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英国チューナー渾身の1台! S30型「フェアレディZ」レース仕様に注目集まる

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英国チューナー渾身の1台! S30型「フェアレディZ」レース仕様に注目集まる

■サムライ魂がこめられた「フェアレディZ」

 S30型「フェアレディZ」は、日本のみならず海外でも高い人気を誇っているが、もともと北米をターゲットとして開発されたものであるので、当然といえば当然かもしれない。

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 国内では当時の自動車税の関係もあって、L20型2リッターエンジンを搭載したモデルが主力だったが、海外では2.4リッターのL24型エンジンが搭載されていた。この海外向けのフェアレディZは、空気抵抗が少なく軽量なボディとL24型エンジンのトルクの太さが相まって、俊敏な走りを実現していた。

●1974 ダットサン「240Z スーパーサムリ」

 当然のことだが、S30型フェアレディZの優れた素質を活かした、レーシングカーやチューニングカー製作も数多くおこなわれていた。S30型フェアレディZは国内のレースだけでなく、海外でもレースやラリーに出場しており、チューニングの世界でもエンジンの排気量アップによるパワーアップが当たり前のようにおこなわれていたのだ。

 L型エンジンの頑丈さも、チューニングベースとしての価値を高めていたといっていいだろう。S30型フェアレディZは、ストリートカーとして、レーシングカーとして、そしてチューニングカーとして、多くの人に受け入れられたクルマであったのだ。

 今回シルバーストーンオークションに登場したS30型240Zは、英国のチューナーがつくり上げたコンプリートカーである。手がけたのは、スパイク・アンダーソン氏率いるサムリモーターカンパニーのブランド「Super Samuri(スーパーサムリ)」だ。

 このスーパーサムリというブランドは、1960年代に「サニー1200」のチューニングからその歴史が始まっている。サムリというネーミングは、ご想像の通り、「Samurai(サムライ)」からインスパイアされたものだ。

 S30型240Zは、サーキット仕様車とラリー車をともに仕上げているのだが、現在残っているクルマのなかには、いわゆる見た目だけのサムリ仕様というものが多く、エンジン内部までサムリモーターカンパニーが手掛けた個体は、非常に少ない。

■フルレストアされた納屋物件

 今回紹介する1974年式「240Zスーパーサムリ」は、まごうことなき純正のスーパーサムリだ。

 もともとキプロスで販売されていたノーマルの240Zを、当地に赴任していたロイヤルアーミーの大尉が購入、英国に持ち帰った後にレーサーであるエディ・スティーブンス氏に売却。そのスティーブンス氏がサムリに車両を持ち込んでチューニングし、レースに参戦していた。

●1974 ダットサン「240Z スーパーサムリ」

 チューニング内容はエンジンをボアアップにより、2565ccに排気量アップし、Φ45mmの3連ウェーバーキャブをセット。トランスミッションの強化やロールケージの装着をおこない、外装もサムリオリジナルのアイテムを装着している。

 しかしこうしたチューニングを受けたのち、スティーブンス氏はレースからの帰宅途中、自損事故を起こしてしまった。そのため、この240Zは、長期間納屋で保管されることになる。

 1998年、このクルマが再び日の目を見ることとなる。『ダットサン240Z/260Z/280Z』という本の著者であるジェームス・モリス氏と、ラリードライバーであるケビン・ブリスタウ氏が、このクルマを発見し、全面的なレストアをおこなったのだ。

 その後、2007年にボナムス・オークションで販売されたこのクルマは、複数のオーナーの所有を経て、2016年に現在のオーナーの手に渡っている。その間、さまざまな整備や修復を受けていて、直近では2016年2月にブレーキや排気系、シートやホイール交換がおこなわれた。

 現在の走行距離は5821マイル(約9313km)と、年式からいえばきわめて少ないといえる。さらに、スパイク・アンダーソン氏の真正のスーパーサムリである、という保証書も付属している。

 注目オークションは、2021年3月27日。極上といっていい状態のよさと、真正のスーパーサムリであること、そして貴重な240Zであることを考えると、高額での落札が予想される。果たしてその価格はいくらとなるのか、注目したい。

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みんなのコメント

1件
  • スプリジェットを北米マーケットから追い出し駆逐してしまったZ。

    英国の地でも愛され。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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