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元ニッサン・フォーミュラEエンジニアがフェラーリ入り/攻撃的すぎる縁石/マップ設定ミスetc.【WECカタール予選日Topics】

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元ニッサン・フォーミュラEエンジニアがフェラーリ入り/攻撃的すぎる縁石/マップ設定ミスetc.【WECカタール予選日Topics】

 WEC世界耐久選手権の2024年第1戦『カタール1812km』レースは3月1日、ルサイル・インターナショナル・サーキットでフリープラクティス3、予選、ハイパーポールのセッションを終え、決勝スターティンググリッドが決した。

 白熱した予選を終えたルサイルのパドックから、各種トピックスをお届けする。

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■2024年の“絶好調男”

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、5号車ポルシェ963に乗るマット・キャンベルがベストラップ1分39秒347でポールを獲得し、WEC新シーズン初のポールポジションを獲得した。一方、TFスポーツ・コルベットのドライバー、トム・ファン・ロンパイは2024年に創設されたLMGT3の初代ポールポジション獲得者となった。

 キャンベルは、LMP1ハイブリッド時代に遡る2017年のバーレーンで、ニール・ジャニとニック・タンディがポルシェ919ハイブリッドを予選トップの栄誉に導いて以来となる、WECでの総合ポールポジションをポルシェにもたらした。

 この29歳のオーストラリア人は、デイトナ24時間の勝利で今年のスタートを切り、先月はバサースト12時間レースでもポルシェで優勝している。

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージングディレクターであるジョナサン・ディウグイドは、「彼に『マット、今年は他の人に勝たせないつもりかい?』と冗談を言うと、彼は『そうしないように頑張っているんだ!』と言っていたよ」と語った。

 シボレーは、これまでのGTEプロとGTEアマに続いて、WECの3つのGTカテゴリーすべてでポールポジションを獲得した最初のマニュファクチャラーとなった。TFスポーツにとっても10回目のポールポジション獲得となったが、過去9回はアストンマーティンのマシンによるものだった。

■間違ったエンジンマップで走行

 プロトン・コンペティションの77号車フォード・マスタングGT3 は、予選でタイムを記録できなかった唯一の車両だった。

 彼らは電気系の問題に悩まされていた。ライアン・ハードウィックは予選を担当する予定だったが、セッションではまったく周回することができなかった。

 アコーディスASPチームのレクサスRC F GT3は2台ともに、2月26~27日に行われたプロローグテストの初日に間違ったエンジンマップで走行したと、チーム代表のジェローム・ポリカンは認め、これによりテストでクラス最高速を記録したと説明した。

 ポリカンは、確認されたBoP(性能調整)の仕様に従って走行した結果、およそ1秒のラップライムを失ったと推定している。

■デビュー戦のランボルギーニSC63にトラブル

 アイアン・リンクスのランボルギーニSC63 は、木曜日のフリープラクティス2の終盤にギヤボックス関連の問題に見舞われ、ミルコ・ボルトロッティは3速ギアで走行中にマシンをコース上に放棄せざるを得なくなった。

 スチュワードのレポートで明らかになったところによれば、煙を見て安全上の理由から「できるだけ早く」車から降りることにしたとボルトロッティは述べている。

 この初登場LMDhマシンはFP3でセッションに復帰し、ダニール・クビアトが予選を担当して19台がエントリーするハイパーカークラスで18番手となった。

 ランボルギーニの社長兼最高経営責任者(CEO)のステファン・ヴィンケルマンと最高技術責任者のルーベン・モールは、ランボルギーニSC63のレースデビューを見守るために現場にいるが、ランボルギーニの広報担当者によると、メーカーのモータースポーツ責任者のジョルジオ・サンナは個人的な理由でカタールにいないという。

■ハイパーポールでの使用タイヤは回収

 予選フォーマットの変更により、ハイパーポールに出場する10台のハイパーカーは、ミシュランがが宣言した同じタイヤコンパウンドで走行する必要がある。カタールでは、ハイパーカーチームはハードコンパウンドでこれを走行した。

 ハイパーポールのタイヤはセッション終了時に回収され、後日プライベートテストのためにミシュランのパートナーに提供される。

■どんな車高でも干渉する縁石

 フェラーリAFコルセ51号車フェラーリ499Pの新しいレースエンジニアは、バティスト・アレインであることが明らかになった。 彼は、キャデラックに移籍したジャスティン・テイラーの後任となる。

 アレインはニッサンe.damsフォーミュラEチームからフェラーリに移籍したことになる。彼は2023年にノルマン・ナト、2022年にセバスチャン・ブエミのエンジニアを務めていた。

 51号車のドライバー、ジェームス・カラドは、縁石の攻撃的な性質とハイパーカークラスの出場ドライバーがフロアに与えるダメージから、ルサイル・インターナショナル・サーキットは車両を破壊する可能性があると警告した。

「このトラックはクルマを破壊する可能性がある。ここの縁石はこれらのマシン用に設計されたものではない」

 昨年のル・マン王者は次のように付け加えた。

「車高とは関係ない。どんな車高に設定しても、縁石は非常に攻撃的だ。とても高速なので、クルマは明らかに(ダウンフォースで)路面に押し付けられるから、フロアの真ん中にちょうど接触するんだ。現時点ではクルマを無傷に保つために、アクセルを戻す必要がある」

■1台体制ながら「勢いを増す」キャデラック

 GMのスポーツカー・レーシング・プログラムマネジャーのローラ・ウォントロップ・クラウザーは、キャデラック・レーシングがシーズンを通じて1台のマシンで参戦を続けているにもかかわらず、昨年のWECデビューから間違いなく「勢いを増している」と信じている。

 クラウザーは次のように語った。

「我々はここに来るための準備に多くの努力を費やし、チームがコースに慣れるためにシミュレーターに時間を費やした。私たちにとってこれは新しいトラックなので、学んだことはたくさんある。1台体制では、テスト計画をどのように立てるかについて細心の注意を払う必要があるが、チームはうまく組織して準備を整えてくれた」

 クラウザーは、チップ・ガナッシ・レーシングがオペレートする2号車キャデラックVシリーズ.Rが今シーズンの6時間レースにサードドライバーを起用するかどうかについては、考えていない。今週末はセバスチャン・ブルデーがサードドライバーを務め、アレックス・パロウは、アレックス・リン/アール・バンバーのル・マンにおける共同ドライバーとして決定している。

■ル・マンでは「昨年の2倍」規模になるグッドイヤー

 耐久プログラムマネジャーのマイク・マクレガーによると、今シーズン後半に導入されるグッドイヤーの2番目のLMGT3タイヤコンパウンドの作業は計画どおりに進んでいるという。

 グッドイヤーは今月後半にはスペインのバルセロナ、そして4月にはベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでテストを行う予定だ。

 マクレガーはSportscar365に対し、新しいコンパウンドの導入日はまだ決定されていないが、ル・マン24時間レース後になるという以前のコメントを繰り返した。2番目のコンパウンドは、以前は『C』スペックと呼ばれていたが、現在マクレガーはそれを『ミディアム・プラス』と呼んでいる。

 グッドイヤーはカタールの開幕戦に2500本のタイヤを持ち込んだが、その数はLMP2クラスにもサービスを提供するル・マンでは7000本に増える予定だ。

「これは我々にとって大きなスケールアップだ」とマクレガー。

「我が社の全体的な事業規模は、昨年のほぼ2倍になる。明らかに車両の数が増えたため、トラックエンジニアリングチーム全体がそれに見合うように成長する必要があった」

■小泉洋史とタキ井上の関係

 TFスポーツ82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rのドライバー、小泉洋史は英語力の不足のためにシーズンのスタートが「本当に大変だった」と認めている。彼はSportscar365に対して次のように語った。

「TFスポーツはとても親切な人たちで、私のために素晴らしい環境を整えてくれました。 一方、チーム無線は英語です。コルベットも新しい車で、ほとんどのサーキットは私にとって初めてのトラックになるので、運転中に無線を聞くことは難しいことです」

 小泉は、通訳者となった元F1ドライバーのタキ井上氏とは、最近一緒に仕事を始めたばかりだと付け加えている。

「彼は私をとても助けてくれていますが、その一方で、私が自立できるようになることを望んでいます……だから実際には、彼はそれほど多くを訳しているのではなく、特定のフレーズだけを訳しているだけなのです。おそらく彼は『小泉さんはそれを理解しているに違いない』と考えているのでしょう」

 1812km、または10時間で争われる決勝レースは3月2日土曜日、現地時間11時(日本時間17時)に開始される。

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