輸入車 [2023.07.04 UP]
輸入車を認定中古車で選ぶメリットとは? おすすめモデルも一挙紹介!【認定中古車特集】
認定中古車特集/間違いない1台を手に入れる最短距離[認定中古車を賢くねらう]
70スープラで当時の人気スポットをドライブ~あの場所はいま90’s~
写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年8月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2023年6月調べ(認定中古車のみ)。
中古車購入で大切なのはリスク管理なのは言うまでもない。購入後のカーライフを存分に楽しむためにも、間違いのない1台を選ぶべき。だとするなら、あなたが選ぶべきは認定中古車。グーワールドがオススメするモデルを一挙紹介する。
[CASE-01]現行モデルを予算300万円を目処に購入する
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
認定中古車の購入を考えるうえで、覚えておきたいマジックプライスが300万円。プレミアムセダンから人気のSUVまで、輸入車の魅力を存分に味わえる価格帯だ。
初めての輸入車としても購入しやすい価格帯
輸入車入門として、認定中古車はオススメしやすい選択だ。何しろ、私自身、初めての輸入車は20代半ばで購入した認定中古車だったからだ。店頭に並ぶのは、メーカーの厳しい基準をクリアした優良物件のみ。付帯する保証は手厚く、高年式車ならば、期間の延長も可能。購入後の必要なメンテナンスは、新車と変わらず、ディーラーで行ってくれる。また全国各地にネットワークがあるので、もしもの故障時は、出先でも現地の店舗に頼ることもできる。
認定中古車は、高年式車が中心なので、高価というイメージがあるかもしれないが、そうとも限らない。車種によっては、現行型車を300万円の予算でねらうことも可能。国産新車の予算で、憧れのクルマを手にできるというわけだ。
現行型の魅力は、新車購入に近い満足感が得られること。ビジュアルはもちろんだが、装備についても同様で、先進機能も充実している。もちろん、一部機能がオプションであることや年次毎のアップデートによる内容の差は、調べる必要があるが、認定中古車は、新車ディーラーが取り扱うため、販売員も仕様の違いに詳しく、疑問点を尋ねれば、即解決だ。
ねらい目なのは、ずばりセダン。SUVブームに押され気味だが、欧州車の走りのよさを知るには、まさに打ってつけ。トランク容量も見た目よりも大きいので、実用性も高い。上級車ほど質感も高いので、できればDセグメント級をねらいたいところ。
ねらい目は、熟成域となったアウディA4とVWパサートだ。いずれも後期型に進化しているものの、予算的に前期型になるが、ビジュアル面での差も少ない。A4ならば、4WD「クワトロ」、パサートだとクリーンディーゼルTDIも見つかる。
個性的なスポーツセダンを望むならば、イタリア車のアルファ ロメオ ジュリアという選択もある。このほかにも流通数やグレードが絞られるが、定番のBMW3シリーズセダンを始め、英国車ジャガーXEやボルボS60なども候補だ。また欧州セダンの場合、ステーションワゴンを設定していることも多いので、同時に検討してみる価値あり。前述の車種ならば、A4とパサート、数は少ないがボルボV60が候補となる。
もちろん、人気のSUVだってねらえるが、現行型だとコンパクトクラスが基本だ。コンパクトといっても、コンパクトハッチと比べると、車内は広く、ファミリーカーとしても活躍してくれる。ねらい目は、お洒落な個性派SUV。BMW X2、MINIクロスオーバー、シトロエンC3エアクロスSUVなんて選択は、ファッションにこだわりを持つ人には、生活に彩りを与えてくれる相棒となるだろう。
ただファミリーカーならば、もう少し大きいほうがと思うのもたしか。ならば、VWティグアンを押したい。前期型には、今はないTDI×4WDも選べ、アクティブなファミリーには、いい選択となるはずだ。
300万円の認定中古車ライフでも、意外と夢にあふれているのだ。
プロフィール:自動車ジャーナリスト 大音安弘
クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。
[アウディ A4]アウディならではの高級感を味わえる
2016年に5代目に進化。20年10月にマイナーチェンジ。アウディ上級モデルのエントリーとして縦置きエンジンを採用し、FFと4WDを用意。現行型は、静粛性が高く、乗り心地も良好。そのキャラは、前期型のほうが強いため、高級車らしい走りが望みなら、よい選択だ。予算内でも、2L4WD車のセダンとアバント共にねらえる。
中古車参考価格帯:90万円~520万円(16年~23年 全グレード)
プレミアムカーらしい質感の高い内外装。先進性を重視するアウディだけに、デジタル機能も充実。ラゲッジ容量は460Lで、可倒式後席により拡大することも可能。
[フォルクスワーゲン パサート]派手さはないものの高い実力を備えたモデル
2015年7月に6代目に進化。21年4月にマイナーチェンジ。派手さはないが、シックな内外装が魅力の真面目な上級車で、快適性は高い。前輪駆動のみで、1.4Lと2Lのガソリン車と2Lディーゼルを設定。後期型は、ガソリン車が1.5Lに変更されるなど改良点もあるが、前期型も装備が充実しており、総合力は高い。
中古車参考価格帯:150万円~440万円(15年~23年 全グレード)
前期型のみダッシュボード上に、アナログ時計を装備。シートの作りはよく、長距離でも疲れにくい。写真は前期型のみの2.0 TSI Rラインのもの。
[アルファ ロメオ ジュリア]選択肢の豊富なスポーツセダン
2017年10月発売のイタリアンスポーツセダン。最大の特徴は、FR車なこと。現在は、2L直4ターボの右ハンドル車に集約されたが、左ハンドルやディーゼルエンジン、4WDなどのさまざまな仕様が存在。初期型の乗り味は、スポーツカーのようにハード指向だ。
中古車参考価格帯:220万円~660万円(17年~23年 全グレード)
[BMW X2]機械式にも対応する小型SUV
個性派コンパクトクーペSUVとして、2018年4月に新登場。小改良のみで、ビジュアルの変化はない。基本構造を、先代X1と共有する。1.5LエンジンがFF車で、2Lエンジン車が4WD車となる。全高を抑えたことで、多くの機械式駐車場にも対応できるのも強み。
中古車参考価格帯:200万円~530万円(18年~23年 全グレード)
[CASE-02]ミディアムクラスをあえてねらい打つ
価格と品質のバランス、つまりコストパフォーマンスを考えるなら、ミディアムクラス。ドライバーズカーの最高峰にも手が届く。
各ブランドの魅力を凝縮したモデルたち
輸入車に乗りなれた人のステップアップの定番といえば、ミディアムクラスだろう。このクラスは、ビジネスユーザーが多いため、耐久性や快適性などの総合力は、最上位のセダン並みが求められる。
その姿勢は、モデルチェンジにも表れており、フラッグシップとなるラージセダンの次にモデルチェンジせず、コンパクトセダンの後となるのが、恒例。このため、機能の目新しさこそ薄れるが、磨き上げたうえで搭載される。だからこそ、値ごろ感のある前期型も勧めやすい。
その代表格となるのが、ドイツ御三家のメルセデスEクラス、BMW5シリーズ、アウディA6の3台だ。しかも、これらは、ステーションワゴンが選べるのも、フラッグシップとなるラージクラスにはない魅力となる。また名称が異なるミディアムモデルを含めれば、クーペやカブリオレといった趣味性の高い選択も可能なのだ。
維持費については、ダウンサイズとなる2Lエンジン車が主力なので、抑えやすいのもうれしいところ。
最もねらいやすいのは、先代となったばかりの5シリーズセダン。300万円以内からでもねらえる。ワゴンは、350万円以内からとなり、少し高めだ。Eクラスはセダンとワゴン共に、350万円が入り口となり、もう少し予算があるといい。A6は、19年登場と比較的新しいので、450万円以内からとなる。
上級車だけにどれも仕様や装備に不足はない。認定中古車ならば、手頃なものでも満足度は高いはずだ。
[BMW 5シリーズ(先代)]つい先日まで現行型だった実力派
2017年に登場した7代目。20年のマイナーチェンジでは、先進機能を強化した。先ごろ、セダンのフルモデルチェンジが行われたばかり。BMWらしいスポーティさを備えつつ、落ち着きのあるスタイルに仕上げた。主力となる523iは、2L車だが、性能面に不足はなし。燃費とパワーに優れる2Lディーゼルの523dも悪くない選択だ。
中古車参考価格帯:240万円~810万円(17年~23年 M5を除く)
BMWらしさにあふれたコックピットデザインも、5シリーズの魅力。前期型は、2眼式アナログ風のデジタルメーターだが、後期型では、完全フルデジタル表示となる。
[メルセデス・ベンツ Eクラス]オススメは静粛性の高いディーゼル搭載車
2016年に導入を開始した現行型で、20年にマイナーチェンジを実施。セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレと種類も豊富。機能面では、富裕層のドライバーズカーとしても愛されるため、前期型でも先進機能は充実。静かなディーゼルの220 dがオススメ。
中古車参考価格帯:290万円~800万円(16年~23年 AMGを除く)
[CASE-03]新車時に高額なモデルこそ、中古車で!?
中古車の醍醐味は、新車では夢のまた夢と思っていたクルマに乗れること。じつは新車価格が1000万円級のクルマこそ、認定中古車が輝いてくる。
高額車両は認定中古車であっても値落ちが大きい
一部の人気車を除き、中古車の原則として、高額車ほどお買い得になる。その傾向が最も強いのが、フラッグシップセダンだ。新車時は1千万円級のモデルでも、先代となれば、価格も落ち着く。
年式や仕様によるが、メルセデスのSクラスやBMW7シリーズなどの定番モデルでも、400~500万円の予算でねらえる。もちろん、予算重視するならば、一般の中古車店で購入することで、出費を抑えるという考え方もある。そこで注目したいのが、購入後の維持費だ。
一般的に高額車ほど補修部品も高い。安く購入できても、修理代が嵩めば、結果的に負担増となる。そのためには定期点検履歴の明確なクルマを選ぶことが重要。しかも、認定中古車なら、しっかりとした納車前点検に加え、手厚い保証が付帯される。さらに有償で期間延長ができるケースも多い。急な大きな出費のリスクを抑えられる認定中古車は、安心なカーライフへの近道なのだ。
個性的なモデルをねらう際も、認定中古車は強い味方となる。流通台数が限られるため、よりクルマ選びが難しいからだ。たとえば、EVへのシフトを表明するジャガーは、伝統の世界観を味わう最後のチャンス。最上級サルーンのXJは、品のある豪華内装も楽しめ、走りもスポーティ。しかも価格は、超リーズナブル。またイタリアン車のマセラティにも認定中古車があり、最上位のクアトロポルテも、お得感がある。
一生に一度の夢を叶えたい人にも、認定中古車は賢い選択といえよう。
[ジャガー XJR]英国ブランドのフラッグシップモデル
2010年~2020年に販売された4代目XJ。快適なサルーンだが、スポーティな走りも得意としてきた同車の最高峰が、高性能なXJRだ。5LV8スーパーチャージャーエンジンは、最高出力575馬力、最大トルク71.4kgmを発揮。純粋な内燃機関を搭載するジャガー最後の味わいが魅力。
中古車参考価格帯:690万円~1090万円(13年~23年 XJR全グレード)
XJRはショートボディだが、ラージセダンだけあって車内は広々。内外装共にスポーティだが過激さはなく上品さを忘れないのは、ジャガーの美徳だ。
[メルセデス・ベンツ Sクラス(先代)]メルセデスの最高峰にも手が届く
2013年~2020年に販売された6代目。高性能なAMGや後席のおもてなしを高めた最上級のマイバッハも用意。燃費重視のディーゼルハイブリッドから最後のV12気筒車など幅広いラインアップを持つ。オススメは、後期型で登場した直6ディーゼルの「S 400d」だ。
中古車参考価格帯:380万円~980万円(13年~21年 AMGを除く)
[CASE-04]価格で勝負するなら、先代モデル縛りで
国産車の中古車とさほど変わらない予算であっても、輸入車ならではの走り、使いやすさ、デザインを味わいたい。そんな人にオススメしたいのが先代モデルという選択肢。
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
認定中古車を選ぶべきこれだけのメリット
認定中古車選びの最後を締めくくる先代モデルこそ、最もオススメしたい購入法だ。高年式の先代モデルを勧める理由は、大きく3つある。
まずは車両の完成度の高さだ。近年は日本車でも年次改良による熟成を図るメーカーも増えているが、欧州車では伝統的なお約束。だからこそ、自身が乗る頃には、新型が登場するのにもかかわらず、先代の最終型をねらう人がいるほど。ワインのように、新鮮さだけでなく熟成度を重視する感覚もあるのだ。
その際、気になるのは安全面を含めた先進機能だろう。時代のニーズもあり、昨今は、モデル途中でも、新機能の追加や大幅アップデートが加えられるケースはめずらしくない。
たしかに最新式に劣る部分もあるが、先代モデルの高年式車ならば、必要十分な内容といえる。その点についても、認定中古車ならば、機能や性能差についても、明確な説明が受けられるため、納得のうえ、購入を決断することができる。
続いては、コスパだ。新型の登場により、より価格は落ち着く傾向になることが多い。さらに近頃は、装備の進化分だけでなく、為替や資源価格の高騰による新車価格の上昇が著しく、従来の1クラス上と変わらない価格になりつつある。これまでの予算では、同等クラスの新車購入が難しくなっているのが現実だ。もしも、年齢や生活環境により愛車のダウンサイズを図りたいと考えているならば問題にならないが、家族構成や趣味などを理由に車格にこだわりたい人には、厳しい時代といえる。あえての先代モデル選びは、譲れない選択を守る手段にもなり得るのだ。
最後は、今だけの価値が味わえること。これは、主にクルマ好きや特定のブランドファンに向けたものだが、今の自動車は、100年に一度といわれる大変革を迎えている。このため、従来との価値に別れを告げるブランドも多い。具体的な車種で例をあげると、小さな本格派BMWとして人気を得た1シリーズは、伝統のFRレイアウトを捨て、FF車に生まれ変わった。電動化に舵を切ったボルボは、V40のようなコンパクトハッチから撤退している。まだ認定中古車が選べる今こそが、かつてのブランドの味を楽しむ最後の機会となりつつある。
認定中古車を選ぶ際にも、いくつか注意点がある。まずは認定中古車店に並ぶクルマのすべてが認定中古車とは限らないことだ。主に年式や走行距離を理由に認定中古車の基準には当てはまらないものの、状態のいいものが販売されているケースもある。店舗独自の保証や現状販売となるケースもあるが、内容に納得できるなら、悪くない選択だ。しかし、不要な出費を抑えたいならば、認定中古車がベターだ。1年~2年間の保証が付帯され、さらに延長できることが多い。たとえば、VWならば、10年10万km以内のクルマなら、有償で最大2年まで延長可能。上手に活用すれば、少し懐かしいモデルにも安心して乗れるうれしい制度でもある。またブランドや車種で延長保証の内容と料金は異なるので、その点もしっかりと事前に確認すべきだが、期間中に保証対象の修理が発生すれば、お得なケースがほとんど。私自身、保証修理時の費用を聞いて、ホッとした経験がある。
ぜひあなたにも、認定中古車制度のメリットを最大限活用して、輸入車ライフを満喫してほしい。
[フォルクスワーゲン ゴルフ(先代)]先代モデルとなっても色褪せない1台
世界中の小型車作りに影響を与えてきた名車、ゴルフの7代目。2013年6月に発売され、14年1月よりワゴン「ヴァリアント」を追加。17年5月にマイナーチェンジ。21年6月に現行型へ。全車ターボ車で、ガソリンの1.2Lと1.4L、ディーゼルの2Lがメイン。前期型のお手頃車も多いが、オススメは、通称「7.5」と呼ばれる後期型だ。
中古車参考価格帯:70万円~300万円(13年~21年 Rを除く)
実用的なコックピットは、落ち着いた雰囲気で、飽きのこないデザイン。疲れにくいシートもVWの魅力。スポーツモデルは割高。実用重視なら1.4Lの上級車がねらい。
[メルセデス・ベンツ Cクラス(先代)]価格と内容のバランスが良好
2014年~2021年に販売された4代目。メルセデス上級車の入り口として、絶大な人気を誇る。初期型なら、かなりお手頃。ただし、長く愛用するなら、大幅アップデートを受けた18年7月以降の後期型がねらい。電動化や機能強化など見どころ満載だ。
中古車参考価格帯:180万円~460万円(14年~21年 AMGを除く)
[メルセデス・ベンツ 3シリーズ(先代)]その走りは今でもなお魅力的
2012年~2019年に販売された6代目。現行型よりも小ぶりなサイズも魅力。伝統のFRレイアウトを採用し、一部モデルが4WDに。激レアなセダンのMTもあり。320iが主力だが、軽さを武器とする318iもいい。
中古車参考価格帯:130万円~330万円(12年~19年 M3を除く)
[メルセデス・ベンツ 1シリーズ(先代)]BMWらしい走りが味わえるコンパクトカー
2011年~2019年に販売。15年に後期型へ。特徴は、FRレイアウトのハッチバックであること。ねらいは、質感の向上した17年8月の改良型以降のもの。トータルバランスでは、ファッショニスタがオススメ。
中古車参考価格帯:120万円~370万円(11年~19年 全グレード)
[プジョー 308(先代)]フランス車の実力の高さを実感する実用車
2014年~2021年に販売。先代ゴルフの強敵として大活躍。ワゴン「SW」は専用ボディで、ワゴンの使い勝手を追求。主力は1.2Lターボ車だが、ディーゼル車なら、価格の落ち着いた1.6Lターボ車もいい選択だ。
中古車参考価格帯:100万円~250万円(14年~22年 全グレード)
[ボルボ V40(2代目)]大ヒットした傑作ショートワゴン
2013年~2020年に販売。ボルボ最後の小型ハッチバックとして、人気が高い。ボルボが起死回生を賭けたモデルでもあり、走りや質感も高い。認定中古車は、6年落ちまでとなり、熟成された後期型のみだ。
中古車参考価格帯:70万円~290万円(13年~20年 全グレード)
認定中古車システム最新事情|あなたが認定中古車を選ぶべき4つの理由
ここでは、認定中古車の最新事情を紹介するとともに、よくあるユーザー側の不安とそれに対する認定中古車のケアを紹介。4つの不安に当てはまる部分があるなら、認定中古車での購入をぜひ検討いただきたい。
文と写真●ユニット・コンパス
時代に合わせて進化する認定中古車システム
認定中古車の存在が、中古輸入車購入のハードルを大きく下げることに貢献したことは間違いないだろう。日本ではBMWからスタートした認定中古車制度は、いまやほぼすべてといっていいブランドが採用。選択肢のひとつとしてすっかり定着した。
じつはそんな認定中古車だが、時代とともに内容が変化しているのはご存じだろうか。その変化の大きさは、10年前の情報や感覚のままでいると損をするといっていいほど。
では、何が変わったのか。
大きな変化は、ユーザーニーズに合わせた多様化だ。たとえばメルセデスの「認定中古車プラス」は、保証にメンテナンス費用もセットにしながら月々の支払い額を抑えるプラン。これは残価設定型ローンの発展形といえるもので、何も心配せずに乗れて、なおかつスタンダードローンより月々の支払い額は少なくて済む。メーカーとしてもサービス入庫が確実となるし、数年後に良質な下取車として扱えるためメリットがある。
また、BMWではプラグインハイブリッド車の駆動用バッテリーについても保証を行うプランを用意。駆動用バッテリーの交換は非常に高額となるが、このプランであれば安心。また、高品質車のための「BMWプレミアムセレクション」には2年または1年の延長プラン(有償)もある。
保証を充実すれば安心感は高まるが、当然支払い額に跳ね返る。今時の認定中古車は、ユーザーが自分の価値観に合わせてプランを選べる。時代に合わせて認定中古車システムは進化を続けているのだ。
中古車は品質に不安がある」→メーカーが定めた基準で選別
ユーザーがクルマの品質を見極めることは非常に難しい。しかし、認定中古車ならば、専門家が査定を行ったうえで基準を満たしたもののみが選ばれる。純粋に好みや予算でクルマを選択できるという意味でも価値が高い。
「購入後の故障が心配」→充実した保証プログラム
クルマは機械の集合体であるため、たとえ納車時に正常に動いていたものでも、ある日突然故障することは大いにありえる。そのリスクを認定中古車ならば保証という形でサポートしてくれる。ユーザーは消耗品のみ気にすればいい。
「トラブルの際の対応が心配」→24時間365日の緊急対応を用意
トラブルが起きたときの対応は、気が動転していることもあってかなりのストレスになる。自動車保険にもロードサービスは付帯するが、認定中古車のサポートであれば、その後の入庫なども含めて窓口が一本化されるメリットがある。
「月々の支払い金額を抑えたい」→支払いプランを複数提案
メーカーは、認定中古車の高いというイメージを払拭するべく、いろいろな工夫を凝らしている。お馴染みの残価設定型ローンのほかにも月々の支払い金額を抑えるためのプランを用意。ライフスタイルに合わせて選択可能だ。
海外の中古車最新事情|加速するクラシック人気はどこまで行くのか
海外にも認定中古車は存在するが、今回紹介したいのはメーカー自身が手がけるクラシックカーのレストアビジネスだ。
文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、ジャガー、ランドローバー
ブランド力を高める意味合いもある旧車事業
昨今、テレビなど一般メディアでも報道されるようになってきたが、クラシックモデルの人気が世界的に右肩上がりとなっている。
電気自動車の台頭やデジタル化の加速により、クルマは新時代のモビリティとしてまさに生まれ変わろうとしているが、内燃機関に親しんできたユーザーにとっては、少々寂しい部分もあるのかもしれない。安く買えるから中古車を買うのではなく、欲しいモデルだから古くてもきちんとしたクルマを購入したいというマインドが高まりを見せている。
こうしたニーズに対して先見の明を感じさせるのがメルセデスだ。ドイツのメルセデス・ベンツ博物館に併設されたショールームでは、「ALL TIME STARS」と銘打たれたクラシックモデルがプライスボードを掲げて販売されている。レストアや整備を担当するのは博物館なのだから、信頼感も最高峰だ。
輝かしい歴史や名車を誇るブランドも名車の再生に力を入れている。
ジャガーは、CタイプとDタイプを当時の図面から蘇らせるプロジェクトを実施中。3000時間もの作業工程を経て、徹底したこだわりのもとで生み出される。価格は、「Cタイプ コンティニュエーション」が約2億6000万円、「Dタイプ コンティニュエーション」が約3億円となっている。
ランドローバーは旧型のディフェンダーをのレストア車を30台限定で発売。創設者であるスペンサー卿からインスパイアされた特別なデザインが施されている。
クラシックカーを博物館がレストアし、一般ユーザーに販売している「ALL TIME STARS」。当然価格はそれなりにするが、お墨付きと考えれば価値はある。
ジャガーは自らの歴史そのものともいえるレジェンドモデルを蘇らせた。日本でも6月に富士モータースポーツミュージアムで展示、一般公開された。
「クラシック ディフェンダー ワークスV8 アイラ エディション」はブランド発祥の地であるアイラ島から着想を得た限定モデル。良質な中古車をレストアし改造した。
[CASE-05]買うならオプション山盛りがお得ってホント!?
人気オプションを盛り込んだクルマを買うなら、認定中古車がお得。これは知っておきたい中古車購入のテクニック!
文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、澤田和久
中古車だからこそオプション山盛りがお得
新車のカタログに記載される車両本体価格は、オプションを何も付けない素の状態の価格を指す。新車購入時、あれこれ欲張ってオプションを盛り込んでしまうと、びっくりするような価格に膨れ上がってる……これは新車購入でよくある話だ。
たとえば、ここで紹介するのは2018年式のMINIクーパー3ドア。当時の新車価格は312万円だが、撮影車両は116万1000円分のオプションが盛り込まれ、総額は428万1000円となっている。じつに車両本体価格の4割弱もの金額がオプション代となっている。オプションの内訳をみてみると、有償ボディカラー(ソラリス・オレンジ)が6万9000円、スタジオスタイルインテリア(スポーツシートやオーディオ)が22万円、LEDヘッドランプ(11万9000円)などなど。新車ディーラーに展示されている車両はオプションが盛り込まれているケースが多く、それを見てしまうとオプションなしの車両は物足りなく思える消費者心理もあるだろう。
そこで注目なのが認定中古車。これは中古車全般でも当てはまるが、オプションが充実した車両と、そうではない車両の相場の差は、新車ほど大きくない傾向にある。それゆえ装備充実の車両をねらって探す方が断然お得なのだ。たとえばこのMINIの場合、同じ2018年式でLEDヘッドライトやドライバーアシストなど人気装備を盛り込んだ認定中古車の相場がおよそ200万円。5年落ちとはいえ、かなり安い。
オプションを省いた新車を買うより、装備を持った認定中古車をねらう場合がよい好例のひとつだろう。
[MINI 3ドア]手頃な価格で探せるおすすめコンパクト
現行型が登場してから9年が経過したMINI3ドア。扱いやすいコンパクトなボディに、ガソリン、ディーゼルから選べる幅広いパワートレインで、幅広いユーザーに愛される。特に「クーパーS」はパワフルな走りが魅力で人気も高い。中古車は、初期型ならば100万円台前半の予算から購入可能。物件も豊富で選びやすいのも魅力だ。
中古車参考価格帯:120万円~400万円(14年~23年 JCWを除く)
撮影車は「クーパー」。1.5L直3ターボを搭載し、136馬力を発揮する。後席も大人が座れるスペースがあり、実用性も十分。
[ポルシェ 718 ボクスター]オプションが高価なポルシェもねらい目
ポルシェは、ひとつひとつのオプション品が高額となっているため、装備が充実した認定中古車をねらうメリットは大きい。ポルシェ718ボクスターは、オープンドライブを楽しめるポルシェのエントリースポーツ。
中古車参考価格帯:570万円~1640万円(16年~23年 全グレード)
[CASE-06]ハイブランドのクルマを買うなら認定中古車が安心
フェラーリ、ランボルギーニ、ベントレー……これらの超高額なハイブランド車にも認定中古車があるのをご存じだろうか。高額車だからこそ、安心の車両を探したい。
文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、澤田和久
購入後の安心をより享受できるハイブランド
認定中古車を導入しているメーカーは、メルセデスやBMWだけではない。フェラーリやランボルギーニ、ベントレーに代表されるハイブランドも設定していることが多い。
たとえばフェラーリは、初度登録から14年以内という幅広い年式のモデルを設定し、厳しい基準を満たしたものだけが販売される。1年間の保証期間が設けられ、この間に故障をしても無償で修理が受けられる。また、ベントレーの認定中古車(サーティファイド・バイ・ベントレー)では初度登録から10年以内・走行距離10万km以内の正規輸入車を対象に、1年間(さらに1年の延長も可)の保証が付帯。購入後の手厚いサポートも魅力だ。そのほか、ランボルギーニ、マセラティ、ロールス・ロイス、アストンマーティンなどのハイブランドも、同様の認定中古車を設定している。
ハイブランド車の多くは、故障した場合に莫大な修理費がかかるケースがある。保証なしで乗るのは極めてハイリスクなのだ。しかし、認定中古車は1年以上の保証が設定されるほか、車両の品質も優れているため、故障のリスクも低い。これが認定中古車の大きなメリットである。また、純正パーツを使用した車両が登録されるため、リスクの高い改造車を避けて選べるというのもうれしいポイント。
認定中古車は、多くの正規ディーラーで取り扱っているため、新車と並列して検討することもできる。ハイブランドは、新車を注文してから納車まで時間を要することも多いため、すぐにクルマを手に入れたいという人にもおすすめなのだ。
[ベントレー コンチネンタルGT]現実的な価格で乗れるベントレー
ベントレーといえば一部の富裕層のみが乗る超高額車というイメージが強い。実際そのとおりではあるが、適切な中古車選びをすることで購入が現実のものとなる。そこでおすすめなのが、コンチネンタルGT。ラグジュアリーな2ドアクーペで、1000万円台の予算で入手可能。物件は、W型12気筒ターボの「スピード」が多い。
中古車参考価格帯:1080万円~3780万円(16年~23年 全グレード)
撮影車は「V8S」で、550馬力の4LV8ツインターボが搭載される。トランスミッションは8速AT。駆動方式は4WDで、高速ツーリングでも安定の走りを実現。
[マセラティ グラントゥーリズモ(先代)]先代モデルなら買いやすい
先日モデルチェンジを受けた2ドアクーペのグラントゥーリズモ。デビューは2007年で、中古車市場には300万円台の物件も存在する。認定中古車に絞ると2013年以降のモデルが登録されており、価格は750万円から。性能を考えると、かなり手頃な価格になった。
中古車参考価格帯:750万円~1700万円(13年~20年 全グレード)
輸入車の国別で中古車動向はどう違う? 国別にみる認定中古車の動向
輸入車は、国別で中古車動向が大きく違ってくる。物件数、ブランドの数、選びやすさ……今回は、代表して4つの国をピックアップして解説しよう。
文●ユニット・コンパス
写真●内藤敬仁、澤田和久、ユニット・コンパス
ドイツ/豊富な在庫と信頼で多くのユーザーを獲得
ドイツ車は、日本で最も親しまれている。販売台数が多く、中古車物件が豊富なVWをはじめ、メルセデス、BMWなど国産車からのステップアップにぴったりのブランドが揃う。それゆえ認定中古車も充実し、各メーカーが独自の制度を導入する。BMWは最長4年の手厚い保証も用意。一方ポルシェは電動化モデルにも専用の点検項目を設定する。ブランド別では、VWの割合が全体の3割近くを占めている。
物件割合
・フォルクスワーゲン:29%
・アウディ:24%
・メルセデス・ベンツ:23%
・BMW:20%
・ポルシェ:4%
Sample model[ポルシェ 911(タイプ991)]
ポルシェのような高額な車両は、品質と保証が充実した認定中古車を選びたい。911ならば、ひとつ前の世代(タイプ991)の物件が多い。
中古車参考価格帯:880万円~2400万円(11年~20年 全グレード)
先代911は、走りとスタイリングに大きな魅力がある。スタンダードなカレラからターボ、GT3のような高性能車まで選べる。
イタリア/どのブランドも探しやすいイタリア車
身近なコンパクトカーからスーパーカーまで揃うイタリア車。各メーカーが認定中古車制度を導入し、物件数も多く探しやすいのが特徴だ。最も多いのがフィアット。これにアバルト、アルファ ロメオが続く。フェラーリなどのハイブランドもしっかりと認定中古車が用意されるのも魅力だ。インターネットの公式ホームページから中古車の在庫を検索できるなど、ユーザーフレンドリーなのも注目のポイント。
物件割合
・フィアット:26%
・アバルト:24%
・アルファ ロメオ:21%
・マセラティ:14%
・フェラーリ:10%
・ランボルギーニ:5%
Sample model[アルファ ロメオ ステルヴィオ]
スポーティな走りが楽しめるアルファ ロメオ ステルヴィオ。認定中古車も豊富に流通し、今が買い時。400万円以下の物件も増えてきた。
中古車参考価格帯:370万円~1120万円(18年~23年 全グレード)
撮影車は「2.2ターボディーゼルQ4」。2.2Lの排気量で、210馬力/47.9kgmを実現。トルクフルな走りが楽しい1台だ。
フランス/人気ブランドが豊富なフランス認定中古車
フランスには豊富なブランドがあるが、大きく分けるとステランティス傘下のプジョー、シトロエン、DSオートモビル、そしてルノー&アルピーヌがある。認定中古車が豊富なのは前者で、特に手軽な実用車が多いプジョーの割合が非常に多い。ルノー系はスポーツモデルが中心ゆえ、在庫がやや少なめだ。とはいえ、どのブランドも保証期間やアフターサービスに大きな差はないので、好みで選んでよいだろう。
物件割合
・プジョー:58%
・シトロエン/DS:30%
・ルノー:11%
・アルピーヌ:1%
Sample model[ルノー トゥインゴ]
手頃な価格で手に入るルノー トゥインゴはフランス車のなかでも買いやすい1台。コンパクトなボディは扱いやすく、運転が苦手な人も安心。
中古車参考価格帯:140万円~240万円(16年~23年 全グレード)
撮影車はルノースポールが手がけた「GT」。109馬力にまで出力を高められ、5速MTを駆使してスポーツ走行を楽しめる。
アメリカ/GMとジープで占めるアメリカ認定中古車
フォードが日本市場から撤退し、ブランドが整理されたアメ車。現在の認定中古車は、GM(キャデラック/シボレー)とステランティス(ジープ)がほとんどを占める。なかでもジープの割合が多く、認定中古車のラインアップも豊富。一方GM系はキャデラックが目立ち、XT4やXT5の在庫が多いようだ。欧州ブランドと比べて物件数は控えめだが、保証内容はほとんど差がないので安心して選べる。
物件割合
・ジープ:89%
・キャデラック:7%
・シボレー:4%
Sample model[シボレー カマロ]
最新のシボレー カマロも認定中古車としてねらい目の1台。パワフルなV8のほか、現行モデルは軽快な直4ターボも選べる。
中古車参考価格帯:460万円~700万円(17年~23年 全グレード)
一段とモダンになった現行型のコックピット。タッチパネルコントロールを採用するなど、快適なドライブが楽しめる。
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中古の外車はそれなりに手がかかる