅1998mm、全高1573mm、そして車両重量2505kgの超巨艦である。にも、かかわらず南仏のワインディングをひらりひらりと駆け抜けていけるのは驚く。”駆け抜ける歓び“を標榜するBMWグループの一員だからこそ、実現できた走行性能かもしれない。ブレーキ性能も十分すぎるほどで、2.5t弱のボディを最適制御する。
思わず「楽しい!」と、声が出てしまうほどブラック・バッジの走りは痛快。急カーブで、ボディが水平移動の如く、ロールを極力抑えながら地面を踏ん張り、“サッ”とパスしていく様相は、ひとまわり、いやふたまわりも小さいBMW「3シリーズ」を彷彿とした。
もっとも、ロールス・ロイスらしいエレガントさもしっかり残っている。例えばブレーキは、昨今のカーボンセラミックタイプのように、踏み始めからガツン! と、効くことはなく、踏み込んだ量に応じ、じんわりと効くから乗員全員に等しく優しい。
足まわりは「ブラック・バッジ・プラナー・サスペンション・システム」なる専用制御を搭載。それにより高いコーナリング性能と、マジック・カーペット・ライドを両立する。スポーティだからといって、足まわりが過度に硬めているわけではない。
リヤシートでシャンパーニュを楽しむ試乗車のシート地は、「デュアリティ・ツイル」なる新しいレーヨン生地が使われていた。すでに、新型カリナン・シリーズIIに導入され、好評を博しているという。
デュアリティ・ツイルには、創業者(チャールズ・ロールズとヘンリー・ロイス)のイニシャルである“R”をふたつ重ね合わせたデザイン「デュアリティ・グラフィック」が施される。
座り心地は上々。連続したカーブの続く道では、デュアリティ・ツイルのほうが滑りにくく好ましい。
2時間ほどドライブし、目的地であるマルセイユに到着。地中海を臨みながら、アペリティフのシャンパーニュとキャビアを楽しみランチへ。そして復路は、ショーファー付きの新型ゴースト・シリーズIIのブラック・バッジで戻る。しかも、「EWB」と呼ぶロングホイールベースバージョンだ。
標準モデルより170mmストレッチした分、リヤシート空間を拡大。標準仕様でもそれなりに広いが、ロングホイールベースバージョンはさらにゆったりと過ごせる。足を組んでも、レッグスペースには十分な広さが残る。
リヤシート左右の間にはシャンパーニュ用のクールボックスと専用グラスも備わる。このクールボックスは冷却温度を6度ないしは11度から選べる。訊くと、ノンヴィンテージは6度、ヴィンテージは11度が適温だと考えているそうだ。
せっかくなので、セットされていたシャンパーニュを味わう。南フランスの美しい景色の移り変わりを楽しみながら、シャンパーニュを味わうのは確かに楽しい。スポーティなブラック・バッヂであるものの、リヤシートの乗り心地は標準モデルと遜色なかったのは印象的だった。
シャトーに戻り、豪華なフレンチディナーに舌鼓を打ち、新型ゴースト・シリーズIIの試乗会は終了。見かけだけではない“本物の贅沢”を堪能出来た素晴らしいドライブだった。
文と編集・稲垣邦康(GQ)
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